平成16年6月2日 衆議院文部科学委員会

○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。よろしくお願いいたします。

 まず、ちょっと法案審議と直接関係ございませんが、昨日の佐世保の事件につきましては、教育について議論をする文部科学委員会の委員として、大変ショックを受けております。私どもも、学校安全ということで先日も提言をさせていただきましたが、これは、池田小学校に代表されるような外部からの危険に対してどう対処するかというところに視点を置いた学校安全の提言でございました。

 そういう意味では、今回、内部からといいましょうか、生徒そのものでございまして、大変ショックを受けておりますが、この問題について、教育の本質にかかわる問題かとも思っております。

 この問題に対しての大臣の御見解とこれからの決意について、まず最初にお伺いさせていただきたいと思います。

○河村国務大臣 長崎県教育委員会からの報告をいただきながら、あってはならないことが起きた、こう思っておりまして、本当に深刻に受けとめさせていただいております。御家族の思い、それからそのクラスの子供たち、学校全体、あるいは全国の子供たち、これをどう受けとめるかということであります。

 改めて、今斉藤先生御指摘のように、教育の根幹にかかわる問題でもございますし、やはり心の教育といいますか、まさに人を傷つけてはいけない、人に対する思いやりを持っていかなきゃいかぬ、そういうものをどういうふうに養っていくか。

 一方では、まさに情報化時代、バーチャルの世界が迫っている。これとどういうふうに向き合っていくか、そして、子供たちを取り巻く環境がどういうものであるか、これをしっかり見きわめながら教育を進めていかなきゃならぬ、こう思っております。

 改めて、全国の学校に対しましても、もう一度原点を見詰め直して、心のケアといいますか、そういうことも含めながら、今回、この現場については心のケアということが非常にまた必要になってくると思いますが、心の教育を改めて問い直す、そういうことで取り組んでいかなきゃいかぬと思っております。

○斉藤(鉄)委員 よろしくお願いいたします。しっかり我々も一緒に議論をし、考えていきたいと思っております。

 それでは、著作権法の改正案について質問させていただきます。

 これまでの委員会質疑、それから参考人質疑を通して、ある程度論点が浮き彫りになったのではないかと思います。

 まず第一点ですけれども、これは私なりの、私の理解ですけれども、書籍、雑誌の貸与権については、これは必要であるという、ほぼ合意点が得られたかと思います。また、音楽レコードの還流防止措置につきましては、まずこの還流防止措置そのものは日本の音楽文化を守るために必要ということで、ほぼ皆さんそのようにお考えになっているんではないでしょうか。ただし、いわゆる内外無差別の原則があって、いわゆる洋盤の直輸入盤、並行輸入盤に影響が出るのではないか、こういう懸念が出されております。

 それと関連しまして、法案の中にある、権利者の利益を不当に害するという、その不当の基準ということがまた論議されておりまして、先ほど言いました最後の二点が論点として浮き彫りになった、このように私は理解しております。

 この点について質問をしたいと思いますが、その前に、これまで議論の俎上に上らなかった点について、しかし国会審議の中できちっと確認しておかなくてはならない点について、小さいことかもしれませんけれども、実際に国民の多くにかかわるケースがありますので、この点を確認しておきたいと思います。

 まず、個人が楽しむために輸入をする場合。これは、海外旅行に行ったときのお土産、それから、海外赴任先から帰ってくる場合、現地で、日本で販売してはいけませんというシールの張ってあるレコードを買うということも当然あり得ると思います。そういう場合、日本に帰ってくるときにどうなるのかという点とか、それから、国内で販売されていないレコードを輸入という形で買い求める。こういうケースはあるのかどうかわかりませんが、それに例えば日本への輸入禁止と書いてあった場合。理論的にはあり得ると思うんです、日本では売っていないけれども海外では売っている。そういう盤を日本でつくっているということもあり得るかもしれません。そういう場合はどうなるのかとか。

 いろんなケースが考えられると思いますので、これまでの委員会の中で議論にならなかったわけですので、いろんなケースをちょっと挙げていただいて、こういう場合はこうなるということをここで確認しておきたいと思います。具体的にどういうケースがあるのか、また、それは一つ一つどうなるのか、わかりやすく説明していただきたいと思います。

