【衆議院予算委員会 平成15年2月18日】
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。早速、質問に入らせていただきます。
米軍の夜間離発着訓練、ナイト・ランディング・プラクティス、米空母艦載機によるいわゆる空母への離発着を訓練するための施設ですけれども、この施設を広島県の沖美町が誘致をするという話がありまして、結果としてそれがつぶれて、町長が辞任をするという一連の動きがございました。このことについてまず質問させていただきます。
この米軍のNLP施設、広島県沖美町が、この沖美町大黒神島という島ですが、これは広島湾のつい先、広島湾のど真ん中でございますけれども、この島への誘致の経緯について、いつごろ話があって、どういう経緯で結局なくなったのか、このことについてまずお伺いします。
○石破国務大臣 新聞報道等の繰り返しになりまして恐縮でございますが、実際のお話というものは、非公式に昨年からございました。ただ、これはあくまで非公式のお話でございますので、この場で、いつごろからそういうようなお話があったか、その内容はどうであったかということにつきましては、これはお話をすることを控えたいと思っております。
実際問題、表に出ましたのは一月三十日、町長さんが大黒神島に移る意図を御表明になって、町議会の全員協議会で賛同を得たということでございます。しかし、それから四日後になりましょうか、二月三日になりまして、改めて全協が開催され、白紙撤回がなされた。そして、その二日後の二月五日に、町長さんが誘致を断念され、辞意を表明されたということは報道のとおりでございます。
お話は昨年から非公式には承っておりました。しかし、その詳細につきましては、非公式なものでございます、そしてまた、内容は機微に属することでもございますので、お話をすることをお許しいただきたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 非公式であったということですが、実際には、県も、周辺市町村、実はこの周辺市町村も合併を控えております。江田島市になる、名前についてはまだちょっともめておりますけれども、その合併寸前の周辺市町村についても何の話もなかった。それから、地元の国会議員に対してもまさに寝耳に水、新聞報道で知ったという状況でございます。
ですから、今でも、もう話は済んだとはいえ、非常に大きなわだかまりが県にも我々にもあるわけですけれども、本来あるべき手続、もしこれが建設されるとしたら、どういう手続で進められるべきだったんでしょうか。本来あるべき手続についてお伺いします。
○赤城副長官 お答えいたします。
ただいま長官から答弁いたしましたように、非公式の話し合いが持たれておりましたし、この問題については関心を持って見守ってきたところであります。
当庁としましては、この沖美町から正式にお話がありましたら、その御提案について真剣に検討する過程において、必要に応じて県当局や周辺自治体、また米側とも調整を行うというふうに考えていたところでございます。
○斉藤(鉄)委員 町長さんは記者会見で、防衛施設庁から一切漏らしてはならないと厳命された、このように言われておりまして、これが断念に至った最大の反省点だったとの認識を示した、こういう新聞報道もございます。
これはまず本当かということと、秘密は守るにせよ、オープンになるのは機微に属することですから難しいとはいえ、しかし大変、一市町村で決められる話でもないわけです。ましてや合併を間近に控えているという中で、県また周辺市町村についての内々のといいましょうか、相談はあってしかるべきだったんではないか、みんなこのようにわだかまりを持っているわけですが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○赤城副長官 まさに先生御指摘のとおり、非公式の話し合いの中で、この問題が機微を要する性格の問題である、こういう沖美町長との間で相互の認識のもとで非公式の話し合いがあった、こういうふうに聞いております。
この問題につきましては、合併のことも御指摘ありましたけれども、すぐれて地元における住民自治の問題でございます。こういう誘致がなされるか否かについて、住民自治の問題でありますし、住民の合意形成については関与を差し控えるべきものである、こういうことで、当庁としては、この動きを関心を持って見守っておったところでございます。正式な誘致のお話がありましたら、先ほどお話しいたしましたような手続でもって関係のところへのお話を持ちたい、こういうふうに考えておったところでございます。
