【衆議院予算委員会公聴会 平成15年2月26日】
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
きょうは大変にありがとうございました。早速質問に入らせていただきます。
まず、加藤参考人にお伺いをいたしますけれども、きょう私は、加藤さんがふだんからお訴えになられております、NPO税制、寄附税制の拡充こそ日本の経済を根幹から変える、構造を変えるということについてのお話があるのかな、こう思って来たわけですが、きょうはその話がございませんでした。まず、私も文化関係の税制、そこら辺から糸口をつけて頑張っていくべきだということを主張しておりますが、その点につきましての加藤参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○加藤公述人(構想日本代表) 今委員からお話のありました寄附税制、私は大変に大事な仕組みだと思います。
現在、公益法人改革という形で、これは行革事務局が担当して、公益法人あるいは中間法人、それからNPO法人、全体の制度改革が進行中であります。私もその懇談会に参加いたしております。今の予定では、三月中に、公益法人、今の民法三十四条に基づきます財団、社団含めたすべての仕組み、非営利の法人という形の、今まで公益法人、中間法人、それからNPO法人と三つに分かれている仕組みを一つにまとめるという改革が進行中と聞いております。
私は、非営利法人という仕組みをつくった上で、では、そこに対して、今は公益法人に与えられているさまざまな優遇措置、寄附税制を含めて、それがどうなるかというところが非常に大事なところだと思います。
ごく概括だけ申し上げますと、現在は、財団、社団、公益法人、法人格をつくるところで、官庁がおまえのところは公益性ありだと認めたところには、その器をつくるところで既に優遇措置がセットになって出てくる。よく言われる事前行政の最たるものだと思います。まだその法人が活動する前に、山のような書類を審査して、その結果、おまえのところは公益性がありといえば自動的に優遇措置がついてくるという仕組みになっているものですから、その後活動を始めて十年、二十年とやっていますと、最初は公益法人だったのが、いつの間にか無益あるいは私益法人になってしまっていても優遇措置がついている。
一方で、NPO法人などは、周りの人たちから大変役に立っているとありがたがられたとしても、今はその優遇措置、寄附税制、そこに対する寄附は所得控除にならないという仕組みになっております。ここを、その基本から変えていく。
変える点は、私は、一つは、公益性というものをだれが判断するのか。やはり霞が関の真ん中で日本全体について一律、一元的に公益性を判断するのは無理ではないか。なるべくローカルに、地方自治体、例えば都道府県別に公益性を判定するための独立の機関をつくって、そこで判定する。その上で、税務当局は、そこがその公益性を判定したのであれば、その判断の上に乗っかって、例えばその団体に対する寄附については所得控除をする。果たしてその判断が正しいかどうかということは、その団体の財務及び活動についてのディスクロージャーで検証していく。基本的にはそういう仕組みがいいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。
もし時間があれば、後で地方分権のことについてもちょっとお話を伺いたいと思いますが、先に富田公述人にお伺いをいたします。
きょう、お話を伺って、最初のフレーズで、我が国の国債残高が非常に第二次世界大戦末の状況に似てきている、こういうことで改めて深刻さを感じたわけですが、よく、現在の日本は、そうはいっても世界最大の債権国であり、個人金融資産も千四百兆、千五百兆ある、だから、そのことを考慮に入れれば一概には昔ほど深刻ではないんだ、こういう説もありますけれども、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○富田公述人(野村総合研究所研究理事) 現在は国境を越えてお金が自由に行き来する時代でございまして、確かに巨額の個人金融資産とか対外純資産を我が国は持っているわけですけれども、それは私有財産なわけでして、これを無理やり強制して国債を持つようにというふうな、戦時のようなことはできませんので、やはり、巨額に国内の貯蓄があるわけですけれども、それは情勢いかんでは自由に国境を越えて出ていくという可能性もある。そういうことをやはり踏まえませんと、お金があるから国債を出しても大丈夫じゃないかということにはならないということでございます。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。