○田村大臣政務官 先生御質問の点でございますけれども、基本的に、今回の音楽レコード、これの還流防止措置の対象となるものでありますけれども、国内において頒布する目的を持って行われる輸入、これが対象であります。

 その頒布という言葉の定義でありますけれども、有償、無償にかかわらず、公衆に譲渡または貸与、こういうことをすることとされておるわけでありまして、その公衆という定義が、一つは不特定ということであります、それから特定多数ということでありますから、そういう言葉を整理していきますと、特定少数は対象とならないということでありますので、先生おっしゃられました、御自身が聞くために持ってきたもの、それから、家族等々、友人に、枚数というのはなかなか難しいんですけれども、常識の範囲程度内でお土産で持ってくるもの、こういうものは特定少数ということで今回の法律の対象にならない、自由にお持ち帰りできるというふうに我々認識いたしております。

 それから、海外で売られておって国内で売られていないというようなものはどうかということでありますが、これは国内において売られておるもの、これと同一ということでありますから、そういう意味では、同一じゃないものに関しては、これまた、持ってくること、これは当然のごとく自由ということになるというふうに認識いたしております。そしてまた、国内でおくれて販売されるもの、こういうものもあると思います。これに関しても同様であるというふうに考えております。

 以上でございます。

○斉藤(鉄)委員 基本的にこれまでどおり自由である、こういう理解でいいかと思います。ありがとうございました。

 それでは次に、先ほどちょっと私なりに整理しました二つの問題について質問をしたいと思いますけれども、まず、権利者の利益を不当に害する、その不当の基準ということでございますけれども、民主党の方からの要求でこういう資料が出てまいりました。読ませていただいたんですけれども、まず、これをどう読むのか、概要をわかりやすく説明していただきたいと思います。このデータからどのようなことが結論できるのか、お願いをいたします。

○素川政府参考人 権利者の利益を不当に害するという還流防止措置の要件の一つでございますけれども、これに関しまして文化庁がつくった資料でございますが、二〇〇三年の洋楽ヒットアルバムの上位三十位の中から、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの五カ国におきまして共通にそれぞれの国内盤が発売されているものについて比較データをとるということでまずリストアップさせていただいております。それにつきまして、著作権者及び著作隣接権者が得るライセンス料の比較を行ったわけでございます。

 そこで、日本盤から得られますライセンス料を、今回の措置の基準がまず国内盤ということでございまするけれども、そういうことでそれを一〇〇といたしまして、各国の平均というものを、平均といいますか、個々のデータもあるわけでございますけれども、さらに平均もデータとしてあるわけでございますが、アメリカにつきましては八九・六、イギリスにつきましては一一九、ドイツが九九・一、フランスが一一一・三ということで、各国間で差はありますけれども、それほど極端な差ではないというような数字になっているかと思います。しかしながら、アメリカ盤の一部につきましてはこの値が七〇・九というものがありまして、今回の措置の運用に際しましては、このような状況を十分踏まえて対応する必要があると考えております。

 同様に、二〇〇三年の邦楽ヒットアルバムの上位三十の中から日本と香港と台湾の三地域におきまして国内盤が発売されているものにつきまして、著作権者及び隣接権者が得るライセンス料の比較を行ったところでございます。やはり同じように日本盤から得られますライセンス料を一〇〇といたしました場合の各国の平均につきましては、香港が五五・二、台湾が四四・二という数字が得られているところでございまして、欧米盤と比べまして日本盤からのライセンス料には一定の差があるということが認められるところでございます。

○斉藤(鉄)委員 わかりました。

 次に、権利者の利益を不当に害するということの解釈ですけれども、改めてわかりやすく説明をいただきたいと思います。

 それから、先ほどの質問にもありましたけれども、改めてライセンス料とは何かと。先ほどの質疑を聞いておりましても、いま一つはっきりしませんでした。ということについても教えてもらいたいと思います。不当の判断基準に関する考え方をどうするのかということもあわせて明確にしていただきたいと思います。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案におきます国内頒布目的商業用レコードの発行により著作権者及び隣接権者の得ることが見込まれる利益とは、具体的には、その音楽レコードを複製する、それを許諾することの対価でありまして、これを一般的にライセンス料と呼んでいるわけでございます。