○斉藤(鉄)委員 結果として町長が責任をとって辞任をされたわけですが、町長も町民も、そして県も周辺市町村も、それから我々国会議員も、今回、何が一体間違ったんだろうかと。我々、決して誘致を賛成しているわけではない、誘致反対の立場ですけれども、それにしても、一体何が今回の間違いの原因だったんだろうかという思いがわだかまっているわけですが、防衛施設庁、その責任者としての防衛庁長官、今回の点で反省があるとしたら何でしょうか。
○石破国務大臣 今副長官からお答えをしましたように、これは結局、地方自治というのは何なんだろうかということなんだと思うんです。
今から考えてみますと、委員御指摘のように、もっとあちこちに話をするべきではあったのかという御批判はあります。しかし逆に、では、まだ地元が誘致も決めていないのに国がしゃしゃり出て、まだ地元の意思も決定していないのに、県や、まだ合併もしていないわけですから、周辺の市町村に国がお話をするということになりますと、これは地方自治を無視するものではないかという御批判が一方からはあるだろうというふうに思います。
そうしますと、どう考えたらいいんだろうか。委員もよく御案内のことですが、日米安全保障条約によって、日本が盾だ、アメリカが矛だということがございます。日本は、他国に対して攻撃をする能力を持っておりません。そうすると、アメリカに依存せざるを得ない。しかし、アメリカの航空母艦だって、単に浮かんでいるだけでは鉄の箱にしかすぎないわけです。そこに艦載機があり、そこのパイロットの技量が熟練しておって初めて抑止力たり得る。御案内のとおり、ナイト・ランディング・プラクティスというのは、十日間やらないと、もうその空母の搭乗員としての資格を失うわけですね。これをきちんとやることが抑止力につながる、日本の平和を守るということになっておるわけです。
そうしますと、そこをどのように考えたらいいんだろうかということだと私は思っています。後から反省することはたくさんあります。しかし、では、どうすればうまくいったんだろうかということ、委員は科学技術総括政務次官もお務めで、いろいろな、例えば原発とかいうことにつきまして御見識をお持ちだろうと思います。つまり、迷惑施設という言葉は私は好きではありませんが、国全体にとっては必要だけれども、その地域の住民の方々にとっては決して歓迎をされないもの、それをどのようにしていったらいいのかということにつきまして、私どももいろいろ思うところはございます。しかし、こうすればよかったんだというようなことについて、正直言って、明確な考え方を持てているわけではございません、正直申し上げまして。ここを、住民自治というものと国全体の利益というもの、これをどのように考えていったらいいんだろうかということについて、また御見解を承りたいと思っています。
ただ、一般に言われておりますように、私どもが、では、町長さんに責任を全部押しつけて国の責任を放棄したとか、そのようなことはございません。国として、本当に住民自治を重視しながらどのようにしたらいいのかということは、ぎりぎりと考えてまいったつもりでございます。いろいろなことを地元の、御見識をお持ちの委員の御指導も賜りながら、今後の糧にしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 率直な答弁だと思います。
私自身は、被爆県広島、その広島市の真ん前、広島湾の真ん中にある島にNLP施設を持ってくるということ自体には反対でございますが、しかし、先ほどおっしゃったように、日米安保上の必要性ということは認めているつもりでございます。
NLPに対して、厚木基地、三宅島、硫黄島、そこら辺の経緯は一応勉強しておりますけれども、今後NLPに対してのお考え、御認識をお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 以前も答弁いたしましたように、厚木の住民の方々の御負担というものを減らしていかなければいけないということはあります。これは、控訴しておるということとはまた別の問題で、委員御案内のとおり、ああいう町のど真ん中にある、そこの御負担を減らさねばならない。しかし、硫黄島については、余りに遠いということと台風の常襲地帯であって、常にNLPが行えるとは限らない。そして、三宅については火山の状況がある。そうすると、硫黄島で常にできるとは限らない、三宅島はこういうような状況だ、しかし、厚木の御負担は減らしていかねばならない。どこかに適地を求めねばならないということなんだろうと思います。