草野公述人にお伺いいたします。
お話の最後に六点おまとめになりました。その三点目に、国民負担増、これはやめるべきだ、それから四点目に、年金の国庫負担の割合を二分の一へ引き上げ、これを早急にやるべきだ、こういうお話がありましたけれども、その間にはやはり国民負担増がなければできないという思いもあるわけでございまして、この点の関係、安心と国民負担増、この関係についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
○草野公述人(日本労働組合総連合会事務局長) 負担と給付のバランスをどうとっていくかということは、まことに重要な課題だろうというふうに思っております。
私ども連合といたしましては、昨年の十月に社会保障ビジョンを出しまして、これは、二〇二五年を一つの焦点に当てました、すべての社会保障の負担と給付のあるべき姿というのを出してまいりまして、ただ、二五年というのは一つのスパンとしてはいいと思うんですが、これだけ変化が激しいときでありますので、五年タクトぐらいで見直しをしていこう、こういうことにいたしております。
しかしながら、一方、今先生御指摘の基礎年金の部分は、過去におきまして、国庫負担を二分の一に引き上げるということがもう既に決まっているわけであります。しかも、先ほどからも申し上げておりますように、やはり経済あるいは生活に対する先行き不安が非常に国民の気持ちをなえさせているといいますか、消費についても絞り込むようなことになっておりますので、今は私は、生活の将来の安定というものを先に確認していくということの方が優先すべき課題ではないか、こういうように考えております。
○斉藤(鉄)委員 松本公述人にお伺いします。
今、私もいろいろな医療関係の本を読んでおるんですが、どの本にも共通してあるのは、日本の医療には患者の視点がない、あるのは、大変お医者さんには申しわけないんですけれども、お医者さんのもうけ主義と、官の論理とおっしゃいましたけれども、それだけがあって、そのことが医療過誤、また隠ぺい等の根底になっているんだ、こういう本がいっぱい出ているわけで、我々もそれを読んでいるんですが、この点についての御意見を伺えればと思います。
○松本公述人(医療法人財団天心堂理事長) 現実的に、医療過誤なんかの問題については、やはり私は、卒後臨床教育あるいは卒前教育に問題があるんだろうと思います。
現在、医者のもうけ主義ということについては、なかなかできなくなっている。昔は薬価差で食っていっていたという状況があるんですが、それができなくなってきているということも事実です。そういう点では、患者さんの権利意識が高まって、余りもうけ主義的な医療をやると批判されるような環境になっております。また、病院では、先ほど申し上げましたように、経営基盤が非常に脆弱になってきていますので、安全について費用をかけようとしてもなかなかそれが捻出できないような環境にあるということですね。
医療事故の問題の基本は、やはり医学教育の問題だろうと思います。卒後臨床教育の問題で、当初の案では、大学病院に二十床に一人の研修医を置くということになっておったんですが、審議会では十床に一人というふうに、やはり大学中心の研修体制をつくろうとしているわけですね。
ところが、外科の手術を十数年したことのない人が外科の教授になる、あるいは、基礎研究ばかりしておって内科の臨床をしていない人が、遺伝学でいい仕事をしたから教授になる、あるいは、外国の、「サイエンス」とかイギリスの「ランセット」とか、そういう有名な雑誌に論文が出ると教授採用の資料になるんですね。そうすると、基礎的な研究で業績を上げた人が臨床の教授になるということで、現実的には臨床を指導できない教授が余りにも多いんです。はしかを診断できない小児科の教授もいました。
そういうシステムが現実的に本当に大学で臨床教育ができるかというと、できないですね。それで、第一線医療機関で実際に研修をするということが非常に大事ですし、大学での教育がそういうモラルも含めて指導できていないということで、もちろん現在の小学校、中学の教育にもさかのぼりますが、そういうところが現在医療過誤の最大の要点だと思います。患者さんと話すときに、正面を向いて話せない医者が最近大変多くなっています。そういう根本のところから直さないと、医療過誤は少なくならないだろうと思います。
○斉藤(鉄)委員 終わります。ありがとうございました。