平成19年度補正予算 公明党の成果
救急体制の整備
救命センターの機能強化


 昨年(2007年)、奈良県で起きた妊婦搬送“たらい回し”による死産などの痛ましい出来事の再発を防止するため、(1)地域救命救急センター(仮称)の設置(2)救急医療情報システムの充実(3)小児救急医療体制の確保――などが予算政府案に盛り込まれ、救急医療体制が拡充されます。
 既存の救命救急センターの機能を拡充するとともに、03年度から設置が始まった新型救命救急センターの機能を高めた地域救命救急センター(仮称)を設置します。また、救急患者の受け入れを確実に行うための救急医療情報システムの充実が図られます。
 さらに、子どもの命を守り育てるために、小児救急拠点病院の休日・夜間における診療体制の確保とともに、出産前後の母胎・胎児や新生児に対応する周産期医療体制の整備が促進されます。

ドクターヘリを導入 
運営費援助し全国配備促進


 安全・安心の救急医療体制確保の一環として、ドクターヘリ導入促進事業の拡充予算が盛り込まれています。
 現在、ドクターヘリは、11道県12カ所に配備されています。また、東京都が運用する東京消防庁のヘリを活用した「東京型ドクターヘリ」など、消防防災ヘリなどが救急患者の搬送に携わっている事例もあります。しかし、財源の確保が難しいこともあって、配備する自治体の増加率は加速していません。そこで、未配備の地域が導入する際の運営費を含め、13億6000万円を確保。ドクターヘリの全国配備を推進していきます。
 ドクターヘリの全国配備は、公明党が推進し、昨年(2007年)成立した特別措置法により、大きく前進しました。この特措法によって国が定めた「医療法の基本方針」に基づいて、都道府県が現在、ヘリ導入を含む医療計画の策定を進めています。

肝炎患者を救済
インターフェロン治療を助成


 国内のB型、C型肝炎の患者、感染者は350万人とされ、肝炎は「国内最大の感染症」ともいわれており、その克服が大きな課題です。
 そこで来年度の予算案には、肝炎対策として207億円が計上されました。前年より132億円も増額されています。この柱は、C型肝炎の治療に有効とされるインターフェロンの治療費助成です。
 インターフェロンは高価な薬で、月に7万〜8万円も治療費がかかるため、治療を途中で断念する患者も少なくありません。そこで患者の所得に応じて、自己負担額を1万、3万、5万円として、残りを助成することにしています。
 これらは昨年(2007年)11月、自民、公明両党の与党肝炎対策に関するプロジェクトチームが示した案に沿って実施されるものです。

がん対策の拡充
放射線療法、緩和ケアを推進

 がん対策については、前年度に比べて24億円増え、236億円が計上されました。公明党の尽力で成立した「がん対策基本法」を受け、(1)放射線療法、化学療法の推進と専門医の育成(2)専門的な緩和ケアの推進(3)乳がんの精密検査用マンモコイルの緊急整備――などの推進に利用されます。
 がん治療の柱の一つである放射線治療については、欧米に比べ専用機器や専門医不足が指摘されているため、がん診療連携拠点病院に先進的な放射線治療機器を緊急配備するとともに、研修会を実施し専門的な知識と技能を持つ医師や診療放射線技師を育成します。
 また、がん診療にかかわる医師に対し、患者の苦痛を軽減する緩和ケアの技術研修を行うとともに、在宅緩和ケアを希望する患者に対して総合的な支援を行います。

医師不足対策
地方へ派遣体制を構築


 医師不足が深刻なことを受け、医師確保対策として(1)地方への医師派遣システムの構築(2)病院勤務医の勤務環境の整備(3)女性医師の復職に向け、病院内保育所の整備・拡充――などに161億円の予算を計上しました。
 医師が確保できない地域に対しては、国から地方へ緊急の医師派遣を行うシステムを構築します。
 また、病院勤務医の過重労働を解消するために、交代勤務制を導入する病院に財政支援をし、事務を補助する医療補助者を配置します。
 一方、2008年度診療報酬改定で、医師の技術料など本体部分を8年ぶりに引き上げ、医師の収入を増やして労働環境を改善し、医師不足を和らげる方針です。