では、そうすると、どこに置くんだということ、そこのところをどう考えたらいいのか、私どもは本当に知恵を出さなきゃいかぬだろうと思っています。
では、何か知恵はないのか。日本国じゅう、どこかにどこかにということで、常に常にこういう問題を惹起しておっていいとは私は思っておりません。しかし、現状においてNLPが必要なことは論をまちません。そうすると、では、どのようなやり方があるのかということをもう一度きちんと考えてみたいと思っております。
そのことについては、いろいろな科学技術を用いることもあり得るでしょう。そういうことをもう一度、あらゆる可能性を精査してみる。何か問題があって、こういうふうに町長さんがおやめになる、地元の方々に御迷惑をかけるというようなことは、それは繰り返してはならないことだと思います。そして、厚木の皆様方の御負担というものを減らすということが一日も早かるべきことは言うまでもございません。そういうようなことだろうと思っております。
○斉藤(鉄)委員 外務大臣にお伺いしますが、今は広島県の南部の話なのですが、広島県北部では、米軍の低空飛行訓練が非常に大きな問題になっております。
私も先日行ってまいりましたけれども、日本で、島根・広島県境、岩手県、それから高知・愛媛県境、最も人間が少ないところを選んで行われていることは確かなんですけれども、行って聞いてみますと、大変な状況でございます。
これは、NLPと違って予告もなし、突然米軍が来て低空飛行、ある山の中腹にある施設、例えば小学校というふうな比較的目立ちやすい施設に向かってぐうんと突っ込んでくる、それでぎりぎりで上空に上がるという低空飛行。これも日米安保上必要な訓練だということは私もわかっておりますけれども、しかしながら、その小学校の窓ガラスが割れる、物すごい轟音で周辺の住民の人たちは一時騒然となる、鶏は騒ぎ出す、牛、馬は騒ぎ出す、こういう状況、これが突然やってくる。こういう負担を一部の方にかけているということについて、やはり何らかの配慮が必要なのではないかということを痛感しました。
この低空飛行問題について、今後どのように改善されようとしているのか、この点についてお伺いします。
○川口国務大臣 委員もおっしゃってくださいましたように、日本にいる米軍がやはり練度を維持するということが必要で、訓練が必要であると私どもは考えております。
ただ、その訓練に際して、我が国の公共の安全、これに考慮を払って活動をすべきであるということは当然であるわけでして、このアメリカの低空飛行訓練ですけれども、これは地元の住民に与える影響を最小限にする必要がありますし、安全面に注意を払ってやってもらう必要があります。
それで、日本政府とアメリカ政府との間では、平成十一年の一月でございますけれども、六項目の具体的な措置を取りまとめておりまして、それの中身、例えば、人口密集地域や公共の安全に係る学校、病院等の建物については妥当な考慮を払うこととか、原子力エネルギー施設、空港などの場所を安全かつ実際的な形で回避するとか、そういうことは書いてございます。
それから、具体的に、ガラス窓が割れるとかそういう被害がございましたら、これは個別個別のケースで、実態を調査して対応させていただくということでございます。
地元の方にとって、今委員がおっしゃったようなケースがあったとしましたら、特に学校を目がけてというようなことがあるとしたら、それは非常に恐怖感を子供が抱くということも十分に理解できます。そういった個別のケースについては、被害がありましたら実態を調査して対応していくということで、その地区地区の防衛施設局がございますから、日本に幾つかございますので、そこで対応していくということでございます。
安全には十分に注意を払って米軍としてやっていくように、これは機会があるごとに話をしているということでございます。