 この国内頒布目的商業用レコードの国内販売によって得られるライセンス料が、国外頒布目的商業用レコードの国外販売によって得られるライセンス料、これと比べまして著しい差がある場合に限りまして、権利者の利益が不当に害されるという要件に該当するというふうに考えているところでございます。

 この著しい差につきましては、今回の還流防止措置の立法の趣旨に照らして判断されるべきものと考えておりまして、欧米先進国からのレコードの輸入には影響がないような運用を行うことが適切と考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 私が見る範囲では、この資料を見ますと、いわゆる欧米からのものと、それから、邦楽の香港盤、台湾盤、アジア盤、かなり隔絶した差が明確ですので、その点については、妥当な、だれもが理解できる不当の基準ということができるのではないかと思いますけれども、改めまして、その点、確認をしたいと思います。

○河村国務大臣 先ほどの説明のように、確かに、こういう差があるということは現実にあるわけですね。そこで、今回の措置が、いわゆる大きな差があるものに対する還流をとめる、このためにこの法案があるわけでありまして、すべての音楽レコードを対象にしたものではないということ、その制度になっていないという点であります。

 還流防止措置の権利行使の対象となるものについては、先ほど来話が出ておりましたように、日本販売禁止の音楽レコードであって、輸入者がその旨を知っている、そのことを知っていること、それから、国内で既に同一のレコードが販売されている、それから、還流により権利者の利益、ライセンス料が不当に害される、こういう要件を満たす必要があるわけで、今御指摘いただいておりますような、欧米の先進国から日本に直輸入される洋盤レコードが、一般の権利者の利益を不当に害することをいう要件を満たさない、今、数字のように、ごらんになったとおりでありまして、今回の還流措置による権利行使の対象にならないと考えておるわけでございます。

 内外無差別という国際条約上の要請がございまして、欧米の先進国から日本に輸入される洋盤レコードについての外国の権利者を法制上、還流防止措置の対象外とすることは、立法上、これは条約上平等に扱え、こういうことになっておりますから、還流防止措置の対象外とすることは不可能であるという点で、権利行使に当たって数多く要件を定めておるということが、まさにこれを実質的に担保している、このように考えておるわけであります。

○斉藤(鉄)委員 今の大臣の御答弁、よくわかりましたけれども、もう一度、確認させていただきます。

 消費者の不安にこたえるという意味で、洋楽レコードの輸入に関しては、海外のレコード会社の意思とは全く別に、独立して実質的な担保、保証があることだ、こういう理解でよろしいんでしょうか。

 実は、私のところにもたくさん、もう読み切れないほどのメール、ファクス、はがき、お手紙、不安のお手紙やそういうものをちょうだいしております。ふだんはそういうものは、私、全部目を通すんですが、今回だけは全部目を通せないぐらいたくさんいただきました。そういう不安の声に政府がきちんとこたえることも、私は大事なことだと思います。

 海外のレコード会社の意思とは別に、実質的な担保、保証があるということを、もう一度、明確にお聞きしたいと思います。大臣から、ぜひこれは答えていただきたいと思います。

○河村国務大臣 先ほど御説明申し上げましたように、権利行使に当たって数多く要件を定めているということ、これが実質的に担保措置を講じている、このように考えておりまして、担保措置はあるというふうに思っております。

○斉藤(鉄)委員 いずれにせよ、消費者の利益という観点からは、先ほど来議論がありますけれども、実務が非常に重要であると思います。利益を不当に害するというこの要件に該当するかどうかという、わかりやすいガイドライン、わかりやすさということが必要かと思います。これは、音楽ファンにとっても、国民にとってもそうでございます。また、著作権者にとってもそうですし、また、レコード業界にとってもそうだと思います。こういうわかりやすいガイドラインを作成して公表するということは、いかがでしょうか。もうぜひそうしていただきたいと思いますが、提案を申し上げますけれども、いかがでしょうか。

