【参議院経済産業委員会 平成14年6月6日】


○委員長(保坂三蔵君)
 ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。
 昨日、矢野哲朗君、緒方靖夫君及び荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として近藤剛君、井上美代君及び加藤修一君が選任されました。
   
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 エネルギー政策基本法案の審議のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官浦嶋将年君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(保坂三蔵君)
 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
   
○委員長(保坂三蔵君) エネルギー政策基本法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○近藤剛君 おはようございます。自由民主党の近藤剛でございます。
 今日は、ようやくこのエネルギー政策基本法案が当委員会において審議されることになりましたことを大変私としてはうれしく存じております。我が国の国際的に置かれた立場あるいは我が国のエネルギー事情を考えますと、このような極めて重要な基本法は少なくとも七〇年代、できれば一九六〇年代にあってもしかるべきではなかったのかなと、そのように感じております。しかしながら、物事遅過ぎるということはないわけでございまして、このような基本法案がようやく審議我々としてもできるということは大変うれしいことでございます。そのような立場から、今日は幾つかのこのエネルギー基本法案の条文に関連をして確認をさせていただきたいと、そのように存じております。
 まず一点が、エネルギー政策基本法、この基本法案の基本的な考え方に関連する幾つかの点でございます。
 エネルギー問題をめぐる基本的な考え方として、この法案の中には三点挙げられているわけでございます。まず、二条を拝見いたしますと、安定供給性、いわゆるエネルギー安全保障の考え方がここで打ち出されてきております。そして三条、三条には環境適合性。そして四条を見ますと、「市場原理の活用」という表現でございます。いわゆる経済合理性というものがここで打ち出されているわけであります。
 この三点は極めて適切な考え方であろうかと思いますが、ただ、この三つは必ずしも優先順位が等しいものではない、そのように私自身としては感じております。要するに、この三つが正三角形を形作る関係ではないんだと、そのように思うわけでございます。
 具体的に申し上げますと、安定供給性、いわゆる安全保障という問題、それから環境適合性、環境という問題、これはある意味では経済合理性を超えた重要性を持つものであると我々はしっかりと認識をしてこの基本法案に取り組んでいくことが重要ではないかなと思うわけでございます。
 具体的に、より具体的に申し上げますと、例えば、これから気候変動枠組み条約の国際的な交渉が本格化するわけでございます。そしてまた、これからエネルギーの供給の安定性の確保、安全の確保という意味での規制の問題がまたあるわけでございます。そして一方、規制の問題に関連しては、規制緩和あるいは廃止の動きが一方であると、そういうことであります。このような国際交渉上あるいは国内の規制を考える上に当たって、経済合理性が第一なんだということでは我々は間違った選択をしていく可能性があるのではないかなと、そう考えるわけです。
 この点をしっかりと我々は確認をして、この基本法案を考えていかなければいけないと、そう考えておりますが、この点につきまして御確認を賜りたいと存じます。

○衆議院議員(甘利明君) 近藤先生は、今までの御経験から、経済戦略とかエネルギー戦略というものを国際的な視野から見るという経験と能力を持っていらっしゃると思いますので、エネルギー政策基本法の必要性は私ども以上によく御認識をされていると思います。
 御指摘のとおり、二条から四条でエネルギー政策基本法の基本的な柱というものを立てております。三本の柱は、エネルギー安全保障と環境適合性と経済合理性でございます。そして、この三つの最大公約数をどう取るかというのがエネルギー政策でございます。
 その際、私は申し上げておるんですが、正三角形というよりは若干二等辺三角形ですねということを申し上げています。経済合理性というのを無視しているわけではありません。これも重要な政策目標の柱でございます。ただし、エネルギーセキュリティーと環境適合性をしっかりと視野に置いて経済合理性を進めていく、それが大事な視点でございまして、御指摘にありますように、そういう関係において基本政策を推進していくということでございますし、政策目的の両立を図っていく上では相応の経済的負担というものも考えなければいけないというふうに考えております。

○近藤剛君 ありがとうございます。正にそのとおりだろうと思います。
 安全と環境にはコストが掛かるわけであります。この点、十分にわきまえたエネルギーと環境の議論をこれからやっていかなければいけないと私としても思っております。
 さて、次に、具体的なこの基本法の運用に関連して幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 まず、その第一点が、原子力エネルギーの現実的な意味での重要性の認識の必要性でございます。
 エネルギー安全保障、それから環境適合性あるいは経済合理性ということを考えますと、この三つのポイントを総合して最も満足させるベストの方策としては原子力発電が存在するわけでございます。この三条を拝見いたしますと、「エネルギーの需給については、エネルギーの消費の効率化を図ること、」、そして「太陽光、風力等の化石燃料以外のエネルギーの利用への転換」と、こういう表現になっております。「太陽光、風力等」、こういう具体的な表現が入ったことは大変私はうれしく思いますし、これからの国民の協力をいろいろといただく必要があるわけでございまして、このような、コストはやはり掛かるんだという意味で、このような表現を入れていただいたこと、大変結構だと思います。しかし、一方で、この化石燃料以外のエネルギーの利用、そのやはり主流は原子力発電ではなかろうかと思います。この点につきまして、この第三条では、余りにも明白なこのような現実があるためにあえて原子力エネルギーの重要性を指摘されていないと、そのように我々としては認識をしておりますが、御確認をいただきたい、これが第一点でございます。
 そして第二点は、とはいえ、化石燃料の重要性というものは我が国にとって依然として不変であると、そういう事実を我々認識をしておく、その必要性についてでございます。
 特に、化石燃料、原油あるいは天然ガス、そしてこれからの将来のことを考えますと、恐らくメタンハイドレートのような新しい形の化石燃料の開発あるいは利用の必要性と可能性が出てくるだろうと思います。その意味で、国の果たすべき役割もまた依然として大きいということが言えようかと思います。この五条を見てみますと、「国の責務」ということが書いてございます。そして、この十条には、法制上、財政上あるいは金融上の措置を政府は取らなければいけないと、こういうことを書いてあるわけでございます。特に、化石燃料の探鉱段階におけるリスクの負担、あるいは開発段階におけるリスクの緩和、あるいは先ほど申し上げましたようなメタンハイドレートのような新しい形の燃料の利用に関する技術開発、それらにかかわるリスクの分担、こういうところに国の役割というものは極めて重要なものがあろうかと思っております。
 残念ながら、石油公団は経営上の問題から解散されることになってはおりますが、とはいえ、このような探鉱あるいは開発あるいは技術開発に関連する国の責任がそれでなくなるというわけではないと私は承知をしております。この点につきまして御確認を賜りたい、これが第二点でございます。
 そして第三点、政策評価の在り方についてでございます。
 十二条の五項を拝見いたしますと、「政府は、エネルギーをめぐる情勢の変化を勘案し、及びエネルギーに関する施策の効果に関する評価を踏まえ、」、こうなっております。この評価は一体だれがするのか、ここでは明らかでないわけであります。まさか主務官庁であります経済産業省自身がこれを評価をしてそれでおしまいということではないと私は信じておりますが、この点につきましても御確認を賜りたい。そして、この政策評価に関連しては、国会もある意味での役割をこれから果たしていかなければいけない、そのように私自身感じておりますので、その点も含めまして御説明を賜りたいと存じます。よろしくお願いします。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 最初の原子力発電の御質問に関しまして、まず私の方からお答えをさせていただきます。
 もうこれは近藤委員に釈迦に説法でございますが、まず供給安定性という面から考えますと、原子力発電の場合、燃料交換は年に一回で済むと、かつ核燃料サイクルが確立すればその燃料を繰り返し繰り返し有効に使っていくことができるわけでございます。また、原子力発電は別名技術発電と言われているように、技術の占める割合が非常に高い、燃料費の占める割合は非常に低いと。こういうことを考えて準国産エネルギー、この場合の準はクウォサイの方の準でございますけれども、準国産エネルギーとも呼ばれているほど安定供給性には優れていると、このように認識しております。
 次の環境適合性でございますが、これは「地球温暖化の防止及び地球環境の保全」とこの基本法の中にもうたわれておりますものに最も適合するのが原子力発電、二酸化炭素を排出しないという、その一点でございます。
 それから、経済性については、これは総合資源エネルギー調査会の調査によりましても十分その発電単価において他の電源と遜色ないということが言われております。これはバックエンドを入れてもそうだと私ども考えております。
 そういう意味で、三つの哲学に適合していると、原子力発電は、このように認識をしておりまして、これはこの基本法によって推進されるべきものと、このように考えております。