○斉藤(鉄)委員 私も地元の村長さんや地元の方と話をしましたけれども、昔に比べて少なくなってはきているということですが、これからもぜひ善処方、御努力をお願いしたいと思います。
次に、防衛と研究開発ということについて、防衛庁長官と科学技術担当大臣にちょっとお話を伺いたいと思います。
我々、憲法九条に基づく専守防衛、この専守防衛の能力を高めることが、限られた資源の中で必要。そういう中で、科学技術、研究開発というものを大いに活用する必要がある、この観点での議論がこれまでほとんどされてこなかった、このように私は認識しておりますが、今、科学技術基本計画の第二期でございますが、こういう観点は全く入っておりません。産官学という言葉は入っておりますが、産防学といいましょうか、防衛ということも含めた形の科学技術、研究開発という観点はないように思います。
この点について、防衛庁長官と細田大臣にお伺いします。
○石破国務大臣 これはもう、科学技術に御造詣の深い委員が一番よく御案内のことだと思っております。特に、RMAとかトランスフォーメーションとか、今とにかく軍事技術をどれだけ革新していくかということが喫緊の課題であります。それがアメリカ合衆国などにおいては物すごく進んでおって、それが軍事的な優位、抑止力となっている。
そうしますと、日本の技術というものをどれだけ防衛に生かしていくかということは、私ども、正面から取り組んでいかなきゃいかぬことだと思っております。例えば、ミサイル防衛に関します日米共同研究というのをやっております。日本の技術というものが本当にそういうものに生かされていくように、そしてまた防衛技術というものが、委員御指摘のように、今まで、これは防衛庁のやっていることなんだ、軍事的なことなんだ、学問の分野とは交流しなくていいんだみたいな、そこまで正面から言っているわけじゃありませんが、いわゆる防と学との交流というものも、もっときちんとやっていかねばならないだろう。
それが、本当に防衛力というものは技術がこれから核心をなすものだということにもう一度思いをいたしまして、御指摘を踏まえながら努力をしてまいりたいと思っております。
○細田国務大臣 防衛技術と科学技術の関係というのは、大分以前から非常に深いかかわりがあるわけでございまして、例えば、インターネットという技術は、本来は軍事的に最初に使われて、それが全世界に広がっていったということもございますし、それから、半導体、コンピューター、通信などの技術は、民生技術が軍事技術に利用される、そういう歴史があるわけでございます。
第二期科学技術基本計画におきましても、その中では、防衛との関係について、この文章上読めるものは、「国際的地位と国の安全を維持するため、科学技術を活用する努力を行うことも当然である。」という書き方で書いておるわけでございます。
第三期の科学技術基本計画は今後の問題ではございますが、そういった中で防衛の問題をどのように考えていくかということは、今後、社会的ニーズ等を踏まえて総合的に検討することになると思います。
○斉藤(鉄)委員 この点は、今後の日本のあり方にとって非常に重要な点になると思いますので、科学技術の平和利用ということがございます、その平和利用という範囲をどこまで置くのかということで非常に重要な問題になると思いますので、今後議論を進めたいと思います。外務大臣、防衛庁長官、これで結構でございます。済みません。
次に、エネルギー問題について質問させていただきますが、ちょっと時間がなくなってきましたので。
現在、東電の原子力不祥事があって、一基が停止命令を受けております。そのほかの原子力発電所も、今後、順次定期検査、また自主的な点検ということもあって、これがこれから十七基、東電全部とまるというふうに聞いておりますが、これは非常に電力の逼迫を呼ぶ。それから同時に、今イラクの問題があって、この問題が長期化しますと、石油価格の高騰ということも予想されます。
ちょっと時間がありませんので、この逼迫に対してどう対処していくのか、またイラク問題が経済に与える影響について、済みません、端的にお願いします。
○平沼国務大臣 斉藤先生にお答えをさせていただきます。
大変、東電の不祥事というのは遺憾なことでございまして、私どもも、本当に国民の皆様方の信頼を損なったことに対して深くおわびを申し上げなきゃいかぬと思っております。
