| 平成16年9月29日 衆議院経済産業委員会会 |
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○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。 前回に引き続きまして二回目の質問をさせていただきます。 質問の前に、再度となりますけれども、亡くなられた五名の方の御冥福、そして今負傷中の六名の方の御回復、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 前回の質問では、原子力災害対策特別措置法と今回の事故との関係、それから減肉現象を国そして事業者としてどのように理解、管理していたのかという点、そして地元美浜町長の山口町長さんからの避難道路に関する御要望、この三点を中心に質問をさせていただきました。 そのときにいろいろなお答えがあったわけですけれども、今回、その問題意識を整理する、大変うまく整理できるような形で中間とりまとめが一昨日発表されました。今回、この中間とりまとめを中心に質問をさせていただきます。 この中間とりまとめ、読ませていただきましたけれども、非常に短時間の調査にもかかわらず包括的に取りまとめられているなという率直な感想でございます。 今回の事故の事実関係、そして破損に至るメカニズム、また破損した箇所の過去の調査、点検作業契約の推移、それから、今回の美浜に限らず、PWR全体の減肉管理の状況、また、BWRまた火力発電所の同じような管理の状況ということについて、大変しっかりとまとめられているということを感じました。朝田委員長初め委員の方に敬意を表するところでございます。 この事実関係の調査に基づいて、事故の原因として、国が反省すべき点、安全規制の不明確な部分があった。また、関西電力が下請に丸投げをして、品質保証や保守管理がきちんと行われていなかった、事業者として改善すべき、反省すべき点、これも明確になっております。また、下請会社の問題意識の低さということも指摘をされておりまして、同様の事態を引き起こさないために必要となる当面の対応が端的に取りまとめられていると思います。 事故原因の究明については、関西電力と三菱重工、日本アームとの関係など、今後、解明されるべき問題が残っているということでございますが、一方で、これまでの調査により、今回の事故原因の大筋や必要な対策は見えてきたのかなというのをこの中間とりまとめを読んで感じた次第でございます。 そこで、まず、朝田委員長にお伺いをいたします。 今回の事故が起きてしまった原因の本質はどこにあったとお感じか、それをまずお伺いしたいと思います。 ○朝田参考人 お答えいたします。 中間とりまとめにも記載したとおりでございますけれども、今回の事故の直接原因は、二次系配管の減肉管理が、ミスによりまして、管理しなければならない場所が管理対象から抜け落ちており、それがそのまま放置されてしまった、こういうことにあると考えております。もし、関西電力が、あるいは関西電力の指針に従いましてきちんと点検すべき箇所を点検していれば事故は起きなかったであろう、我々はこう考えております。 このように、事業者が安全確保の取り組みとしてやるべきことがわかっていながらそれが実施されなかった、これが今回の事故の本質であろうと我々は考えております。 こういう次第でございまして、やるべきことが実施されなかった事業者の品質保証上の問題、これを事業者が克服していく、こういう取り組みが大事であろう、こう考えている次第でございます。 よろしゅうございましょうか。 ○斉藤(鉄)委員 事業者がやるべきことをやらなかったということが事故の本質である、こういう理解でよろしいでしょうか。 ○朝田参考人 そのとおりでございます。 ○斉藤(鉄)委員 それでは次に、原子力安全・保安院にお伺いいたします。 朝田委員長の御見解にあった事故の本質を踏まえれば、関西電力がみずから行うべきことを行わなかったというところに事故の本質があるということで、そこがまずポイントだということは明らかでございます。しかし、中間とりまとめを見ますと、安全規制に責任を持つ国にも反省すべき点、改善すべき点が多々あるというふうに読めるわけでございます。 ということで、国としては、また原子力安全・保安院としては、これをどのように反省し、安全規制にかかわる再発防止策は具体的にどのように考えているのか、この点についてお伺いをいたします。 ○松永政府参考人 お答え申し上げます。 今回の事故は、原子力発電所で十一人の方が死傷されたという大変痛ましいものでございまして、私ども、国、安全規制当局といたしましても、重大に受けとめております。 今御紹介ございました一昨日の中間とりまとめを受けまして、国として、今回の事故をきちんと反省し、教訓として受けとめて、きちっとした対策をとる必要があると考えております。 