○衆議院議員(伊藤達也君) 先生からお話がございました第二点目の化石燃料の問題でありますが、エネルギー資源に乏しい我が国において、石油、天然ガスは一次エネルギー供給の六割以上を占めております。経済性、利便性の観点から、二十一世紀においても引き続き主要なエネルギーであることが予想され、その安定供給の確保という問題は極めて重要な課題であります。
 そのため、国としても石油、天然ガスの探鉱開発の推進、技術開発の促進、産油国、産ガス国との関係の強化等の多様な安定供給確保策を講じているところでありますが、先生御指摘のとおり、民間のリスクをカバーすべく国は引き続き必要な役割を果たすため、主要支援プロジェクト、有望技術開発の支援に今後とも責任を持って対応していくべきと私どもは考えております。

○衆議院議員(甘利明君) 三点目の政策評価でございます。
 この基本法では、まず基本方針にのっとって基本計画を策定し、基本計画にのっとってその年ごとに具体的な施策を講ずるということでございまして、その具体的な施策を国会に提出をするということになっておりますし、民主党さんを始めとする修正、御提言で、基本計画自体も国会に報告するということになっております。
 ですから、国会でその報告に基づいて議論をする、国会関与が大変に大きくなってきたわけでございまして、講じた政策の評価というのは国会の審議を通じてきちんと評価をされるというふうに思っております。

○近藤剛君 ありがとうございました。
 原子力につきまして一言だけ付言させていただきたいと存じますが、それは原子力に関連する安全技術の開発の重要性でございます。
 やはり、今、化石燃料の開発、自主原油あるいは天然ガス確保に関する国の関与というお話いただきましたが、同様にこの原子力に関連する安全技術の開発に関連しても、国は相当な責任は持っているんだろうと思っております。
 いずれにいたしましても、御確認賜りましたこと、御礼を申し上げます。
 最後に、「国民の努力」ということが第八条で言われております。この点につきまして一つ私の考え方を申し上げたいと思いますし、また確認もさせていただきたいと思うわけであります。
 確かに、国民の努力は我々として求めなければいけないわけでございます。ある意味では、先ほども申し上げましたように、環境と安全にはコストが掛かるわけでありまして、そして特に環境に関連いたしましては、生活スタイルの変更さえも我々はお願いをしていかなければいけないのではないかと、そのように考えているわけでございます。
 そういう意味で、エネルギーと環境の問題に関連して、国民レベルでの議論をこれから今まで以上に活発化していかなければいけないと思っております。現状では、必ずしも国民の関心は高いものとはいえないわけであります。その結果といたしまして、一部の偏向した考え方に影響される、あるいはされやすい地合いができてしまっているということも言えようかと思うわけであります。
 したがって、国民的なレベルの議論をより健全なものとして活発化させていくためには何が必要かということを考えてみますと、ここに十四条に国民に対する情報の開示ということが言われているわけでございまして、これがやはり一番重要な我々として考えていかなければいけないことなんだろうと思うわけでございます。また同様に、十一条には国会に対する年次報告が規定されているわけでございます。
 そういう意味で、国民に対する情報開示あるいは国会に対する報告、それを考えますと、やはり国民に分かりやすい、理解がしやすい、そして国民的な議論がより活発化するような情報開示の工夫が必要だろうと思います。例えば、年次報告につきましても、国会に対する事務的な報告だけではなくて、国民に語り掛ける、例えばエネルギー白書的なものの刊行も考えていいのではないかなと、そのように考えております。
 この点につきまして御確認を賜りまして、私の質問を終わらせていただきます。

○衆議院議員(小池百合子君) 今御指摘ございましたように、省エネ、新エネ、そして原子力等々へのエネルギー全体に対しての国民の努力、それを有効に活用していくということが非常に求められているわけでございまして、既に御指摘ございましたように、第十一条、第十四条のところでそのポイントを示させていただいているところでございます。
 第十一条におきましては、エネルギーの需給に関して講じた施策の概況に関する報告を国会に提出することを義務付けているわけで、これがいわゆる白書に相当すると。ただし、これをより分かりやすいような報告にすべく政府に対しては周知徹底をしてまいりたいと考えております。
 以上です。

○藤原正司君 民主党・新緑風会の藤原でございます。
 まず御質問申し上げる前に本法案について、私自身三十年代から発電現場におりまして、当時から考えますと燃料が石炭、そして重油、原油、ナフサあるいはLNG、途中からは原子力というふうに、三十年代から見ましても我が国のエネルギーの構造というのは大変大きく変わってきたというふうに思っておりますし、それに対応するように様々な法制化がされてきたと。三十年代から四十年代に掛けては、高度経済成長に対応してこの旺盛なエネルギー需要にどう対応していくのかということが最大の眼目でございましたし、ちょうど時も新しい油田がどんどんと開発されて、我が国においては石炭から石油への転換というものも行われてまいりました。また、その中で高度経済成長のひずみというものも言われるようになり、公害問題、今で言えば局地的環境問題といいますか、そういう問題への対応も必要になってきた。
 そして、四十年代末期から五十年代初期に掛けては石油ショックが二度にわたって襲ってきて、まずエネルギーセキュリティーという問題が大変大きな課題になってきて、このためにまず石油代替エネルギーをどう推進していくのかということ、あるいは省エネをどう進めていくのか、こういうふうな関連の政策が必要になってきた。そして平成元年、平成に入りましてからは地球環境問題というのは大変大きな課題になってまいりましたし、また国際化、グローバリゼーションという中で我が国がいかに効率的なエネルギー供給システムを持っていくのかということも極めて重要な課題になってきた。
 こういうような中で、我が国はそれぞれその時々に対応する法制化あるいは政策をもって対応されてきたというのは御承知のとおりでございます。ただ、これらエネルギーに関連する法案について包括的に対応する法律がなかったということも事実でございまして、特に昨今、近藤先生も言われましたように、環境問題というのは大変大きなウエートを占めていく中で、我が国のエネルギー政策をどういうものを基本原則に置いて進めていくのかということを定めておくということは大変意義のあることではないか。その意味で、私としましてはこの法律を評価をするということでございます。
 そこで、まず具体的に入りますと、先ほど近藤先生からも話があったわけですが、三条の環境適合という中で一部字句が付加をされました。「太陽光、風力等の」という字句が付加されたわけでございます。二条、三条、四条というのは、安定供給、環境適合、経済合理性という、これからエネルギー政策を考えていく上での原則といいますか、理念というものを明らかにしたわけでして、ここに太陽光、風力等というものを付加するというのは、ある意味では例示的な意味を持つものだというふうに私どもは理解をしておりますが、そういうことでよろしいでしょうか。

○衆議院議員(田中慶秋君) お答え申し上げます。
 今、先生が述べられております新しいエネルギーの在り方として、そしてなおかつ環境に優しいということも踏まえながら新しい新エネの在り方等々御検討していただいたわけでありますが、その中で、この例示でございますけれども、例示というのは、やはり今後、太陽光なり、あるいはまた風力等を利用する、そういうことを含めた気持ちの表しとして例示ということをここに表現をさせていただいたわけでございます。

