12月15日 月のホテルでカクテルを飲める時代へ
 政務次官就任直後、宇宙飛行士の向井千秋さんと懇談する機会に恵まれた。実際に宇宙から地球を見た人が語る珠玉の言葉の数々は、大人をも胸踊る気持ちにさせてくれるものであった。「誰もが月のホテルでカクテルでも飲める時代になれればいいですね」と宇宙開発への期待を語って下さった。
 某飲料会社が行った宇宙旅行が当たる懸賞には全世界で60万人が応募したそうである。私の身近にも「宇宙に行きたい」との抑え難い憧れから懸賞に応募した女子学生がいた。おそらく60万人すべての人が、そんな素朴で純粋なロマン溢れる心境からささやかな夢を託したのではないだろうか。
 しかし、宇宙への旅が万人に開かれる時はいまや目前に迫っている。私は、建設会社勤務時代に宇宙ホテルの研究に取り組んできたが、夢物語であった宇宙旅行が海外旅行と同じ感覚で実現する日は近い将来必ず到来すると確信している。
 先日、科学技術政策の勉強会に参加した際、ある国会議員が「もっと夢と希望のある科学技術政策を打ち出していこう」と発言をしていた。私も全く同感である。「夢」を「現実」へと変えていくことこそ科学技術の醍醐味であると言える。
 現在、若者の科学技術離れが深刻化しているが、真の「科学技術立国・日本」の構築は若者の双肩にかかっている。宇宙ホテルで若者とカクテルをかたむけながら、人類のための科学技術を論じらる日の近からんことを切望している。
10月20日 日本のどこかで星空を眺めている少年へ 
 私が生まれ育った島根県羽須美村はじつに星空の美しい所である。少年時代、夜空に満天の星を眺めながら、「いつの日か自分も宇宙に行きたい」と思うようになり、科学を志すきっかけともなった。
 古来より、人間の旺盛な好奇心や自然への憧憬の念が科学の進歩をもたらしたのではないだろうか。
 過日発生した茨城県東海村における国内初の臨界事故。原子力に対する国民の不信感は増大し、科学技術行政への根本的な改革が迫られている。本来、人類にとって有益でなければならない科学には、人類を脅かす危険も孕んでいる。故に、その科学を運用する人間のモラルと哲学が重要な鍵を握っており、科学技術行政の信頼回復は、それに携わる人間の意識改革によってこそなされるものである。この根本的かつ基本的な認識の欠落が現代日本に巣くう病理ではないだろうか。
 今回、第二次小渕内閣発足にあたり、はからずも科学技術総括政務次官の重責を担うこととなった。今なにをなすべきかは明確であり、科学技術への期待と信頼を全力で復興させていかねばならない。
 また、今後の日本において更に重要性を増すであろう科学技術の使命を考えるならば、次代を担う青少年こそ科学への旺盛な探求心を育んでほしいと思う。
 日本のどこかで星空を眺めている少年が、モラルと哲学を兼備した、日本の科学技術の中核を担う存在となることを夢みて、永田町よりメッセージを発信していきたい。