出産体制の充実
産科機関の支援事業を創設

 安心して子どもを出産し、育てられる社会をつくるため、産科・小児科をはじめとする周産期医療体制の充実を推進します。
 具体的には、分娩できる医療機関が減少しているため、産科医療機関への財政支援事業を創設します。
 また、産科のある病院や診療所で「院内助産所」の設置を促進するため、1.6億円を計上。助産師による出産や新生児へのケアなどを進めます。
 また、小児救急拠点病院の休日や夜間における診療体制の確保をはじめ、産科・小児科、医師不足地域の病院で行う宿日直研修への支援を実施し、小児救急医療体制を充実させます。

高齢者医療費を軽減
70〜74歳、1割に据置き


 今年(2008年)4月から予定されていた高齢者医療費の負担増は、公明党が粘り強く自民党を説得した結果、凍結・軽減されました。
 2007年度の補正予算案に負担凍結・軽減に伴う経費として1719億円が計上されています。
 これにより高齢者医療費は(1)今年(2008年)4月から2割負担が決まっていた70歳から74歳の窓口負担を1年間、現在の1割に据え置く(2)75歳以上の一部が新たに負担する予定だった保険料を今年(2008年)4月から半年間免除し、その後の半年間は9割軽減する――ことになります。
 1年間の凍結・負担軽減措置が終了する09年4月以降の医療費負担については今後、与党作業部会で検討していきます。

障害者の自立支援
特別対策の恒久化で負担軽減


 福祉サービスを利用する障害者の負担軽減や事業者支援策として130億円の予算を確保しています。公明党が内容を報告したところ、障害者団体から喜びの声が数多く寄せられました。
 2008年度までとなっていた低所得者を中心とするサービス利用料の軽減措置(特別対策)を恒久化したほか、障害児を抱える世帯の負担軽減の対象を年収約890万円(現行約600万円)に拡充。さらに、利用者負担の上限を算定する際の所得段階区分を、従来の「世帯」から「個人単位」に見直したほか、障害者の非課税世帯が支払う居住・通所サービスの負担上限額を3750円から1500円に下げました。

年金財政の強化
国庫負担 2分の1めざし上積み


 年金制度を持続可能で安心なものとするため、政府・与党は、基礎年金国庫負担割合の「2分の1」への引き上げを2009年度までに断固実現することを改めて確認し、08年度予算政府案では前年度より1356億円多い7兆4258億円を計上、年金財政が強化されます。
 これは、定率減税の縮減・廃止に伴う増収分の全額充当を求めてきた公明党の主張が反映されたもの。2分の1への引き上げは04年の年金改革で決定されたもので、定率減税廃止分の充当などで04年度から4年連続で段階的に拡充。
 これにより国庫負担割合は、現行の約36・5%から約37.3%に引き上げられます。

年金記録問題対策
すべての人に「特別便」送付


 年金記録の管理に対する国民の不信感を払拭するため、公的年金の加入者と受給者すべてに加入履歴をお知らせすると同時に、コンピューターの記録と台帳との計画的突き合わせなどの対策を着実に進めるため、計298億円を計上しました。
 具体的には、すべての人を対象に、加入履歴の確認を求める「ねんきん特別便」を郵送し、特別便を受け取った人からの問い合わせに応じる「特別便専用ダイヤル」も整備します。
 また、コンピューター上の記録に間違いがないか、台帳などとの突き合わせ作業を推進。今年から半年ごとに、作業の進ちょく状況も報告されることになっています。

事業継承を円滑化
株式相続の負担、大幅に軽減


 高度経済成長期に創業された中小企業の経営者の引退が本格化するなど、事業承継が地域経済にとっても大きな課題になっています。このため、税制改正で中小企業経営者の個人資産の約3割を占めている非上場株式に関して、相続税の負担を現行の10%減額から80%の納税猶予に大幅に軽減します。
 適用条件は5年間の事業継続、雇用の8割以上の維持、相続した株式の継続保有です。事業承継を地域の雇用確保、経済活性化につなげることをめざしています。条件を満たせないと猶予を打ち切られますが、5年の事業継続後、死亡時まで株式を保有した場合、猶予税額が免除されます。