○藤原正司君 次に、原案提出された方にお尋ねをいたしますが、本法案と規制改革推進三か年計画との関係についてお尋ねしたいわけですが、平成十四年に決定されましたこの推進三か年計画におきましては、市場原理というものを前面に立てた在り方、エネルギー分野における在り方というものが論議されているわけでございますが、今回の法律は三つの原則というものに対応していこうと。こことの整合といいますか、この辺についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) 規制改革推進三か年計画におきましては、電気事業についていいますと、自由化の範囲の拡大であるとか卸電力市場の整備等の電気事業制度全体の見直し等でありますし、またガス事業について申し上げますと、小売自由化範囲の拡大、供給インフラの整備推進等が定められているというところでございます。そして、規制改革委員会報告によりますと、規制改革とは適切な処方せんに基づき規制の全体を再構築していく作業というふうにされているわけでございます。単なる規制の緩和、撤廃のみならず、競争政策や消費者政策の観点等から新たなルールを確立をして、新たな責任を求める作業を進めていくべきものと認識をしております。
 一方、エネルギー政策基本法第四条も単なる自由化を目指すということではなくて、エネルギー需要者の利益が十分確保されることを旨とするとともに、安定供給の確保や環境への適合に十分配慮することを規定をしておりまして、同じ方向を目指したものというふうになっているわけでございます。
 規制改革の推進の中では自由化だけを強くスポットを当てているわけですが、政策基本法におきましても自由化についてもきちんと取り組んでいく、ただし、他の二つの基本方針をしっかりと視野に置いてくださいと。エネルギーというものは一般の市場商品と違って再生産ができないし、遮断をされた場合に国民生活とか経済生活に与える影響はもう計り知れないということでありますから、そしてまた環境への適合性ということは常に視野に置いておかなければならないわけでありますから、二等辺三角形と申し上げましたけれども、二つの基本方針をしっかりと視野に置いて前向きに取り組んでいくという関係にございます。

○藤原正司君 次に、五条、六条、七条、いわゆる国、地方公共団体、そして事業者の役割といいますか責務といいますか、この点についてお尋ねをしたいわけでございますが、これらはそれぞれ国、地方公共団体、事業者の各主体間の調整といいますか、こういうものをどういうふうに法というものは想定しながら、調整しながら進めていこうというふうに考えておられるのかということについてでございます。
 本案につきましては、国は施策を総合的に策定及び実施する責務を持つ、地方公共団体につきましては国の施策に準じて施策を策定して実施する責務がある、事業者については国又は地方の施策に協力する責務を有する、こういう形で述べられているわけですが、現実問題、その利害が一致する場合は問題がないわけですが、利害が、国の国策といいますか、国の基本方針と地域の利害あるいは方針が必ずしも一致しない場合が出てまいります。
 エネルギーを横に置いたとしましても、例えば廃棄物のごみ処理場を建設するということになりますと、地方の中でもその行政の考え方とそこの当該地域の利害というのは対立をする。しかし、ごみ処理場は絶対必要なんだと。しかし、地域の利害とはなかなか一致しづらいというようなものが、これは例えば原子力立地だけではなく様々な問題についても出てくるわけでございまして、この辺のところをどう法というのは調整するということを想定されておられるのかということ。
 さらに、この地方公共団体、いわゆる六条に規定の中で、何何何とともに、その区域の実情に応じた施策と、こうなります。この「ともに」というのは国の政策というものと地方の政策の並立的に置いた考え方なのか、この「ともに、その区域の実情に応じた施策」という考え方についてもお教えをいただきたいというふうに思います。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) この法律立法の最も本質的なところをお突きになった御質問だと思います。
 国、地方公共団体、事業者、それぞれ独立した存在でございまして、それぞれがそれぞれの自主的な考え方に基づいて運営されていくわけでございますが、しかし事エネルギーという国民生活の安定、また国民の利益ということに非常に大きくかかわった問題については、やはりこの三者がばらばらにそれぞれ運営していたんではこれは国民の利益が図れない、少なくとも共通の、国民の利益に立って共通の認識に立ってそれぞれが協力をしてくださいというのが今回の法律の一つの大きな柱でございます。
 その共通の認識、もう最小公倍数として、この環境適合性、安定供給性、市場経済性、この三つを挙げたわけでございます。少なくともこの最小公倍数の三つについては、国、地方公共団体、事業者が同じ認識の下に立って国民の利益のために協力をしてくださいというのが今回の法律でございます。したがいまして、第九条に改めてこの三者、この三者だけではなくて、国、地方公共団体並びに事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体、こういうふうに書いてございますが、協力、果たす役割を理解して協力をしてくださいと、このように書かせていただきました。
 したがいまして、藤原委員の質問に端的に答えるというわけに、分かりやすく答えるというふうにはなっておりませんが、ある調整が必要な事態が生じた場合は、この三つの哲学、共通の基本方針に従って相互に協力しつつ、それぞれがそれぞれの責務を果たす、その努力をしていただきたいということしかここでは申し上げられないわけでございますけれども、御理解を賜りたいと思います。

○藤原正司君 よく法で責務ということで縛るということではなくて、その背景にはまず十分な情報公開をしながら、各級それぞれの責任主体とともに国民の皆さんがエネルギー政策ということに十分理解をしてもらう。その努力が背景にあって、そしてこの先ほど申しました三条というのがあるんだというふうに理解をさせていただきたいと思うわけでございます。
 次に、十二条に基本計画の策定という問題がございます。この基本計画につきましては、今既にエネ庁とかいろんな官庁でエネルギーに関し様々な施策が実施されているわけでございますし、見通しとか目標とか数字、様々なものもあるわけでございます。
 そこで、このエネルギー基本計画については一体どの程度の先を見越した上でこの策定をされようとするのか、また具体的にはどういうものが織り込まれるのか。例えば、代エネ法などは二〇一〇年までを見ながら二、三回こう見直していく、次また先を見てここを見直していくと、こういうステップを取っているわけですけれども、その辺についてお考えをお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(伊藤達也君) エネルギー基本計画は、他の基本計画と同じように十年程度が基本ではないかというふうに考えています。ただし、例えばそのエネルギー開発につきましては、やはり数十年という期間が必要でありますので、そういう意味からも、長期的な視野というものを大切にしながら十年程度というものを考えていくことが私は大切ではないかというふうに思っております。
 具体的な計画の内容につきましては、これは今後政府内において十分に検討をしていくことが重要でありますが、例えば需要面に関しましては、民生、そして運輸部門を中心に伸び続けるエネルギー需要を抑制するための方策の基本的な方向、供給面に関しましては、石油依存度を低減し、二酸化炭素排出量の抑制を達成するための新エネルギー、原子力、天然ガスなどの導入促進策の基本的な方向、そして研究開発に関しては燃料電池など、更なる技術開発の推進によって供給安定性の向上、コストの低減が期待されるものを中心として、重点的に研究開発を行うべき分野と研究開発の基本的な方向などが示されることになると考えております。

○藤原正司君 今のお考えをお聞きいたしますと、要は基本的な方針とか、あるいは方向性、要は考え方というものを、文章といいますか、そういうもので書いていくと、こういうことというふうにお聞きしたわけでございます。すなわち、具体的な数字を入れて目標計画のようなものを入れていくというふうなことではないんだということですね。
 この計画の中身次第によっては、何といいますか、計画経済に戻るのかどうかというふうな心配をされる向きもありますから、そういう意味で、これは一つの考え方、方針といいますか、そういうものを作成するんだ、記載するんだと、こういうことでよろしいわけですね。
 その上で、このエネルギー基本計画と、今度は京都議定書の批准の担保法として地球温暖化対策推進法があり、その裏付けとなる数字などについてはいわゆる新大綱というものが策定されているわけですけれども、これとエネルギー基本計画との関係というのは一体どういうことになるのか、お尋ねしたいと思います。

○衆議院議員(小池百合子君) 御承知のように、地球温暖化対策推進大綱、こちらの方は京都議定書の約束を履行するための対策のパッケージを総合的に取りまとめたものでございます。
 これに対してエネルギー基本法でございますけれども、御承知のようにエネルギー需給施策の長期的、そして総合的かつ計画的という、それらの総合的な推進を図るために政府全体として閣議決定されますエネルギー政策に関する基本的な計画、正に基本計画となるわけでございますが、その内容といたしましては、環境への適合のみならず安定供給の確保、そして市場原理の活用といった本法案に規定いたします基本方針全体にのっとったものとなるわけでございます。
 ですから、最初の地球温暖化対策推進大綱は、これはエネルギー起源の二酸化炭素にとどまらずにその他の温室効果ガスも含まれるわけでございまして、エネルギー環境施策のみならず京都メカニズムの活用を含めた地球温暖化対策全般ということで、ジャンルが重なる部分もあり、また重ならない部分もあるということでございます。しかしながら、環境への適合といった観点からは、重なる部分、これを両者を整合的に策定されるべきものであるというふうに考えております。