御指摘のように、東京電力は管内に原子力発電所が十七基ございまして、そのうち、今、十三基が停止をしているわけであります。そして、この三月から四月にかけまして、さらに検査のために停止をする。そうすると、全原子力発電炉が停止をする、こういうことに相なります。今は、休止中の火力発電所等を立ち上げて、そして何とか電力の需要にこたえているわけであります。したがいまして、これから一基も立ち上がらないということに相なりますと、夏のピーク時には非常に厳しい状況になる、このように想定されています。
そこで、今、私どもとしては、原子力というのは安全性を担保しなければならないわけですけれども、一方においては節電をお願いしながら、そして、原子炉のシュラウドのひび割れだとか再循環系統のひび割れ、こういったものの健全性評価、こういうものに対して総合資源エネルギー調査会の健全性評価の小委員会で今検討をしております。
そして、こういったことを確立して地元の皆様方に納得をしていただくことが非常に大切でございますから、私どもは、こういったことを一日も確立をして、そして現地の皆様方に納得をしていただいた形で再開をさせていただく、このことに今全力を尽くしていかなければならないと思っておりまして、私どもとしては、今一生懸命にそういう問題に取り組んでいるわけであります。
もう一方、イラクの場合でございますけれども、イラクでもし戦端が開かれるようなことに相なりますと、やはりその影響というのは否定ができません。ただ、例えばサウジアラビアは現在日量で九十八万バレルの余力がございますし、また、そのイラクとベネズエラを除いたOPEC諸国の石油生産能力の余力というのが約二百三十万バレルございます。そして一方、消費側のIEAの加盟国では備蓄が百十四日分確保されています。また、我が国も一生懸命努力をいたしまして、民間とそして国の備蓄を合わせますと百七十一日分あるわけであります。
ですから、そういう意味では、戦端が開かれますと、かつての湾岸戦争の例のときには、バレル二十ドル台だったものが倍に相なりました。ですから、そういう動きは短期的には出てくると思いますけれども、短期で終わる場合、これが中期になる場合、長期になる場合、いろいろあるわけですけれども、しかし、我々としては、やはり石油の価格が安定することと安定供給ということが一番大切なことですから、今申し上げたようなそういう背景の中でIEAとも協力をしながら最大限努力をしていかなければなりませんし、そういう意味でも、原子力発電所の立ち上げというものを、やはり信頼性を回復して国民の皆様方の理解を得ながら努力をしていく、こういったことが私どもは必要だ、このように思っております。
○斉藤(鉄)委員 私も同様の認識です。
原子力安全委員会委員長にお越しいただいておりますので、「もんじゅ」判決についてちょっとお伺いしますが、この名古屋高裁の判決の中で、原子力安全委員会の本件安全審査の調査審議及び判断の過程には看過しがたい過誤、欠落があったというべきであるという、かなり厳しい調子で原子力安全委員会について書かれておりますが、この判断について、判決についての御意見をお願いいたします。
○松浦参考人 原子力安全委員会松浦でございます。お答え申し上げます。
先日、高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分無効確認等請求訴訟におきまして国側敗訴の判決が言い渡されましたのは、非常に遺憾なことだと考えております。
原子力安全委員会は、当時の最高のレベルの知見を踏まえまして、安全審査に最善を尽くしたというふうに考えております。
斉藤先生重々御理解のように、現代の工学施設というのは科学技術的見地に基づき設計、建設されております。原子炉施設に関しましては、特に、原子炉の有しております潜在的な危険性というのを科学的合理性に基づきまして最大に想定しまして、これを工学的知見を総動員して多重に防護する、そういう考えで安全を確保しているわけでございます。先般の判決にはこういう考え方を否定するかのごときところがうかがえるように考えまして、問題があると考えておりまして、原子力安全委員会といたしましては、現在、判決の内容を詳細に検討しております。今後、適切に対応いたしたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 最後に、経済産業大臣と細田科学技術担当大臣にお聞きしたいと思いますけれども、最近、エネルギー問題について国が逃げているのではないか、こういう批判がございます。