下請け支援
総合的な相談窓口を全国配置

 来年度の新規事業として中小企業者の“駆け込み寺”の機能を持つ「下請適正取引推進センター(仮称)」の整備に、4億6000万円が盛り込まれました。
 中小企業は原油高騰分などのコストを価格に転嫁しにくいため、親会社と不利な取引を余儀なくされがちです。同センターは、下請け取引に関係する相談の対応や裁判外紛争の解決などの相談窓口を一本化し、全国各地に設置されます。中小企業の負担軽減をめざし、公明党が実現を強く推進してきました。
 また、国は大企業や業界団体に対し、下請け企業との取引や建設労務費などの適正化を徹底するよう通達を出しました。

信用保証の拡充
売掛債権の現金化を後押し


 中小企業の資金繰りをより円滑にするため、小規模企業向け貸付制度(マル経融資)の拡充などとともに、中小企業の売掛債権(商品やサービスの未回収代金を受け取る権利)の早期現金化を支援する施策を実施します。
 売掛債権の買い取りについて、信用保証協会が金融機関に債権回収を保証する仕組みを創設。中小企業が持つ売掛債権を迅速に現金化します。急な資金ニーズに対応するための保証枠をあらかじめ確保する予約保証制度も導入します。
 信用保証協会の業務も拡充。再生ファンドへの出資を認め、中小企業の再生支援を強化します。

税収格差の是正
財政力に配慮し重点配分へ
 

大企業が多い東京都や愛知県などの大都市と地方との税収格差を是正するため、2008年度税制改正で企業が地方自治体に納める法人事業税の一部を切り離し、地方に手厚く配分する仕組みを暫定的に導入しました。
 具体的には、08年10月以降に開始する企業年度から、法人事業税の約半分の2.6兆円を分離。地方法人特別税(国税)を新たに創設します。これを09年4月から人口と従業者数を基準として都道府県に地方特別譲与税として配分します。
 同譲与税を財源として、財政力の弱い自治体などに重点配分する地方交付税の特別枠「地方再生対策費」(4000億円)が設けられます。

再生機構を設置
地域の中核企業 第3セクターなど支援  

08年度予算案に地域経済の中核企業や第3セクターの再建を後押しする「地域力再生機構」創設への経費100億円が計上されました。
 同機構は、巨額の負債を抱え経営が圧迫されている中核企業や第3セクターに対し、地域の金融機関や地方公共団体の協力を得て再生支援を行います。機構の存続期間は5年以内で、支援企業の選定には中立性を保つため、第三者委員会も設置されます。
 内閣府がまとめた地域力再生機構に関する法案には、機構設立から原則2年以内に支援先を決め、銀行から債権を買い取ることのほか、再建に向けた経営者派遣などが盛り込まれました。

ふるさと納税新設
自治体への寄付で住民税控除


 来年(2008年)度の与党税制改正大綱では、公共サービスを個人が支える寄付金税制が拡充されています。その代表的なものが新設される「ふるさと納税」制度です。
 これは、生まれ故郷をはじめ、居住地以外の都道府県や市区町村への寄付金のうち5000円を超える金額を、居住地の個人住民税額から最大1割まで差し引くものです。ふるさと納税制度は税収の乏しい自治体の活性化策としても効果が期待されています。
 自治体の中では、寄付金の使途を明示することで少しでも多く“納税”をしてもらおうと、ホットなアイデア合戦も始まっています。

広がる“福祉灯油”
自治体の購入費補助など支援


 国際的な原油価格の高騰でガソリンや灯油の高値傾向が続いています。こうした中、低所得世帯などを対象に自治体が灯油の購入費を補助する“福祉灯油”事業を実施する自治体に対して、国は2007年度の特別交付税で2分の1を財政支援することを決めました。
 自治体により内容はさまざまですが、概ね高齢者や障害者、母子・父子世帯や住民税非課税世帯などに対して、1世帯当たり約5000円〜1万円程度の助成が、現金や灯油の現物支給、灯油券配布などで実現しています。原油高対策への公明党が積極的な取り組みで、各地に暖かな団らんが広がりました。