○藤原正司君 さらに、この基本計画との関係で、今、経産大臣の下に総合資源エネルギー調査会、ここが長期エネルギー需給見通しというものを出しているわけでございます。今までお話をお聞きすると、需給見通しの場合は具体的な数字が入ってくるものですし、基本計画の方は考え方といいますか、方針というものが中心になるということですから、その意味ではお互いに分野がすみ分けがされているというふうにも思うわけですけれども、確認の意味として、この基本計画によってもこの長期需給見通しというものが残っていくのか残らないのかということですね。
 それと、同じような法律で、先ほども少し触れました代エネ法、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律、この代エネ法、これは新エネ法の前身として、石油ショックのときをイメージし、そのときにできた法律なんですが、この中では代替エネルギーの供給目標というものを具体的に定めてやっているわけで、この十四年にも新しい目標が策定をされたと、こういうことになっておるわけですが、これら全体を含めまして、この長期エネルギーの需給見通しと代エネ法における供給目標、そしてこの基本計画との関係というのはどういうことになるのか、改めましてお考えをお聞きしたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) 御質問の中で先生が整理をされた考え方だと思います。
 基本計画の方は方向性を示す定性的な考え方、それから総合エネ調の長期需給見通しはどちらかというと定量的な考え方でありますし、代エネ供給に関しましても、目標に関しましても定量的だと思っております。代エネ供給目標というのは閣議決定をされるものでありますし、長期エネルギー需給見通しは経済産業省の中の問題、話でございまして、閣議決定はされておりません。そういう違いはあります。
 ただ、石油代替エネルギー供給に関しましても、石油以外でございますから、今でいえばエネルギーの半分だけのことに関してでございます。基本計画は、エネルギー、石油も含めたエネルギーすべてに関して十年ほどを見通した定性的な方向性ということであります。総合エネ調の長期需給見通しも、過去の経緯を見ますと、大体三年スパンで見直されております。当初、原案では基本計画を五年以内見直しと定めておりましたが、民主党さん、自由党さんを始めとする与野党の修正で三年以内ということにさせていただきましたから、平仄は合っているんではないかと思います。方向性と具体的な定量性の関係にございます。

○藤原正司君 そこで、この法案が今国会で成立をしたという前提を置きますと、この基本計画というのはいつから始まるのかということについて、まず提案者の方にお聞かせ願いたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) エネルギー基本計画は、本法案の第十二条に規定をしておりますとおり、政府がエネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るために策定するエネルギーの需給に関する基本的な計画でありますし、この計画はエネルギーの需給に関する施策についての基本的な方針等を定めるものでありまして、施行後、それほど長期にわたって策定されないということは、この法案の提案者としては望ましいことではないというふうに考えておりますが、いずれにしても十年先を見通して策定をすると。そして、三年ぐらいの見直し期間でありますから、そう余り拙速にはできないのでありますけれども、法案を提出し成立をさせていただくならば、エネルギー政策の基本となることでありますから、大体、どうでしょう、一年ぐらいの間で、公布後一年ぐらいで策定されるべきではないかというふうに期待しております。

○藤原正司君 実際に、この法案が成立しますと、その作業をしていただくのはエネ庁を中心としてやっていただくと、こういうことになるわけでございますけれども、この法案には、総合資源エネルギー調査会の意見も聴く、あるいは関係行政機関の長の意見も聴くと、あちこちいろいろ聴く必要があるわけで、その意味で、今国会で成立して来年度以降の基本計画が策定されるということになるのか、エネ庁長官にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(河野博文君) 今、提案者の甘利先生から、一年ぐらいで策定できるように、あるいは国会に御報告できるようにということを期待するという御指示がございました。
 私どもも、先生おっしゃるように、様々な手続を踏み、関係省庁の意見も聴き、閣議決定もいたして御報告するわけですので、一定の時間が必要かと思いますが、この法案が成立し公布されて以降、一年程度で国会に御報告できますように最大限努力をさせていただきたいと思います。

○藤原正司君 せっかく法律が通った、しかし現実にはまだなかなかできないというのは大変残念なことですし、是非頑張っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、十一条の国会報告という点についてお尋ねをしたいわけでございますが、どのようなものを想定されておられるのか。

○衆議院議員(伊藤達也君) 十一条の記述は、いわゆる白書に相当をいたします。
 報告内容といたしましては、エネルギー基本計画や各種エネルギーに関する計画、指針等に基づき政府が策定及び執行した法律や予算など、エネルギー需給に関して政府が講じた施策を幅広く含むものだというふうに考えております。

○藤原正司君 そうすると、今、法定ではありませんけれども原子力白書あるいは原子力安全白書というものが出されているわけですけれども、こういう白書というようなものが出されるということでよろしいですね。
 そうすると、これら原子力関係白書との関係も含めましてお聞きをしたいと思います。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 原子力白書それから原子力安全白書に関しましては、これは原子力のエネルギー利用のみならず、医学利用、医療利用、工業利用等、全部含めた原子力の利用について記述をしております。今回の国会報告は、この法律で定めるところの国会報告は、原子力の中のエネルギー利用のみでございます。
 また、もう一つ違いがあるとすれば、原子力白書、安全白書は国会報告が義務付けられておりませんが、今回のこの国会報告は法律で義務付けられております。その点が違います。

○藤原正司君 原子力白書に関連してちょっとお尋ねしたいんですけれども、これは法定の義務はないんですが、実際はずっと毎年出されてきたと。これは、広く我が国の原子力政策の内容及びその実施状況について理解を求めていく上においては大変意味のあるものだというふうに思っていたんですが、これは十一年度以降止まっているわけですね。止まっているというのは、出ていないと。これは一体どういうことなのか、済みませんが、内閣府の方にお答え願いたいと思います。

○政府参考人(浦嶋将年君) 原子力委員会の事務局を務めております。
 原子力白書につきましては、先生御指摘のとおり、我が国の内外の原子力に関する動向、政策動向を含めまして、それを取りまとめまして国民の理解を得ようということで、昭和三十二年から刊行させていただいております。
 先生御質問のこの間の事情でございますけれども、平成十一年から昨年まで、原子力白書の刊行はできずにおります。この間の事情でございますけれども、平成十一年の五月に原子力の長期計画を策定しようということで、原子力委員会はこの計画策定事業に集中をしておりました。そのやさき、九月なんですけれども、ジェー・シー・オーの事故が発生いたしまして、その対応策にまた集中する、そして、先ほど申しました長期計画は一年半の議論を経まして平成十二年十一月二十四日に策定という、こういうふうな状況に、その間の状況がございました。
 中央省庁再編後、内閣府に原子力委員会が設置されまして、本年は原子力白書を新しい体制の下で策定しようと現在鋭意準備をしているところでございます。
 以上でございます。

○藤原正司君 事務局を大変忙しくさせた事業者にも責任の一端はあるのかも分かりませんけれども、しかし、先ほど申しましたように、これから原子力政策というのは国民の理解を求めながら進めていくということが極めて重要である。その意味で、白書というのは大変大きな意味があるというふうに思っておりますし、大変お忙しいでしょうけれども、是非頑張って早めに出していただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、原子力政策について原案提出者の方にお尋ねしたいわけですけれども、我が国の原子力政策につきましては、核燃料サイクル、すなわち使用済み燃料を再処理して、そしてプルトニウム利用という、この核燃料サイクルを前提として進めてきたわけでございますが、本法案によってこの原子力、基本的な核燃料政策というものに、核燃料サイクル政策というものに変更があるのかどうか、お尋ねしたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) このエネルギー政策基本法の中で具体的に原子力云々ということの記述はしておりません。おりませんが、原子力発電というものは、安定供給の確保であるとか、環境の保全に基本的に貢献すると考えております。
 先ほど来お話がありますように、燃料を一度装てんをしますと一年間取り替える必要がないと。しかも、燃料全体の三分の一ずつ替えていくわけでありますから、三年間稼働しているということでありますし、しかも核燃料の再処理、再利用ということを考えていきますと、国産に準ずる、準国産のエネルギーということも言えるわけでございます。そして、発電時にCO2排出量はゼロでございますから、エネルギー政策基本法の基本方針に即した優秀なエネルギーであるというふうに私どもは考えておりますので、核燃料サイクル政策というのは、これらのことを考え合わせますと、正に本法案の趣旨に沿ったものであるというふうに私どもは考えております。