昨年、エネルギー政策基本法をつくりました。エネルギー政策基本法の基本的考え方は、何といってもエネルギーについては安定供給性、それから地球環境適合性、この二つが大事なんだ、自由化、市場経済性というのは一歩後に退くんだという基本的な考え方が国のエネルギー政策の根幹になったと私は思っております。しかし、最近の経済産業省を見ておりますと、自由化を強調する余り、安定供給性、環境適合性等について配慮が足らないんではないか、このような批判もございます。
私は、今回、世界の中でフランス等があそこまで自説をはっきり言うのは、自分に自前の防衛力と自前のエネルギー源を持っているからこそあそこまで言える。日本は、その二つとも自前で持っていないから、ある意味で言いたいことが言えないというふうな面もあると言われております。こういう面で、現在電気をつくっている軽水炉、それから先ほど話がありました核燃料サイクル、この両方について、国がもっと前面に立って、原子力と自由化の両立を図っていくべきだという意見がございます。この点についての経済産業大臣の御認識。
それから、核燃料サイクルにつきましては、北朝鮮の状況、北朝鮮がああいうことになりまして、世界の中に、日本がプルトニウムを生産するというオプションをとらせるのは危険ではないかということが特にアメリカから起きております。そういう意味で、日本で核燃料サイクルの重要性を世界に、国際社会に訴えていくことが必要になってくると思いますが、この点についての認識も、細田大臣、お願いいたします。
○平沼国務大臣 御指摘のとおりだと思っております。
私どもは、やはり今、エネルギーの安定供給と、そして国民の皆様方が安心して経済活動をしていただける、そういう基盤をつくらなきゃいかぬと思っています。その観点で、今一次エネルギーの五二%というのは石油に依存しております、その石油も八八%が中東、こういうことでございます。原子力発電というのは、私どもは、二十一世紀を俯瞰した場合でも、国の主要なエネルギー源にしなければならないと思っています。
そして、それは安全性をもちろん担保しなきゃなりませんけれども、原子力発電というのは、やはりその発電過程においてCO2の排出量がゼロである、非常にクリーンなエネルギーである。こういったことは、二十一世紀は環境の時代だと言われておりますので、私どもとしては、安全性を担保しながら、今御指摘の核燃料サイクルを含めてしっかりとした基盤を構築することがこの国の将来にとっては私はやるべきことであると思っております。
もちろん、そのほか、省エネルギーにも徹しなきゃいけませんし、新しい、燃料電池でありますとかあるいは天然ガスでありますとかバイオマスでございますとか太陽光発電ですとか、そういう新エネルギーにも私どもは力を入れて、総合的にやはりエネルギーの安全供給、安定供給、こういったものをしっかりと確保していかなければならない、このように思っています。
○細田国務大臣 エネルギー問題と原子力の重要性問題については平沼大臣がおっしゃいましたとおりですので、重ねて申しません。
核燃料サイクルにつきまして言えば、まず、普通の軽水炉の発電というのはウラン資源の〇・五%しか使用しないわけでございますが、これをプルサーマル方式を採用することによりまして五割増しのウラン資源の活用ができるということ、かつ、国際的に見ましても、斉藤委員おっしゃいましたような、プルトニウムを保有するようなことを避けなければならないという意味もあるわけでございます。
また、高速増殖炉に至りますとウラン資源を百二十倍活用できるということで、数百年、数千年の今後の、まあ短期的歴史を考えましても、これは必ず取り組んでいかなければならない問題であり、かつ、その先を言えば、核融合炉の方へ行かなければならないという展望がございますが、これはやはり国民の皆様への説得とか安全性とかいろいろな意味で、もちろん科学技術者が十分対応しつつやっておるわけでございますが、不祥事を防ぐとかいうことも相まちまして、国民への、常に知識を持っていただき、理解を持っていただくための努力が必要であると思っておりますので、今後ともそのようにしてまいりたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 終わります