地域の“足”を確保
離島航路、地方バス路線守る


 政府・与党が取りまとめた原油価格高騰に対する緊急対策は、地方の生活にも目配り。住民の足として欠かせない離島航路や地方バス路線など交通事業への補助を盛り込んでいます。
 具体的には、離島航路事業者に対する維持・改善対策などに07年度補正案と08年度予算案を合わせ合計58億5000万円を計上。離島航空路線に就航する航空会社への運航費用への助成(08年度予算案4・3億円)や、固定資産税の軽減措置も実施されます。
 また、地方バス路線の維持対策でも、路線運行で生じた欠損への補助や、燃費の良い新型車への更新も支援できるよう配慮しています。

高速料金引き下げ
各種割引制度を大幅に拡充


 高速道路の料金が引き下げられます。
 昨年12月7日の道路特定財源に関する政府・与党合意に、地域活性化や物流効率化、都市部の深刻な渋滞解消などの観点から、既存高速道路ネットワークの有効活用・機能強化の一環として「高速道路料金の引き下げ」が盛り込まれました。
 これに基づき、08年度予算案に1517億円(スマートインターチェンジ設置予算も含む)が計上されました。夜間割引を含めた時間帯料金割引や環状道路利用割引などの各種割引制度が大幅に拡充されます。
 公明党は、高速道路料金の引き下げへの道路財源の活用を一貫して主張してきました。

農商工連携
共同で商品・サービスを開発


 2008年度予算案には、新事業として「農商工連携促進」に約103億円が計上されました。農林水産業と商工業の連携を促進し、新しい商品やサービスの開発・販売を加速させることで地域経済の活性化をめざします。省庁の縦割り行政を超えた総合的な地域振興対策として期待されています。
 また、同年度税制改正には、農商工連携によって新商品の開発や生産などに必要な設備投資に対し、税制優遇措置を講じる仕組みも導入されました。
 政府は、これらの施策を盛り込んだ「農商工連携促進法案」をまとめ、今国会での成立、年内施行をめざしています。
農政3対策見直し
意欲的な小規模農家も対象に


 政府は07年度補正予算と08年度予算案で、米政策と品目横断的経営安定対策、農地・水・環境保全向上対策の農政改革3対策について見直しを行います。見直し対策額として両予算を合わせて1111億円が計上されています。
 特に品目横断的経営安定対策は名称を変更し、市町村特認により、小規模でも意欲ある農業者を認定対象にすることができるようになります。事務手続きも大幅に簡素化し、交付金の支払い時期も前倒しされます。
 これには昨年(2007年)、公明党が3対策と小規模農業者への支援に関して行った申し入れの内容が反映されています。

鳥獣被害の防止
市町村の取組みを国が支援


 イノシシやシカ、カラスなど野生動物が収穫前の農作物に深刻な被害を及ぼしています。農山漁村の人口減少や捕獲などの技術を持った人材も少なくなり、被害額は年間200億円にも上り、集落崩壊の危機に直面する地域もあります。08年度予算案には、新たな取り組みとして鳥獣被害防止総合対策事業を創設し、28億円を計上。昨年(2007年)末成立した鳥獣被害防止特別措置法を受けて、市町村が設置する防護柵の設置や、捕獲を行う活動費など、必要な財政措置を国が支援する態勢が整備されました。
 公明党は人と動物の共生にも配慮、間伐の推進や広葉樹林の育成なども同法に盛り込みました。

耐震改修の促進
低所得者への補助拡大


 昨年(2007年)も能登半島沖地震と新潟県中越沖地震という二つの大地震が起き、大きな被害を出しました。
 住宅や建築物の耐震化をさらに促すため、2008年度から従来の耐震化促進施策に加え、低所得者層(4人世帯の場合、年収531万円以下)に対する耐震改修費補助制度の地域・建物要件を撤廃し、補助率も15・2%から23%に引き上げます。
 リバースモーゲージ(死亡時一括償還型融資)を利用した耐震改修への補助も拡大します。緊急輸送道路沿いの住宅や災害時に避難所となる公民館、集会所などへの耐震改修費の補助率も大幅に引き上げられます。