○藤原正司君 同様の点についてエネ庁にもお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(河野博文君) お尋ねの核燃料サイクル政策でございます。御承知のように、我が国の原子力政策の基本は一九五六年に第一回が取りまとめられました、また、その後およそ五年ごとに原子力委員会が策定してきております原子力長期計画が基本となっているわけでございます。
 この原子力長期計画におきましては、一貫して核燃料サイクルを進めるということが骨格を成しております。このエネルギー政策基本法案において定められております安定供給の確保などの基本方針と、この原子力長期計画におきます核燃料サイクルの推進は、今提案者の甘利先生がお答えになりましたように、ともに同じ方向を目指したものだというふうに認識をいたしております。したがいまして、この法案が成立をいたしました場合に、第十二条の基本計画に関しまして原子力長期計画と整合性の取れた扱いがなされるというのが当然のことではなかろうかと思います。
 いずれにいたしましても、今後とも政府といたしましては、核燃料サイクルを着実に進めていくべきというふうに考えております。

○藤原正司君 ちょっとしつこいようですけれども、原子力委員会が原子力長計を作られる、この中で核燃料サイクルについてどういうことが書いてあるのかという点について、内閣府の方にお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(浦嶋将年君) 資源の乏しい我が国としましては、エネルギーの安定確保、放射性廃棄物の環境への負荷の低減の観点から、使用済み燃料を再処理し、回収されましたプルトニウム等を再び燃料として有効利用いたします核燃料サイクルを原子力政策の基本としているところでございます。
 先ほども触れましたけれども、平成十二年十一月二十四日に原子力委員会が決定いたしまして、二十八日に、同じ月の二十八日に閣議報告をいたしました現行原子力長期計画におきましては、軽水炉における混合酸化物(MOX)燃料利用、いわゆるプルサーマルの着実な推進あるいは軽水炉使用済み燃料の再処理、中間貯蔵の実現、放射性廃棄物の処理及び処分への対応、高速増殖炉サイクル技術の研究開発への取組など、核燃料サイクルにかかわります考え方を示しているところでございます。

○藤原正司君 そこで、エネ庁にお尋ねしたいんですが、この、今、原子力長計の中でも言われておりますように、原子力発電を行う事業者にとりましては核燃料政策というものが前提となって原子力発電の事業を行う、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。

○政府参考人(河野博文君) これも原子力長期計画を引用させていただければ、これにも、核燃料サイクル事業に関しまして、民間事業者によります積極的な取組、これが期待されるという旨、記載されております。
 また、実際問題といたしまして、電気事業者の皆さんもプルサーマルを始めとする核燃料サイクルを着実に進めていくという意向であるというふうに私どもは認識をしておりますので、こういった方向で民間事業者の皆さんの努力と、そして政府によります環境づくり、こういったものが相まって進められていくべきものと思っております。

○藤原正司君 期待するというよりも、実際の法の仕組みの中では、基本法、そして原子炉等規制法というふうに、原子力発電所を建設しようとするとその許可をいただかなければならない。許可条件の中に我が国の原子力政策というものを踏まえた対応をする必要がある。それは核燃料サイクルであり、廃棄物の国内処理ということが明記をされているわけでして、その意味では実質的にこの核燃料サイクル方式を取るということが義務付けられているんだと、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。

○政府参考人(河野博文君) 規制の諸側面も核燃料サイクルを意識をして行われていると思いますし、また一年ほど前に国会で御承認をいただきました高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する法律におきましても、再処理を前提とした処分体系が御承認をいただいたということでございます。

○藤原正司君 実質的にその法体系は核燃料サイクル、国内処理を前提とする核燃料サイクルということが前提となっており、原子力発電事業を行う場合は、それは実質的に義務付けられているんだというふうに理解をしたいというふうに思うわけでございます。
 次に、エネルギー教育についてお尋ねをしたいと思います。
 本日、加納政務官にもわざわざ来ていただきまして、法案の作成に大変御努力いただいたようでございますのでお聞きしたいと思うわけですが、エネルギー政策というものについて、これは情報公開をする、あるいは様々な御意見を聴くような場を設けていく、こういうことも大変大事でありますけれども、教育という中でどれだけエネルギー政策を正しく理解していただくかということ、これまた極めて大事なことでございます。
 私自身の経験からいきますと、私、十数年前、子供がまだ小学生のころに、先生から原子力というのは原爆と一緒やというお話を徹底的に教え込まれて帰ってきまして、今あれ何か父兄参観と言うと何か差別用語になるんで、あれはどういう参観と言うんですか、親が授業参観に行きましたときに、私はこういう発言をしました。
 私自身は電力に働いておりますと。したがってと言うつもりはありませんと。しかし、まだ判断能力に欠ける子供の前に、一方的な情報だけを押し付けて、これは駄目だという教育というのはいかがなものでしょうかと、こういう話をしたことがございます。
 エネルギー全体の問題として、我が国にとりまして一次エネルギーはそれぞれが長短を持っております。一つのエネルギー源ですべて、先ほど言われました三つの原則を全うするものはございません。風力あるいは太陽光などは、環境には大変適合しますけれども、量的な問題あるいは価格の問題あるいは量のコントロールの問題では不適確でございますし、また原子力は、量的にもあるいはセキュリティーの面においても十分でありますけれども、潜在的には危険性をはらんでいることも事実でございますし、まだなおバックエンド対策がきちっと確立していないことも事実でございます。
 問題は、それぞれ長短のあるエネルギー源をいかにうまく組み合わせながら、我が国として三つの原則を貫いていくのかということが極めて大事なことであり、そういう点について十分な教育というか体系立った教育が本当に必要だというふうに思うわけでございますが、一方で学校は週休二日制になり授業時間も短くなると。様々なこういう教育をすべきではないかという話をしますと、すぐ総合的な学習の時間を活用するというふうに返ってくるわけですが、これで、今まで私、いろんな国会質疑を聞いておりますと、総合的な学習時間だけでもうパンクしそうな感じにもなるわけでございますが、この辺、そのエネルギー教育ということについて、加納先生にお伺いしたいと思います。