事故が起きた箇所は、定期事業者検査、これは一昨年の法律改正によりまして位置づけられた制度でございますけれども、そういった検査を行うべきところと位置づけられておりまして、対象となるところは、これまでも省令あるいは解釈通達等で示されておりますけれども、今回の事故を踏まえまして、省令を早急に改正いたしまして、より一層明確化をする、こういう対策をとりたいと考えております。 それから、二点目でございますけれども、事業者が二次系の配管を点検する際の管理指針でございます。これは、平成二年にPWRについてはできているわけでございますが、十四年以上たちますので、その間の知見や技術の発展を織り込みまして新しい規格とすることを日本機械学会に求めているところでございます。これを国といたしましても評価をいたしまして、管理指針として明確に位置づける、こういう方針でございます。 さらに、今、委員御指摘の品質保証上の問題でございますけれども、平成十五年十月から、電気事業者の品質管理につきましては、下請事業者の管理も含めまして、事業者の保安規定に規定することを義務づけております。この保安規定は、国が年四回実施いたします保安検査でその遵守状況を監視することとなっておりますが、今回の事故を教訓に、二次系の配管に関するこうした品質保証上の社内規定の遵守状況を含めまして、国としてもきっちりと検査をしていきたいというふうに考えているところでございます。 ○斉藤(鉄)委員 今の御答弁の確認ですが、そうしますと、本来事業者が自主検査、自主点検を行うべき項目であったとしても、国としてはそれがきちんと行われているか関与して、しっかり見ていく、こういう理解でよろしいでしょうか。 ○松永政府参考人 お答えをいたします。 御指摘のとおりでございます。事業者がきちっと品質保証体制を確立し、それを回すということを国が監査、監督をする、こういう観点から国としてもきちっと対応していきたいというふうに考えております。 ○斉藤(鉄)委員 そういたしますと、原子力安全・保安院、現場に検査官がいらっしゃるわけですけれども、その検査官の役目というのは非常に大きいと思います。そういう国の大きな方針が現場できちんと実行されている、まさにその保証は検査官が担っているわけでございまして、その検査官の役割というのも、今後、明確にして、充実をさせていく必要があるかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○松永政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、原子力安全にとりまして現場が最も重要な場所でございまして、そういう意味で、保安検査官の役割というのは非常に重要でございますし、ますます大事になってくると考えております。 こうした観点から、私ども、保安検査官の能力向上ということが非常に重要な政策課題だと考えておりまして、そのいわば資質向上のための政策を展開しているところでございます。また、こうした観点から、ベテランの検査官による若手の検査官の現場指導ということも実施をしておりまして、いずれにしましても、さまざまな取り組みを通じまして、保安検査官の継続的な資質向上というものを図ってまいりたいと思っております。 若干補足をいたしますと、今回の事故対応というところで、保安検査官の役割、活動というものを検証いたしましたけれども、事故直後の対応、あるいはその後の必要な箇所の点検活動ということについて、各サイトの現地保安検査官はきちっとした対応をしているというふうに評価をしているところでございます。 ○斉藤(鉄)委員 実際に安全の一番キーポイントを握るのが保安検査官だと思いますので、しっかりと充実をしていっていただきたいと思います。 もう一つ、先ほど江渡委員の質問にも出ておりましたけれども、国、検査官、そして事業者、これらの関係が、そして地域一体となってうまくこの安全サイクルが回るためには、やはり信頼関係の醸成ということが大変重要になってくると思います。地元の声を聞いて、そしてまた、積極的に国からもその情報を提示していく、検査官が得た情報については地域にもきちっと情報公開をしていく、悪いこともちゃんと全部一〇〇%情報公開をしていくということが信頼関係を醸成していく上で大変重要になってくると思います。国は、今回の事故に関して、地元に丁寧に情報提供を行うとともに、今後、地域の声に十分耳を傾ける必要があると考えておりますけれども、どのように対応されますでしょうか。 ○中川国務大臣 まさに委員御指摘のとおりでありまして、自分のことを言うのはなにかと思いますけれども、事故発生の翌日に現地にお邪魔をして、とにかく専門家の皆さんに、この事故の一刻も早い事故自身の収束と、被災された方々の一日も早い御回復、と同時に、私としては、専門家ではございませんけれども、責任者といたしまして、二度と再発させない、そしてまた御地元の皆さん方、知事さん、町長さんに代表される御地元の方々の御要望というものを折に触れて最大限聞くことが私の今やるべき最大のポイントの一つだろうと。 もちろん負傷された方々の御全快ということ等も大事でございますけれども、何といっても御地元が一番よく御承知でございますので、そういう意味では、経済産業省としても、また調査委員会の先生方お二人にもすぐ飛んでいただきましたけれども、保安院長を初め保安院の職員が何回となく行っていろいろと御説明をし、また御意見を聞いてまいりました。 