食品偽装を防止
特別Gメン設置し監視強化


 昨年(2007)年、相次いで起こった食品表示偽装問題。政府は「食の安全」への施策を強化するため、2008年度予算案に食品表示適正化総合対策費として3億5000万円を盛り込みました。
 具体的には、全国に現在約2000人いる食品表示Gメンから20人の特別捜査官を選び、「食品表示特別Gメン」を新設。東京、大阪、福岡に配置し、大規模な偽装表示に素早く対応できる体制を整えます。監視に必要な機器も整備し、監視体制をより強化します。
 また、ブロックごとに県警や自治体との連携を図る食品表示監視協議会を設置し、政府内にも関係省庁による食品表示連絡会議を発足させます。

住宅対策
UR家賃負担軽減など重層的に

 公明党の議員立法で昨年(2007年)7月に施行された住宅セーフティネット(安全網)法に基づき、居住者の負担軽減など重層的な住宅セーフティネット構築に2596億円が予算計上されました。
 これにより都市再生機構(UR)の賃貸住宅ストック(約77万戸)再編に伴う家賃負担軽減などを図る出資金制度が創設されます。地域住宅交付金の拡充で、高齢者向け賃貸住宅と福祉医療施設との連携強化が図られるとともに、エレベーター設置などバリアフリー化、改修に伴う家賃負担上昇の緩和措置などが講じられます。災害時に被災者が地域で住み続けられるよう小規模住宅地区改良事業も拡充します。

奨学金の拡充
利用枠 初の120万人突破へ


 来年度から日本学生支援機構の奨学金事業が、さらに拡充されることになりました。
 2008年度予算案では、大学生の毎月の貸与上限額を現行の10万円から12万円に、大学院生は同13万円から15万円へ引き上げられます。また、貸与人員も7万5000人増え、利用枠は有利子、無利子合わせて121万9000人となり、初めて120万人を突破します。また総事業費も、801億円増の9305億円となり、過去最高となります。
 公明党の文部科学部会は昨年(2007年)12月、財務、文科両相に教育予算の充実を求める申し入れを行うなど、一貫して奨学金の拡充を推進してきました。

就園奨励事業
私立通園 年間8万円の負担軽減も


 子どもを幼稚園に通わせている家庭の所得状況に応じて経済的負担を軽減し、公・私立幼稚園間の保育料の格差是正を図る「就園奨励事業」が、公明党の強い主張により来年度は、さらに拡充されることになりました。例えば年収360万円以下の場合、私立幼稚園に通う子をもつ家庭の負担が、年間8万4200円軽減されます。
 これまでも国は、同事業を実施している地方自治体に対し、所要経費の一部を補助してきましたが、08年度の予算案では、07年度より7億6000万円増となる192億円を計上。対象園児1人当たりに換算すると、年額平均で3000円アップとなります。

児童扶養手当
一部削減を凍結し支給継続


 母子家庭の暮らしを支える児童扶養手当の一部削減の凍結が08年度予算案に反映されました。働く意欲のある母親であれば、これまで通り支給を受けられます。また、働きたくても本人や子どもに病気や障害があるために、就業が困難な場合も手当が支給されます。母親に対する就業支援策も拡充されます。
 08年度以降、児童扶養手当は支給額を一部削減(最大2分の1)することが決められていましたが、母子家庭の母親の就業状況が依然として厳しいことから、公明党は児童扶養手当の一部削減の凍結を主張。その結果、実質すべての母子家庭に継続して支給されることになりました。