○大臣政務官(加納時男君)
 教育の中でエネルギーの理解が重要だという藤原委員の御指摘は全く同感でございます。率直に申し上げまして、これまでエネルギー教育が行われてはまいりましたけれども、必ずしも十分ではなかったというところは深く反省しているところでございます。
 たまたまでございますが、省庁の再編とこの問題を絡めてお話しさせていただきますと、これまでエネルギーとか原子力の研究開発、こういった分野は科学技術庁が、そして教育の現場を担当しているのは文部省ということで分かれていたわけでございますが、この両省庁が一緒になって文部科学省になった、このことが大きなシナジー効果といいますか、融合した効果が現れ始めているということも御報告したいと思います。つまり、両省庁の持っていた強味をそれぞれ発揮した科学的エネルギー教育がいよいよ実施できる体制が整ったということでございます。
 具体例、二、三申し上げたいと思いますが、この四月から新学習指導要領が実施になりました。これまで中学、高校の社会科、理科で必ずしも十分でなかったエネルギーの情報について、エネルギーの有効活用でありますとか、資源・環境問題あるいは今正に藤原委員のおっしゃったそれぞれのというか、様々なエネルギーの持っているそれぞれの強味とリスク、長所と課題といいますか、それを客観的に科学的に教えていくと。最終的な判断は子供たちが成人して判断するものだと思いますけれども、そういった素地を作っていく、客観的な情報をしっかりと教えていくということを心掛けるようにいたしました。
 また、我が参議院の、我がというのは失礼しました、この参議院の決算委員会においても実は指摘されました教科書の記述が、今、先生が正に御指摘なさったように、特定の見解に振り回されているのではないだろうか、非科学的な叙述があるということに対して当時の大臣が、客観性に乏しい記述であることを認める、直すとはっきり言われたことを、参議院の決算委員会でございますが、記憶しておりますが、そういったことも踏まえまして、私ども教科書をこの四月から改訂をしております。
 さらに、総合学習の時間は駆け込み寺ではないか、何でも総合学習で逃げてしまうんではないかという御指摘も厳しく受け止めておりまして、総合学習の時間は正にエネルギーのような教科を横断した科目に非常にふさわしいもの、自然科学も社会科学の基礎も全部含めたこういったところから、子供たちに、自然と触れ合い、様々な事象と触れ合って驚きやときめきを考えてもらう、科学的な心を育成するのが総合的学習時間だと思います。まだ始まったばかりでございますが、先生の御指摘十分に踏まえまして、いただきまして、これが単なる駆け込み寺にならないように気を付けたいと思います。
 最後になりますが、本年度から文部科学省におきまして原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金制度を創設、初めて作りました。これは、都道府県が主体的に実施しようとしているエネルギー、原子力に関する教育への取組を国が支援するというもので、初めての制度でございますが、こういったことも実施し、エネルギー教育について万全を期してまいりたいと思っております。このことが今提案されている法律の第十四条の趣旨に沿うものだと私ども、我が省としては考えております。

○藤原正司君
 ちょっと、せっかく質問を予告しておりながらてれこになりましたので、申し訳ございませんが、改めまして、一つは、修正によって基本計画の国会報告ということが義務付けられたわけでございまして、これは大変意味のあることだというふうに思いますが、改めまして、修正されました方からこの意図というものについてお聞きをしたいと思います。

○衆議院議員(田中慶秋君) 藤原先生の質問にお答え申し上げたいと存じます。
 今、政府のエネルギー政策そのものが法律の大綱をはめるための提出のものであったわけでありますし、先ほどお話にもありました十一条においてこの報告を年次報告として義務付けるなど、従来より格段と国会による政府の監督が可能という形になったわけであります。
 よって、このエネルギー基本法についても、私ども修正に当たりまして、この国会による監督を強めるために、エネルギー基本計画について国会報告を義務付けをさせていただいた、こういう経過でございます。

○藤原正司君 それから、基本計画についての五年計画を三年計画に改めていただいたわけでございますが、その点につきましても。

○衆議院議員(田中慶秋君)
 原案では五年ということでありましたけれども、先ほど甘利委員からも申し上げましたように、社会情勢の変化等々を含めながら、今の時代、新しく地球温暖化の問題やら、あるいはエネルギーの価値の変動や国際情勢等々も勘案をしながら、五年というこの時間は昨今のスピードに合わないんではないか。こんなことも含めながら、やはり事情その他の変更も勘案をして、やはり三年ぐらいが今の時勢に合っているだろう。こんなことも含めて、このエネルギー政策基本法を含めて全般的に三年ぐらいをというこんなお話もあり、五年を三年にさせていただいたところであります。

○藤原正司君
 最後に、私の考え方を申し上げたいと思うわけですけれども、この本法案の意義につきましては、一番最初に申し上げましたように、初めてエネルギー政策について包括的に、しかも理念、原則を明らかにしながら、国民の理解とともにこのエネルギー政策を推進していこうと、こういう考え方に立つものであって、大変私は評価をしたいというふうに思います。
 ただ、この法案それ自体は理念、原則が中心の法律でございまして、エネルギー・環境問題は我が国の行く末を左右する大変重要な問題でございます。この法律があったとしても、このことだけで個々のエネルギーに関する問題が解決をするということではないというふうに思っております。
 本国会におきましても、先般、省エネ法、新エネ法、あるいは今後、石油公団廃止等に関する法律が審議される予定になっております。また、この委員会ではまだ十分論議されない、むしろ環境委員会の方で論議されました地球温暖化対策推進法につきましても、エネルギーと極めてかかわりの深い法律でございます。
 昨年も、プルサーマルにかかわります住民投票の問題、あるいは石油備蓄法の改正問題、あるいは一昨年には石炭鉱業関係法整備法、あるいは特定放射性廃棄物処理法、いわゆる高レベル廃棄物の処理法の問題でございますが、これらのような法案が次々と審議をされ、法制化されてきたわけでございます。
 ただ、私自身、少し問題に考えますのは、こういった我が国の将来を左右する大変重要なエネルギー・環境問題が、それに関係する法案が提出されたりあるいは何かが起きたときにそれだけが論議をされる、あるいはその場合は所管部門だけの論議に終わってしまうと。結局、論議が深まらない、あるいは論議の整合性に欠けるということが多いのではないかという懸念をいたしております。
 過去、参議院におきましては、一九七九年にエネルギー対策特別委員会というものが設置をされておりました。また、一九八六年の七月からは産業・資源エネルギーに関する調査会に衣替えをいたしまして、一九九五年の六月まで足掛け十五年間、この委員会が存続をしてきたわけでございまして、またエネルギーの名を冠した委員会、調査会あるいは石油代替エネ法の審議や「二十一世紀に向けての産業・資源エネルギー政策の課題」などの報告がまとめられてきたわけでございます。
 それから七年をたちまして、エネルギーを取り巻く情勢というのは大変変わってきております。ずっと昔は、エネルギーといえばまず安定供給ということがベースであった。しかし、今や環境という大きな国際的責務といいますか、こういう問題も出てきているわけでございます。特に、京都議定書を批准し、国際社会に対して我が国がその責務を負うというふうになっているということを考えますと、もちろんそれぞれの行政側においても踏まえた努力をしていただかなければなりませんが、我々国民を代表する国会議員として広く、先ほどエネルギー基本法に言われた三つの原則というものから広く我が国のエネルギー政策というものについて論議をし、そして国民的理解を求めていくという、そういう特別委員会や調査会というものが今こそ本当に必要ではないかというふうに考えるわけでございまして、その私の考え方を申し上げまして、ちょっと早いですけれども質問を終わらせていただきたいと思います。

○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず最初に、法律案提出者にお伺いしたいと思っています。環境の適合に関連してということになってまいりますけれども、特に自然エネルギーの促進の担保について確認を取らせていただきたいと思います。
 ついせんだっての当委員会におきまして平沼経済産業大臣に質問をさせていただいたわけでありますけれども、我が党はクリーンエネルギー政策ということで二〇二五年を目指して第一次エネルギーの二〇%はクリーンエネルギー、自然エネルギーということにしていこうと、そういった意味で極めて大胆な政策でございますけれども、ただ、これにつきましては極めて大臣から積極的な答弁をいただいておりまして、政府といたしましてはそれぐらいをやるという心意気でこれから取り組んでいくと。
 その心意気という内容についてもせんだっての委員会でいろいろな話がございまして、この二〇%というのはいろいろな観点を考えるとやはり大きな目標として取り組む必要があると。また、政府としましてもということで、この目標について、一つは、やはり燃料電池、太陽光発電、バイオマスなどの戦略的技術開発の推進を大車輪でやっていかなければいけないと。二点目は、導入円滑化のための実証実験、これを当然やっていかなければいけない。三点目としては、自治体、事業者に対する導入の補助金、そして税制あるいは金融支援等の導入のためのインセンティブ、これを強力に行っていかなければいけないと。四番目は、一般の国民に対する普及啓発を進めていくということで、大臣としては、まず第一ステップとして、新エネルギーの二〇一〇年度の目標三%程度についてはこれをなるべく前倒しで実現できるように取組を積極的に進めていきたい、更に高い水準に引き上げていくと、そういう答弁がございました。結論としては、抜本的にやっていかなければいけない、二〇二五年の二〇%というのは、様々な課題があるにしても、かなり可能性はなくはないと、そういう趣旨の答弁でございました。
 そういったことを考えてまいりましても、極めて私は、京都議定書の関係も踏まえて、自然エネルギーの促進の担保をしていくことも極めて重要であると思っていますので、この辺につきまして、条文ではこういった面についてはどこに当たるのかということも含めてお答えをいただければと思います。