また、そして事故調査報告書が、中間とりまとめが出る直前にも、日程がセットされた段階で、知事さん、町長さんに私からも直接お電話をして、そして二十九日に、取りまとめ報告書をいただいた直後に保安院長等を現地に派遣させていただきまして、こういうものをつくっていただきました。これをまた御精査の上、引き続き、いろいろとまた地元ならではの御要望があると思いますので、ぜひともそれにつきまして、今御地元から見て信頼関係があるかどうかというのは大変不安ではありますけれども、何としても信頼関係構築のために、我々としても全力を挙げて取り組むことが、今けがをされた方の御回復あるいは亡くなられた方の御冥福を祈ると同時に、このことが二度と起こってはならないという前提での信頼関係の再構築、醸成というものが一番大きな我々の仕事だというふうに肝に銘じているところでございます。 ○斉藤(鉄)委員 大臣、御答弁ありがとうございました。 今回の事故を大臣が大変重く受けとめられて対処されているということは、国民全体よく認識をしておりまして、その姿勢で頑張っていただきたい、このように思います。 次に、関西電力にお伺いをいたします。 先ほど朝田委員長から、今回の事故の本質は、事業者がやるべきことをやっていなかった、そこに本質があるという大変厳しい御指摘がございました。この指摘を受けて、三点ほどお伺いしたいと思います。 一点は、今回の問題は減肉という現象でございました。原子力発電所全体のシステムからすれば、一つの部分でございます。今回、この指摘を受けて、減肉ということについてきちんとした管理体制を確立していくというのは当然として、一部で明らかになった、やるべきことをやっていなかった、この教訓をシステム全体に水平展開をしていく必要があると思いますけれども、このことについてどのように決意をされているかという点。 それから、原子力発電、推進していかなくてはなりません。そういう中で、関西電力さんといえば原子力発電についてはもうトップランナーだという評価がございました。ぜひその評価を取り戻していただきたいと思うわけですけれども、その原子力安全への取り組み。 そして、先ほども大臣、お答えいただきましたけれども、事業者として、地元との信頼関係の構築を、今回崩れてしまった信頼関係の構築をどのように醸成していくのか、この三点についてお伺いをいたします。 ○藤参考人 お答えいたします。 まず最初の、今回の、先ほど朝田先生からも御指摘を受けました、私どもがすることをしていなかったという問題に関して、決してこれは減肉管理だけの問題と考えておりません。この苦い経験を原子力発電全体のシステムに広め、そして確実なものにするために、そのために、先ほどちょっと御紹介いたしましたけれども、社外の先生も入っていただいた保全業務機能強化委員会というのを社内につくりまして、これで、それ以外の、いわゆるいろいろな品質管理、減肉管理以外にございます、その部分をより高度なものにしていくという対応をしまして、そしてこの教訓をうまく生かさしていただきたいというふうに思っております。 二番目の、信頼並びにその評価を取り戻すという問題でございます。 まずは、先ほど御指摘もございましたように、やはり信頼関係、特に地元との信頼関係というのが一番大事でございます。三番目の問題とも関連いたしますけれども、このたび、私も地元の地区との全員協議会等に出席してまいりました。町の議会にも参っております。県議会にも行ってまいりました。それで、これから、そちらでも御提案ございましたけれども、ぜひ、関西電力とそれから地元の皆様方の定期的な意見交換、そういう場をいろいろなレベルで、私は私のレベルで、あるいは発電所長、社長、支社長あるいは課長といったレベルで、そういうレベルで地元の皆さん方と、定期的に御意見を拝聴し、その中で少しでも信頼関係を取り戻していく、そういう活動をすることにいたしました。 さらには、大事なことは、二番の問題に入りますけれども、大事なことは、やはり実際に仕事をしていただいている下請の皆さん方、協力会社の皆さん方の御意見がちゃんと上がってくるということであります。そういう意味で、発電所の中の実際に工事管理をしている人間、現場の管理をしている人間と、そういう協力会社の皆さん方との間の情報交換、それをきちっとやるということによって、少しでも品質管理のレベルを上げる、そういう仕組みも導入することにいたしました。 また、今まで定期点検の工事などに関しまして、私どもの管理が不十分であったということも御指摘をされておりますので、それを専門にやるようなチームをつくりまして、定期点検の万全の管理をするように、これから改善していく所存でございます。 そういうことで、総括いたしますと、今回の苦い経験を、関西電力の原子力全体の品質保証の向上ということにするために、しっかりと反映させていくということを私どもこれから全力をもって進めたいというふうに思います。 以上でございます。 ○斉藤(鉄)委員 以上、終わります。 |