教員定数を増員
OBなども登用
生徒と接する時間確保


 文部科学省は2008年度予算案で、「信頼できる公教育の確立」へ、教職員定数の増員を図ります。
 具体的には、教員の事務負担を軽減し、生徒と向き合う時間を確保するために、(1)教員定数1000人の純増(2)退職教員など外部人材7000人の配置――など、52億円を計上しました。07年度予算では、教員定数枠の増員が皆無だった点と比較すると、1000人の純増は大きな前進です。
 公明党は07年3月の教育提言で教員OBや教職をめざす学生による教員サポート配置、学校事務職員の増員などを主張。教員が生徒と向き合う時間の確保に、一貫して取り組んできました。

学校支援地域本部
全市町村に設置、教員を補助


 子どもの凶悪犯罪や不登校が急増し、地域の教育力の低下が指摘される中、地域全体で学校教育を支援する新規の「学校支援地域本部事業」に08年度予算案で50億4000万円が計上され、全市町村1800カ所に同本部が設置されます。
 具体的には、地域の元教員などや、スポーツ経験者、調理師など特技を持つ人が授業、クラブ活動などで教員の補助に当たります。
 公明党文部科学部会は07年11月、福田首相への申し入れの中で、子どもの豊かな心を育てるために、学校、家庭、地域社会の連携に「特段の配慮」を求めるなど学校への地域支援の体制づくりを推進してきました。

スクールソーシャルワーカー
深刻な問題に専門家が対応


 深刻な問題を抱えている児童・生徒や、その家庭に対して専門的な対応で解決をめざす「スクールソーシャルワーカー(SSW)」が注目を集めています。文部科学省では08年度から、SSWを活用したモデル事業を141地域の小中学校で実施します。そのため08年度予算案には、15億円が盛り込まれました。SSWの配置については、都道府県の教育委員会の判断で、数校を巡回することもあります。
 欧米を中心に多くの国で導入されているSSWは、不登校問題の解決に成功した例もあり、国内でも導入する自治体が増えつつあります。地域を挙げて学校を支える体制づくりが前進します。

ジョブ・カード
働きながら職業能力を開発


 若者に対する新たな就労支援策として、今年(2008年)4月からジョブ・カード制度がスタートします。
 同制度は、主に不況期に就職できなかったフリーターや母子家庭の母親などに対し、働きながら職業訓練を受ける機会を提供し、正社員化の促進をめざしています。官民が連携して実施するこの事業は、企業がフリーターなどの職業訓練を行い、訓練終了後に訓練の内容や評価、取得資格、職務履歴などを記した「ジョブ・カード」を発行。訓練実施企業で正式採用されることもありますが、採用されない場合は、このカードを“キャリア証明書”として活用し、就職活動を有利に進めることが期待できます。

フリーター支援
常用雇用化 35万人に拡大


 年長フリーターが正社員として就職できるよう支援を強化するため、「フリーター25万人常用雇用化プラン」を発展させ、2008年度は「常用雇用化35万人」を目標として取り組みます。
 そこで政府は、新規事業として、年長フリーターを対象に、中小企業の人事担当者が模擬面接や自己アピールの仕方などを教えてくれる「ジョブ・ミーティング」の機会を設けます。
 また、年長フリーターに就職活動のあり方や適職探しの能力を身に付けてもらうための就労支援事業「ジョブクラブ(就職クラブ)」も大好評で、07年度に引き続き大都市部を中心に行う計画です。

ネットカフェ難民
無料技能講習や相談員配置


 家賃が払えないなどの理由で住居を失い、週の半分以上、終夜営業のインターネットカフェなどで寝泊まりする“ネットカフェ難民”の支援に政府が乗り出します。
 具体的には、資格取得への無料技能講習の実施、ハローワークへの専属相談員(東京、大阪、愛知などに計10人)や就業開拓推進員(東京、大阪に計2人)の配置のほか、“ネットカフェ難民”を試行的に雇用した事業主に最大12万円を支給するトライアル雇用などを実施する予定です。
 公明党は、昨年(2007年)11月に実施した雇用格差改善を求める福田首相あての申し入れを実施。政府は08年度予算案で1億5000万円を計上しました。