○河村国務大臣 今回の還流防止措置の趣旨、これは、アジアの諸国等の物価の安い国から輸入を、還流することを防止するということであって、不当に利益を害する場合に限るという要件、これをきちっと立法趣旨に照らして運用することが大事でございます。

 文部科学省としても、欧米の先進国の洋盤レコードの輸入に影響を与えないような、権利者が得るライセンス料に関するデータがございました。それを踏まえて、立法趣旨に沿うように、利益を不当に害する場合の要件の客観的なガイドライン、御指摘のとおり、指針をもって、法執行までにきちっと対応していきたい、検討してまいりたい、このように思います。

○斉藤(鉄)委員 そういう消費者の不安にこたえるためにも、ぜひそうしていただきたいと思います。

 次に、書籍、雑誌の貸与権についてですけれども、これは、これまでの議論でかなり明確になっておりますけれども、もう一度、確認のために質問させていただきます。

 新しい権利を創設するわけであります。既に貸し本の営業を行っている方々が急に多額の使用料を払うことになれば、経営上の問題が生ずることも考えられます。そこで、経過措置において、既存の業者への配慮はどのようになっているか、この点をお伺いします。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。

 書籍、雑誌につきまして貸与権を付与することによりまして、既存の貸し本業者が貸与を行っております在庫本についてすべて使用料の支払いが必要ということになりますと、貸し本業者に過大な負担がかかるということでございます。

 したがいまして、改正法の附則におきまして、改正法公布の日の翌々月の初日に貸与のために所持している書籍につきましては貸与権が及ばないということにいたしまして、既に貸与を行っている現行の貸し本業者に配慮するというふうにしたところでございます。

○斉藤(鉄)委員 特に零細な業者について、本当に零細な業者、町々にございます。権利者との間でどのような合意がなされているのか、この点について、もう一度、確認したいと思います。特に零細な業者。

○素川政府参考人 お答え申し上げます。

 貸与権連絡協議会、これは、書籍、雑誌の権利者であります漫画家、作家等により構成される団体でございますけれども、この協議会と、旧来の貸し本業者であります全国貸本組合連合会及び東京都図書商業組合との間で協議が行われてまいったわけでございます。

 それを踏まえまして、貸与権連絡協議会は、平成十二年一月一日以前に貸し本店として営業を開始し、転廃業などをせずに営業を継続している店舗であるということに加えまして、店頭の貸し出し対象書籍が一万冊以下である店舗ということで、その店舗の規模を限りまして、こういうものを満たす貸し本業者につきましては、著作者に与える経済的影響が少ないということから、新たに購入いたします書籍等につきまして無償で許諾をするということなど、これまでどおり、貸し本業を営むことができるという旨を表明しているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 わかりました。その点、明確になりました。

 それから、きのう、参考人質疑がありまして、弘兼参考人から共存共栄という言葉があって、まさにキーワードだと思います。

 ただ、我が党の富田委員の質問の中で、協議がすべて調っているというふうに理解していたけれども、よく話を聞いてみると、例えばレンタル料をどの程度にするのかとか、禁止期間をどの程度の長さに設定するのかということについてはこれから協議をする、まず、貸与権というものをつくってもらって、そのつくってもらったという前提のもとでこれから話をしていくんだ、こういうお話があって、私も、大体、内々話がついているのかなと思ったら、まだついていないということでびっくりしたんですけれども、今後、法が改正されれば、そのような話し合いが円滑に行われるシステムが必要になってくると思います。

 どのようにその準備が進んでいるのか、そして、円滑な許諾が行われるシステム、どのようなシステムになるのか、このことについてお伺いします。

○稲葉副大臣 お尋ねの件についてお答えします。

 まさしく、先生御指摘のように、この法改正の後も、貸し本業者が権利の許諾を容易にできるようにシステムづくりをしていかなければならないところでありまして、今、素川次長が答弁しましたように、貸与権連絡協議会、つまり、コミック作家あるいは文芸作家などの著作権団体及び出版社の団体で構成する組織でありますが、この貸与権連絡協議会が、法改正後も引き続き、貸し本業者がコミックあるいは小説等の貸与が行われるように、権利の許諾を容易にできるようなシステムづくり、集中管理体制を整備することによって対応するようにしております。

