| 平成18年2月21日 衆議院予算委員会 |
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総括質疑のときに質問をさせていただきまして、そのときに終わらなかった質問という形で、続けて質問させていただきます。 総括質疑のときの質問の私の問題意識は、平成十年に建築基準法の大改正がございました、この大改正が今回の耐震偽装問題の背景にあるのではないか、こういう指摘もございまして、基本的に私は、その間に関連性はない、このように思っておりますが、この点を一つ一つ検証し、同じ認識に立って議論を進めていきたいと思います。 前回の質問では、建築基準法の平成十年の大改正、一番大きな改正であった、いわゆる仕様規定から性能規定へ変えて、これは抜本的な改革ですけれども、設計の自由度を大幅に上げたという点について、この点が今回の問題の背景にあるのではないかということについて議論をし、関係ないという結論になり、そういう共通の認識に立ちました。 きょうは、二番目の大改正点、つまり建築確認の民間開放、これが二番目の大きな改正の柱だったわけですけれども、これが今回の問題の背景にあるのではないかという声もございます。私は基本的に、この民間開放、間違っていなかった、今回不幸にもこういう事件が起きましたけれども、ある意味で、この建築確認の実務を充実させるという方向性としては間違っていなかった、このように認識しておりますが、国土交通大臣としてはどのようにお考えでしょうか。 ○北側国務大臣 結論から申し上げますと、私もそのように認識をしております。 平成十年の改正によりまして建築確認の民間開放を行いました。現在、六割近くの建築確認検査が民間検査機関で行われております。そもそも、その当時、年間に建築確認検査の件数が七十五万から百万件ぐらいあるわけですね、それを特定行政庁の建築主事だけでは十分に検査できない、こういう実態があったわけです。 そういう中で民間開放して、現在どうなっているかといいますと、例えば建物完成後の完了検査率、平成十年当時、改正時当時は三八%であったものが平成十六年には七三%まで倍増しておりますし、また、本来、地方公共団体はもっとしっかりとした監督体制をとってもらわなきゃいけないわけでございますが、そういう意味では、違反建築物の件数が平成十年からこれまた大幅に減少をしておるところでございまして、私は、この建築確認の民間開放というのは、方向としては間違っていないと考えております。 現に、今回、姉歯元建築士が設計した物件で偽装物件、九十七件ございますけれども、これは民間の機関だけではなくて、四十一物件は特定行政庁で偽装を見逃している、これ自体遺憾なことであるわけでございますが、ということでございまして、この平成十年の改正が方向として間違っているとは考えておりません。 〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕 ○斉藤(鉄)委員 平成十年の大改正、第三点は中間検査の導入だったわけですが、これは当然プラスの方向に働きます。 そういうことを総合しますと、仕様規定から性能規定への変更、それから建築確認の民間開放、そして中間検査の導入、この三つの平成十年の改正は方向としては間違っていなかった。しかし、現実にこのような問題が起きてしまった。では、一体どこに原因があったんだろうかということになってきます。我々公明党の耐震偽装対策本部も、専門家の方々をお招きして一生懸命今勉強しているところでございますが、この建築確認、これは特定行政庁も民間も含めて、形式審査に堕していたのではないか、実質的な審査から非常に形式的な審査ということに陥っていたのではないかという感じを今抱いております。 そういう意味で、これは二番目の質問になるんですけれども、今回、再発防止で社会資本整備審議会が中間報告を出しまして、第三者による再計算を行う、これを偽装防止の中心に据えるというふうな中間検査になっておりますけれども、同じことを二回繰り返すというのは、形式的な審査という意味でその形式性を克服しているとはなかなか考えられませんし、同じ間違いを二度するということもよくあることでございます。余り意味がないという意見がこの専門家の間で非常に強いんですけれども、この点について、国土交通大臣、どのようにお考えでしょうか。 ○北側国務大臣 今回の姉歯元建築士の偽装の手口、これは多様な手口を使っております。単純な差しかえを行ったものから、コンピューターの計算途中の数値など出力結果の一部を巧妙に修正したもの等まで多岐にわたっているわけでございますが、こうした巧妙な偽装というのは、構造計算書を、特定行政庁であれ指定検査機関であれ、紙面上でチェックしても見つけることはなかなか容易ではないと。 