独立行政法人改革
廃止などで1500億円削減


101ある独立行政法人(独法)を廃止・民営化、統合により16法人減らして85法人とするほか、競争性のない随意契約を一般競争入札に改めるなどし、2008年度予算案での政府から独法への財政支出が1500億円削減されました。
公明党は、昨年12月に閣議決定された、独法の抜本的見直しを定めた「整理合理化計画」の策定を積極的に推進。同計画は、公明党が主張してきた「事業仕分け」の考えを反映し、342事務・事業を222事務・事業に縮小するほか、事後評価について内閣の一元的関与の検討や関連法人への再就職・契約状況の公表など、ヒト・モノ・カネの透明化を進めます。

随意契約見直し
物品・サービス購入を改善


08年度予算案では、特定の業者を指名して業務を委託したり、物品やサービスを購入する随意契約を見直した結果、381億円のムダが排除されました。
具体的には、防衛省の誘導弾システム地上器材の整備に関して59億円などが節減できています。公明党はこれまで、不正やムダ遣いの温床となりやすい随意契約の見直しを強く求めてきました。
各府省は06年6月に策定した「随意契約見直し計画」(07年1月改訂)に基づき改善を進めていますが、これによって単価や発注数量の見直し、事業廃止などが行われ、07年度予算で106億円を節減。08年度では、さらに上回る成果を上げました。

会計検査報告
指摘事項を予算編成に生かす

会計検査院が昨年11月に公表した06年度決算検査報告では、各府省から計310億円のムダ遣い、徴収漏れなどを指摘。08年度予算案では、過大支払いや目的外使用など検査院から指摘を受けた事項が徹底的に見直され、138億円の節減と14億円の増収が見込まれ、計152億円が予算編成に反映されました。
例えば、厚生労働省の地域求職活動援助事業などに関する委託費では、支出を精査した結果、検査院から指摘を受けていた不正支出分7400万円を上回る3億2400万円が削減されます。
公明党は、各府省が改善に取り組み、予算編成に反映されるよう主張してきました。

温暖化防止対策
CO2削減へ多彩な新事業


 2008年度予算案には、京都議定書で義務付けられた二酸化炭素(CO穃)などの温室効果ガス6%削減(1990年比)の達成に向け、政府全体として特別会計を含め1兆2166億円を計上。地球温暖化防止対策で多彩な新事業に着手します。
 その中の一つ「温室効果ガス排出量可視化・指標化事業」では、国民や事業者が排出する温室効果ガス量を具体的に確認できるようにすることで、生活様式やビジネススタイルの変革を促し、家庭・業務・産業部門での削減をめざします。また、温暖化対策と公害対策を一体的に進めるコベネフィット対策推進などへの経費も盛り込まれました。

「200年住宅」
耐久性など条件に税制優遇


 数世代にもわたって住み続けることができる良質な住宅の普及をめざし、長期優良住宅(200年住宅)普及促進法案が08年度内の施行をめざし、今国会に提出されています。限られた資源を最大限に生かし、環境にやさしい住宅を普及させるのが目的です。耐久性や耐震性など一定の認定基準を満たす新築住宅を「長期優良住宅」と認定。固定資産税半減を5年間適用(一般住宅は3年間)するほか、不動産取得税、固定資産税でも一般の新築住宅に比べて優遇措置が取られます。
 所有者が変わっても安心して中古住宅を購入できるよう住宅性能などを記した「住宅履歴書」の整備も盛り込みました。

国際協力
水質保全対策で中国と連携


 「環境立国」実現をめざす日本にとって、環境汚染や地球温暖化の対策で国際協力のリーダーシップを発揮することは非常に重要です。公明党は特に、これらの課題での中国との協働関係構築を主張しています。
 08年度予算案では、「日中水環境パートナーシップ」に1億9100万円を計上。河川などの水質汚濁が深刻な中国において、日本の合併処理浄化槽技術などを活用し、工場、生活排水対策での協力を実施します。
 また、地球温暖化対策では、温室効果ガス削減へ中国や米国などすべての主要排出国が参加する新しい枠組みづくりに、2億8000万円が計上されました。
【1/22・1/28・2/3・2/13・2/15・2/16・2/20・2/22・2/26・2/27・3/1・3/4 公明新聞掲載記事より】