○衆議院議員(甘利明君) 二〇二五年二〇%という、五月三十日ですか、のやり取りを確認をしてみますと、平沼大臣は、経済超大国の日本にとって二〇%というのは非常に大きな目標である、よほどの心意気で取り組まないととてもその達成というのは現実の問題難しい、しかし大きな目標として取り組む必要があると、こういう答弁をされているわけでございまして、この点は私も大臣と同じくらいの心意気で取り組まねばならないというふうには考えております。
 昨年六月に取りまとめられた総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会報告書においては、二〇一〇年度の新エネルギー導入目標を一次エネルギー総供給の約三%程度ということが掲げられております。ただし、これは新エネルギーでございますから、先生のお話の自然エネルギーということになりますと、新エネ、地熱、水力も当然自然エネルギーだと思います。そうしますと、二〇一〇年度の目標、新エネルギーでいうと三%ですが、水力、地熱まで入れると六・二でしょうか、ということになります。二〇二五年二〇パーというのはまだまだはるかに大きな乖離があるわけでございまして、いかに大変かということはお分かりいただけることと思います。
 そして、新エネ三%という目標に関して言いますと、燃料電池、太陽光発電、バイオマスなどの技術開発の推進、導入円滑化のための実証実験、自治体、事業者に対する導入補助金、税制、金融支援等の導入インセンティブ、そして国民一般に対する普及啓発、さらに、先般成立をしました電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法など、官民による最大の取組を前提にしたものであるということを認識をしております。自然エネルギーの中の更に新エネルギーについては、まずは三%程度という二〇一〇年の目標を着実に実行することが第一と。
 将来的に言いますと、大臣の発言にありますように、うんと大変であるけれども、大きな目標として取り組む必要があるということに将来的にはつなげていくんだと思いますが、いずれにいたしましても、これは発電事業者のみならず、利用する事業会社、そして国民の全般の広範な意識改革、すべてを含めてやっていかないと、非常に大変な設定値だというふうに、目標値だというふうには考えております。

○加藤修一君
 是非、大臣と同じような心意気でそういった分野についても是非頑張っていただきたいと、このように思います。
 それで、同じような質問でございますが、我が党としては超長期、長期じゃなくて更に長い期間を考えてということで、超長期の話でございますが、太陽・水素エネルギー経済社会への転換を考えていかなければいけないということに政策を発表しているわけでございますが、この辺にかかわってくることについては、この法案を議論していく経緯の中でも聞かれた話でありますけれども、十分この法案については考慮されているというような理解を私はしているわけでありますけれども、この辺についてはどのような長期的な展望という形で、あるいは基本方針あるいは基本エネルギー計画でしょうか、エネルギー基本計画ですか、そういった絡みの中で具体的にはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。私はかなり触れているという理解でいますけれども、どうでしょうか。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 今、加藤委員の御質問は、加藤委員が常々おっしゃっております超長期的には太陽・水素系エネルギー社会への転換、これを図っていかなくてはならないんではないかということに関連して、そういうことも視野に入っているのかと、こういう質問と理解をさせていただきます。
 太陽・水素系エネルギーへの転換につきましては、本法案の第三条、環境適合性というところの基本方針に「化石燃料以外のエネルギーの利用への転換」の推進というのがまず入っております。そしてもう一つ、「化石燃料の効率的な利用を推進する」と、このようにあります。
 太陽・水素系エネルギー、まず太陽エネルギーについては、これは化石燃料以外のエネルギーに当たりますので、これを一生懸命推し進めていく、これは当然でございます。それから、水素系エネルギー、これ、長期的には燃料電池が主体となるわけで、その燃料電池の水素は今のところ化石燃料から取るのが一番効率的と言われております。その化石燃料の効率的な利用ということになるわけでございまして、太陽・水素系エネルギーへの転換ということも一つの長期的な視野に入っていると、このように御理解いただければいいかと思います。
 超長期的には、この水素も化石燃料ではなく、例えば太陽エネルギーを利用した、若しくは自然エネルギーを利用した、水から水素を取るというようなことも考えられると思いますけれども、当然超長期的にはそのような視点も入ってくるわけでございます。
 このような意味で、田中慶秋先生いらっしゃらなくなりましたけれども、修正の段階で、同三条に、最初は「化石燃料以外のエネルギーの利用への転換」ということになっていたんですが、これに「太陽光、風力等の化石燃料以外のエネルギーの利用への転換」、このようにさせていただいたところでございます。

○加藤修一君
 三条に、超長期的には太陽・水素系エネルギー経済社会への転換ということも含まれているという、そういう理解をさせていただきました。
 それで、こういう転換をやっていくというのには極めて準備が必要な、十分な準備が必要であるわけでありまして、そういった意味では、エネルギー関係の研究開発をどういうふうにやっていくかということが当然考えていかなきゃいけない。
 そこで、今日お手元に配付しております資料を見ていただきたいわけですけれども、資料のA、これは我が国のエネルギー研究開発費の関係でございます。一九九六年度の細かい表が載っておりますが、その下の方に簡単にまとめたものが出てございます。それを見てまいりますと、原子力については四三%、一九九六年度が四三%からだんだん下がってまいりまして、九八年からは四一、四二%、四四%という形で上がってきております。一方、自然エネについては十分の一という非常に細々とした取組というふうに、相対的に考えればですね。
 そういうことを考えていきますと、いわゆる太陽・水素系エネルギー経済社会への転換という意味では、今から準備をしておくということを考えてまいりますと、極めて研究開発については薄いという認識をせざるを得ないわけでありますけれども、やはり積極的な対応が考えてしかるべきではないかと、このように思っておりますけれども、これについて御見解をお願いしたいと思います。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 加藤委員お出しになった資料、これは民間等も入った資料でございますが、政府の方でまとめました例えば平成十四年度の科学技術関係予算によりますと、エネルギー分野で大体六千八百億円、物すごく大ざっぱにまとめて七千億円という額でございます。このうち、いわゆる新エネルギー等の関係経費は前年度から比較して三百四十四億円増額となった千四百四十九億円と、このように認識をしております。この千四百四十九億円、七千億円のうちの千五百億でございますが、千五百億のうちの大体五百億が研究開発費、一千億が導入促進費といいましょうか、補助金等を出して太陽パネル屋根を促進するとか、そういうお金でございます。
 確かに、七千億の中のまだ千五百億ではないかと、これをもっと増やすべきではないかということでございますが、今トレンドとして非常に増えておりますし、増えておるということと、それから例えば、この結果、太陽発電については、その導入実績は今、発電設備容量ベースで世界一ということになっております。引き続き、この努力をしていかなくてはならないと思いますけれども、そういう状況にあるということを御理解いただきたいと思います。