 具体的には、これはまだ仮称でありますけれども、出版物貸与権管理センター、こちらは貸与権を集中管理する団体として設立されるものでありますが、その団体へは、先ほど申し上げましたコミック作家あるいは文芸作家など、およそ四千八百名の方々が権利行使の委託をする予定となっておりますし、その準備会が去る三月一日に設立されて、団体の設立に向けた準備をただいま行っている最中であります。また、管理業務の方法につきましては、貸し本業者の代表であります日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合と協議を重ねつつ、内容の詳細について検討を重ねているところであります。

 我が文部科学省としましても、この集中管理体制の整備に向けて関係者の協議がスムーズに行われますように、その時期時期に応じて必要な指導とそれから助言をしてまいりたい、このように考えております。

○斉藤(鉄)委員 よくわかりました。円滑な許諾システムができるように、また御努力をいただきたいと思います。

 最後になります。

 総括的な質問を大臣にさせていただきたいと思いますが、この著作権法の上位になる法律は何か。もちろん憲法だと思いますけれども、憲法には文化的な生活という、文化という言葉がございますが、それ以上の詳しい記述はございません。

 やはり平成十三年に、超党派で各党の代表の方に出ていただいて、議員立法でつくった文化芸術振興基本法というこの基本法が、ある意味では、今回、我々が議論している著作権法の上位の基本的な考え方になるのかな、法律になるのかな、このように思っております。

 文化芸術振興基本法の「基本理念」ですけれども、まず第一に、「文化芸術活動を行う者の自主性が十分に尊重されなければならない。」これは当然かと思います。二番目が、「文化芸術活動を行う者の創造性が十分に尊重されるとともに、その地位の向上が図られ、その能力が十分に発揮されるよう考慮されなければならない。」これが二番目でございます。そして三番目が、「文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることにかんがみ、国民がその居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られなければならない。」この一番目、二番目、三番目の基本理念というのは、今回の著作権改正案の議論をするに当たって基本的な考え方なのかな、このように思います。

 まず、能力が十分に、創造者、創造性の尊重とその能力が発揮されるように、そういうことで、著作権、著作隣接権というものが本当に保護されて、日本がこれから文化芸術立国として成り立っていくその中心で頑張っていただかなくてはならない。

 しかしながら、それを享受することが人々の生まれながらの権利という議論、私は、これを読みながら、「生まれながらの権利」というのは民主党さんが強く主張されて入った文言でございますけれども、「享受することが人々の生まれながらの権利である」、そういう創造者がつくったその文化芸術作品を、みんなができるだけ安い料金で楽しめる、これもある意味で行政が心がけなくてはならないことでありまして、今回の議論は、その理念の二番目と三番目について考えさせるいい例ではなかったかな、このように思います。

 この基本理念を大切にしながら、今回の、特に音楽レコードの還流防止措置について今後運用されていくということについての御決意を大臣に最後にお聞きしたいと思います。

○河村国務大臣 非常に重要な御視点、指摘をいただいたと思います。

 まさに、文化芸術振興の観点、それはいわゆる創造者、そして、それを享受する側、この両方がまさに調和がとれて、そして、文化芸術が振興していくということが大事でございます。

 そういう意味で、今回の著作権法、日本の邦楽といいますか、そういうものが非常に今人気を得ておる、そういうものを振興させていかなきゃいかぬ。そういう意味で、第一義的にこの問題が出てまいりました。それから、貸与権のような新しい権利を望む著作者それから隣接者、そういうものも配慮しなきゃいかぬ。両方考えながら、まさに生まれながらの権利が、まさに国民がどこにおられてもひとしく文化芸術を受ける権利がある、このことを尊重していかなきゃならぬという指摘、そして、同時に、文化振興、文化芸術を振興できる環境を整備していかなきゃいかぬ、こういう視点に立って、これから文部科学省、文化庁中心に文化芸術振興に当たってまいりたい、こういうふうに思っております。

○斉藤(鉄)委員 終わります。