平成18年3月17日 衆議院国土交通委員会


○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 私は二問お伺いしたいと思います。一問目は技術開発に関してですが、二問目は大臣にお伺いいたしますので、その一問目、私が持っております問題意識を聞いていただいてお答えをいただければと思います。

 宅地供給、七〇年代がピークで、年二万三千ヘクタール、しかし、その後、どんどん減り続けまして、今は年に五千ヘクタール程度だそうでございます。したがいまして、今の造成された住宅宅地での一番大きな問題は、古くなった宅地、特に土崩れが起きないようにしております擁壁、その擁壁の老朽化、崩壊の危険性が出てきた、ここが一番大きな技術的な問題点だそうでございます。

 この崩壊の危険性のある擁壁を補修、改修しなくてはいけない、そのためにいろいろな技術開発が必要でございます。新しく宅地をつくるときには、そこには建物がないわけですから、更地の上で、何も建物がない状況で擁壁が建設できます。しかし、古くなった擁壁を補修、改修する場合、その上にも家は建っておりますし、下にも家が建っております。その家を壊すことなく補修、改修しなくてはいけない。そこに技術開発という分野が出てくるわけでございます。

 この古くなった崩壊の危険性のある擁壁の補修、改修、この技術開発、一つ今問題点が出てきております。その問題点というのは、宅造法で規制区域になっている地域と宅造法で規制区域になっていない地域、両方あるわけでございますが、この宅造法で規制になっていない地域の古くなった擁壁の改修については、これは宅造法規制外ですから、建築基準法が適用されます。

 建築基準法は、平成十年に大改正がございまして、いわゆる仕様規定から性能規定に変わりました。仕様規定というのは、材料とか工法とかやり方とか、一々細かく全部政令で決めて、そのとおりにやらなくてはいけないわけですが、性能規定というのは、果たすべき性能を決めて、その性能が果たされれば、ある意味でいろいろな技術が考えられる、工法が考えられる。そこで、民間の研究開発が非常に促進をされる。

 このような状況になったわけでございまして、宅造法で規制されていない地域の擁壁の改修については、その上に建っている建物、下に建っている建物、壊さないでこれを補修するという工法が民間でどんどん提案をされて、現実にこれが施工されております。

 ところが、宅造法は、昔のまま、仕様規定のままでございます。したがいまして、宅造法で古くなった擁壁を変えようという場合は、仕様規定ですから、例えばL字型でなくてはいけない、擁壁が。Lの下の短い辺が地面の中に水平に深く入っていなきゃいけない、こういうふうな規定がございまして、この工法で直そうとすると、上の家も一たん壊さなきゃいけない、下の家にもかなり大きな負担がかかる。したがって、なかなか工事ができない。したがって、古いままという状況が残っております。

 建築基準法で許された工法を宅造法の区域の中で使おうとしますと、そこは宅造法規制がかかって、昔の仕様規定のままだから、その工法が使えない。同じ技術が、建築基準法、宅造法規制外では使えて実際に施工されている。宅造法規制区域では同じ技術が使えない。こういう矛盾が起きてきているわけでございます。

 そこで、質問は、建築基準法、平成十年の改正により仕様規定から性能規定になりました。宅造法は昔の仕様規定のままです。これは時流におくれているのではないかという点と、そして、その建築基準法上認められている工法が、宅造規制区域では使えない。ここでは使えて、同じ技術がここでは使えない、これは矛盾ではないか、こういうことに対しての御見解をお伺いします。

○柴田政府参考人 ただいま御指摘いただきましたが、宅地造成工事区域内とそれの外の関係でございますが、御指摘のように、平成十年の改正前の建築基準法の規定に基づく個別認定を建築基準法では受けてやってございました。個々の敷地の範囲を超えて発生する、しかしながら災害も念頭に置く必要があるわけでございまして、宅地造成等規制法では、特殊でございますが一定の施工実績を持つ新工法の場合、そうした実績や理論、実験等により効果が検証されているかどうか、効果が発揮されているかどうか、必要な前提条件は何かといった観点から、専門家の御意見を仰ぎながら、認定に係る判断を行っているところでございます。その結果、一定の条件を満たす場合に限り施工を認めるという条件つきの認定を行ってございます。

 そういう意味で、御指摘のように、建築基準法と宅地造成等規制法との基準が、施工、擁壁工法の認定の基準が違うわけでございますが、ただ、宅造法、宅地造成規制法におきます認定に当たりましても、宅地の安全性確保が十分に図られる新工法、新技術であれば、それらに係る門戸を開き、活用を図っていけるよう、これまでもやってきてございますが、運用に留意してまいりたいというぐあいに考えております。

○斉藤(鉄)委員 大臣にお伺いします。

 大臣は、衆議院の科学技術委員会の委員長もお務めになって、研究開発、技術開発に大変御熱心、御理解がある、このように思っております。地震国日本における建築土木技術は非常にすぐれたものが多い。ある意味で世界一だと思いますが、これはやはり研究開発に向けての大いなる官民挙げての努力があったからでございまして、その建築土木技術開発に向けての大臣の御決意。

 それから、今回、宅造法、昔の仕様規定のままで、なかなか研究開発のインセンティブが働かない。そこについては、今回は、盛り土の耐震性について、ほぼ性能規定と同じような考え方が盛り込まれた、このように理解しておりますが、これからの研究開発のあり方について大臣にお伺いをいたします。

○北側国務大臣 専門家の斉藤さんから質問されても大変困るわけでございますが、防災をこれからさらに進めていくために、常にその時点での最新の技術的な知見を活用して必要な対策を講じることというのは、これは極めて重要なことだというふうに思っておりまして、最先端の技術を活用しながら防災対策を推進するために、産学官がさらに連携する必要があるというふうに思っているところでございます。

 宅地の防災対策につきましても、今後とも、最新の技術的な知見、これはなかなか難しいんですよね、私もいろいろ読ませていただいているんですが、なかなかよく理解できないところが多いわけでございますけれども、最新の技術的な知見、特に民間からの提案を積極的に活用しまして効果的な対策を推進することで、宅地被害から国民の生命財産を守るという大きな使命、役割を果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 今回の制度改正では、盛り土の耐震性に関する技術的基準というのを新たに設けてまいります。この大規模盛り土が崩壊していくメカニズムというのは必ずしもすべて解明されているわけではございませんが、結局、盛り土の方の滑る力ともともとの地盤の抵抗力と、この関係の問題だというふうに言われているところでございまして、これは地域ごとに、地盤の状況等々、盛り土の形状等、地下水の状況等、これは異なるわけでございまして、具体的な造成地ごとに安全性を判断していかにゃなりませんが、それぞれ、安定解析によりまして、地震発生時に、地盤や盛り土の抵抗力が地震動によって生じる滑り力を上回ることという要求性能を満たすことが基本的な基準でございまして、その趣旨を政令に規定していくことを検討しているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 研究開発に対して大臣から大変力強い御答弁がありましたので、私、時間があと九分ほど残っておりますが、これで質問を終わります。