一方、構造計算書を再計算すれば、これはもうすぐに偽装だということが確認できるということでございます。第三者機関が構造計算プログラムを使って構造計算の再計算を行うことによって、このような構造計算書の偽装については確実に防止することができるようになるのではないかと考えているところでございます。 また、といって、コンピューターだけに頼っていてはならないわけでございまして、コンピューターによる構造計算の前提となる入力データが適切かどうか、ここはやはり人間の目でしっかりと確認する必要があると考えているところでございます。 現在、社会資本整備審議会では、コンピューターによる再計算結果に関して、建築主事や、また指定検査確認機関の検査員がチェックすべき事項について法令上の審査基準を定めていこうということで、今御議論をいただいているところでございます。 ○斉藤(鉄)委員 今、いろいろな方からお聞きしますと、確かに、そういう今大臣がおっしゃったような形でのチェック、これは、小さい構造物でありますとか、マッチ箱のような非常に正形なものについてはそれでいいかもしれないけれども、多少複雑な形状であったり、また大型構造物ということについては、いわゆるピアチェックこそ物事の本質にかかわってくる重要な問題ではないのか、こういう指摘が専門家の間で強くございます。ピアというのは同じような能力を持った仲間という意味なんだそうですけれども、現在でも、高さ六十一メートル以上の大型構造物についてはそういう専門審査会があって、設計した人と対話をしながらその設計をチェックする。 今回、そういうピアチェックのシステムを、もう少し、十階建てのマンション、六十メートル以下のものについても、例えば三十一メートル以上のものについてはそういうピアチェックという形にすることこそ本質ではないかというふうな意見、また、その中で、先ほど宮澤委員の質問にもありましたけれども、専攻建築士制度とか建築構造士制度、これらはそれぞれ建築士会連合会や構造技術者協会が提案しておりますけれども、そういう制度の改正とあわせてこのピアチェックという制度を導入すべきではないか、我々勉強していて大変説得力のあるそういう御提言なんですけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。 ○北側国務大臣 構造専門家によるピアチェック、これを構造計算が必要な建築物すべてにやるというのは、これはもう事実上不可能だというふうに考えております。 ただ、今委員のおっしゃったように、比較的小規模な建築物については、先ほど私が申し上げましたように、審査基準を明確化することによりまして、建築主事だとか確認検査員による審査によることとしまして第三者機関の審査の対象外とするだとか、また、構造計算プログラムを用いた再計算により第三者機関の審査の簡略化を図ることというふうなこととあわせて、ある一定以上の建築物についてはこうしたピアチェックを取り入れていくというふうな議論について、まさしく今、社会資本整備審議会で御議論をいただいているところでございます。 いずれにしましても、現実的に採用が実務で可能でないといけないわけでございまして、そこのところをよく踏まえて、この第三者によるチェックというものがしっかりとできるように進めさせていただきたいと考えております。 ○斉藤(鉄)委員 我々も勉強して提案をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最近、あるところでこういう技術を聞いたんです。今回、計算の一貫性というところが問題になっている。必ず紙に打ち出してその計算結果というのは出てくるわけですけれども、その計算結果を印刷した紙に、地紋といいましょうか、そういう紋を同時に印刷する。その紋の中に、文字で印刷したものと同じような情報を繰り込むことができるんだそうです。そういう地紋という技術を組み合わせることによって一貫性ということをチェックすることができる、だから再計算しなくても済むというふうなことも技術として提案されているということだそうでございますので、そういう最新の技術も、特に小さい物件についてはピアチェックというのは無理と、これは私もそう思います。そういうものについてはそういう新しい技術を使うということも必要なのではないかということを提言させていただきます。 それから、消費者保護の問題ですけれども、先ほども話が出ました、住宅品質確保法で、平成十一年、瑕疵担保責任十年ということが義務づけられました。しかしながら、義務づけられても、現実問題として、売り主、建築主にその経済的な負担能力がない場合はそれが実質的に機能しないということが今回わかったわけでございまして、瑕疵担保責任を売り主が確実に履行するための措置、これを講ずるべき何らかの糸口を、今回、この事件、こういう不幸な中から新しいものを生み出していくという意味でつくり出していくべきではないかと思いますが、国交大臣のお考えをお伺いします。 ○北側国務大臣 今回の事件を受けまして、今の委員のおっしゃった、住宅取得者、消費者の保護が現行の制度では十分ではないというふうに私も思っております。今、社会資本整備審議会で、この消費者の保護のためにいかなる方策は考えられるか、御検討をいただいているところでございます。 おっしゃっているとおり、瑕疵担保責任を負っていてもそれが履行できなければ意味がないわけでございまして、その履行を担保していく制度について今御検討をいただいております。今も任意の保険制度があるわけでございますが、新築の住宅で利用されているのがまだ一三%という程度でございまして、やはり一定の住宅の売買については、そうした例えば保険制度の加入を義務づけすべきかどうか、こうしたことも今御議論をいただいているところでございます。 いずれにしましても、この消費者保護というのが今回の大きな反省点の一つでございまして、しっかりとそこが改善できるように取り組みをさせていただきたいと考えております。 ○斉藤(鉄)委員 先ほど大臣お話しのありました任意の保険制度というのは、いわゆる住宅性能保証制度のことだと思いますけれども、これをも義務づけするという考え方、これは、現行ある制度を拡充して義務づけする、これではいけないんでしょうか。 ○北側国務大臣 まさしくそこが今議論させていただいているところなんですが、一つは、先ほどもお話しございましたけれども、悪意また重過失の場合をどうしていくのか、こういう問題点が一つございます。それと、その義務づけた場合に保険料が一体どうなっていくのか、そこの議論も当然必要でございます。 今まさしくそういう議論もさせていただいているところでございまして、こちらのこの義務づけについてどうしていくかという問題については、この夏まで社会資本整備審議会で御論議いただいて、夏までに取りまとめをいただきたいと思っている事項の一つでございます。 ○斉藤(鉄)委員 ぜひ前向きに検討していただいて、実現可能な範囲でその保険制度を導入するという形にぜひしていただきたい、このように思います。先ほど大臣がおっしゃったような問題点があるというのは我々も十分わかっておりまして、実現可能な範囲でまず穴をあけるべきではないかな、このように考えていることをここに申し述べさせていただきます。 最後の質問ですけれども、欧米と日本でいわゆる検査に対する考え方が大きく違う、このようによく指摘をされます。欧米では、例えばこの建築確認というような制度、それから、もっと施工の中に入り込んだ、ちゃんとしたコンクリートを打っているか、溶接はきちんとくっついているか、鉄筋もきちんとくっついているかというふうな施工にかかわる検査、これは大体施工者が行うのではなくて、建築主もしくは建築主から直接お金をもらった検査業者、もしくは保険関係者が行う。非常にある意味で第三者性が担保されている、このように言われております。 これに対して日本は、いわゆる責任施工という概念がありまして、施工者が一括して全部請け負います、検査も任せてくださいと。確かに発注する方はそれで楽でいいんですけれども、ということは、わかりやすい例で言うと、例えば溶接にしましても、溶接をした人がそれを検査するということになりまして、ある意味で客観性に乏しい。そこが、いわゆる保険制度がなかなか入ってこない一つの大きな障害だとも言われております。 そういう意味で、検査の第三者性を高める、いわゆる責任施工という考え方から脱却していくということも、例えば公共工事等については一歩踏み出されるのはいかがか、このように考えますが、この点についていかがでしょうか。 ○北側国務大臣 委員は元清水建設御出身だというふうに記憶をしております。それも技術者でいらっしゃいまして、貴重な御意見と承っております。 工事監理が重要であるというのは、全くおっしゃっているとおりだと思います。この工事監理というのは、設計だとか設計図書どおりに施工が行われているのかどうか、そこをチェックしていくということでございます。今、日本の建築では両方あるわけですね。一貫してやっているところと、そして全く別のところがやっているところとあるわけでございますが、この工事監理者の第三者性を高めるべきではないかという御指摘については、よく検討させていただきたいと思っておるところでございますが、その必要性、実効性についての検討について、今、社会資本整備審議会でも御議論を賜っているところでございます。 委員のただいまの御意見もよく踏まえまして、議論を進めさせていただきたいと思います。 ○大島委員長 時間でございます。 ○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。 |