○加藤修一君 じゃ、これについてもまた今後とも積極的によろしくお願いしたいと思います。
 それで、次には、経済産業省にお伺いしたいと思いますけれども、環境への適応に関連してでございます。
 原子力発電の関係ばかりじゃございませんが、とりわけ今、中心的なテーマとして、原子力発電についてのエネルギー収支分析、これはいろいろの条件が最近は変わってきておりますので、是非進めていただきたいということでございます。
 さらに、先ほどもほかの委員からバックエンド処理の関係が出ておりましたけれども、バックエンド処理過程を含めたCO2排出量のライフサイクルアセスメントですね、こういったことについては電力中央研究所等様々な、多様にやっていると私も認識しておりますが、しかしバックエンド政策の関係につきましては、その取り方、ケースによりましていろいろ、これ振れる話だと思いますけれども、その辺のこともきちっととらまえた形でやっていただきたいと、そのように思ってございます。
 例えば、最初のエネルギー収支の関係につきましては、いろんな仮定が当然あると思うんですね。ウランの、ウラン鉱の品位の関係では当然標準品位を考える、濃縮炉については通常の軽水炉を使うでしょうし、あるいは耐用年数、これが従来三十年でやっているケースもあれば、いろんなケースがあると思いますけれども、これはもう少し延びてくるだろうと思いますし、あるいは平均設備利用率、これは今や八〇%前後になっておりますから、そういうパラメーターの違いもある。あるいは揚水発電所についてはどういうふうに考えるか、廃炉の処分の関係についてもどういうふうに考えるか、あるいは低レベルの放射性廃棄物あるいは高レベルの放射性廃棄物、これの耐用年数をどういうふうに考えて、耐用年数というのは施設の耐用年数でありますけれども、プルトニウムは半減期が二万四千年でございますけれども、そういったものにかかわる施設の設計を含めてどういうふうに考えていくかという、そこをどういうふうにエネルギー収支決算の中に盛り込んでいくかという、そういう極めて重要な観点もあるように思います。
 それとまた、グロスで電力量が、産出電力が当然出てきますけれども、自家消費あるいは送電ロス、そういったことも当然ございます。最終的にエンドユーザーまで来るまでのいわゆるそこでの合算したネットでの、いわゆる正味での産出電力量ということも考えてまいりますと、発電した量と、それからそれに、発電させるために使ってくる様々なエネルギー、投入エネルギーとの関係ですよね、例えば核燃料の製造に対してどのぐらい掛かる、種々の輸送についてどれだけ掛かる、廃炉処分についてもどれだけ掛かる、こういった意味での要するにエネルギーに対する収支分析ということについても極めて私は重要であると思います。
 お二人の委員の方が質問されましたが、その中でも情報開示という観点、情報公開というそういう言い方をされていた委員もございますが、いずれにいたしましても、こういった形で情報を、これに係る情報をきちっと国民の皆さんに更に広げていくということも極めて議論をしていく上では重要なことではないかなと思いますので、この辺について御検討をお願いしたいということでございますが、御見解をお願いいたします。

○政府参考人(河野博文君)
 原子力発電所あるいは他のエネルギー源の発電と比較をいたしまして、発電の効率あるいは熱効率、それからCO2排出量との関係で、ライフサイクルを通じてのアセスメントをするというふうなことは重要なことだというふうに思っております。
 御承知のように、先生も御引用になられましたように、電力中央研究所がこのCO2のライフサイクルアセスメントは累次実施をいたしておりまして、それの諸元も公表されているとは思いますけれども、また考慮要因も更に精度が上がっているようにも思っております。引き続き、私どもこういった点に十分関心を持ちまして、民間の協力も得ながら分析を続けてまいりたいと思っております。

○加藤修一君 是非この辺については積極的にやっていただく一つだと考えておりますので、お願いいたしたいと思います。
   〔委員長退席、理事山崎力君着席〕
 それでは次に、配付させていただいている資料の裏側といいますか、配付資料Cの方になるんですけれども、これは仮想的に計算をしたものでございます。原子力発電の地球温暖化効果というのは一体考えられるのか、考えられないのか。
 確かに、炭素の排出量は少ないわけでありますけれども、これは下の方に前提条件が書いてございます。頭の方からいきますと、発電容量が百万キロワットの原子力発電は、一秒間に七十立米の温排水、取水時よりはプラス七度になるわけでありますけれども、これを海水中に出していると。これはある意味で海水を暖めている、地球を暖めているというふうに考えることができるわけですけれども、その熱を作り出す上で、原油で作り出そうとすると、どのぐらい原油が必要であるのか。それに対応した形で、じゃCO2はどのぐらい排出されるのか。これはあくまで仮想的な話ですから、そこはお含みいただきたいと思います。
 設備利用率を八〇・五%で考えてやってまいりますと、年間百万キロワットの原子力発電をやった場合には十七億トンの温排水が出ると。しかも、プラス七度になっていますよと。その全熱容量は十二兆キロカロリー、年間ですね。これを突き進めて考えてまいりますと、最終的に一年間に、仮想的でございますけれども、一億二千七百八十万トン、CO2ベースで出ると。仮想的な言い方でありますけれども、出る。
 これを、一九九九年度の我が国のCO2排出量は十三億七百四十万トンでありますから、割替えして考えていきますと九・七七五%、ほぼ一〇%になるわけなんですね。
 これは、こういう分析についても是非経産省が私はやるべきだと思います。それも、しかも公表すべきだと思いますけれども、その辺についてどうお考えかということでございます。
   〔理事山崎力君退席、委員長着席〕
 それと、これは前提条件で下の方に七がございますけれども、海水中に含まれているCO2、溶存CO2でありますけれども、これについては無視して考えていますから、仮にこういう考え方も成り立つわけですね。十度Cの水は一立米当たり二・三二キログラム、CO2が溶け込んでいると。それから、二十度Cの水は、温度が上がってくると溶けづらくなってきますから、一立米当たり一・六九キログラム、今は七度でありますけれども、十度の差があれば〇・六三キログラムパー立米、CO2が大気中に拡散する、放出されると、そういうことになるわけでありますけれども、全くの単純な計算でありますけれども、百万キロワットの場合は一日に百トンのCO2が大気中に出るということにもなるわけなんですね。
 これはこちらで計算したやつですので、もっと権威のあるところが計算して分析すべきだと私は思っておりますので、資源エネ庁、この辺についても是非きちっとした計算をして公表して、またこういったことについてもエネルギーの関係の議論に貢献できるようなことを考えてもいいのではないかとこのように思っていますけれども、どうでしょうか。

○政府参考人(佐々木宜彦君)
 先生、今、仮想計算ということでお話ございましたが、百万キロワット級の原子力発電所の設備利用率、それから温排水量その他については、我々もこういうところだと思っております。
 確かに、原子力発電所の熱効率を考えますと、約三分の二の熱量は海に排出されているわけでございますけれども、私どもの方も原子力発電所、今五十二基の平均設備利用率を勘案いたしまして、設計上の冷却水の使用量あるいは使用水の温度差に基づきましてどれだけの熱量が出ているかということを計算してみましたが、大体この先生の計算と基本的に同じですけれども、一時間当たりに直しますと〇・二七ペタジュールというのは、これは十の十五乗ジュールでありますけれども、これが一時間当たり出ておりまして、この数字を今我が国の一時間当たりの一次エネルギー供給量と比較をいたしますと、約一〇%に相当します。このことは、すなわち年間原子力発電所を稼働することによって海に捨てられているエネルギー量を一次エネルギー供給量と比較すると、大体そういう量、一〇%の量になるということでございます。
 一方、今、先生が御指摘になられましたこの原子力発電所から取り出す熱によっての電気というのは効率があるわけでございますので、どうしても三分の二は海に出ていくわけですが、私ども、先生のこの試算を見まして、逆にこれだけの熱量を原油でもって火力発電所ということで設備をいたしまして発電電力量を得るということになりますと、この四のところは、逆に原子力発電所と火力発電所の熱効率の差を掛ければ、これの四の更に五分の七倍程度のCO2の発生量というのを火力によって得なければならないという意味では、逆にCO2の抑制効果というのは原子力発電所によってもたらされるというふうにもまた解釈されるのではないかというような、ちょっと考えを抱いた次第でございます。

○加藤修一君 これは分析、こういった形で分析をやって公開するとか、そういったことについてはどうなんでしょう。今はある意味では部分的に公開されているというふうに理解したっていいわけですけれども、議事録に残るわけですから。
 それで、おっしゃっている意味はよく分かります。ただし、廃熱という観点を考えていった場合は、熱は輸送しづらいわけでありますから、それが有効に利用されていないということは十分言える話だと思うんですね。ですから、三分の二を海に投げ捨てているという話なんですね。
 確かに、CO2を排出しないと言いながら、仮想的なアプローチとしてはやっぱりそれに匹敵するようなことをやっているというふうに理解することも、これは決して不自然な話ではない、そういうことを言いたいがためにこういう試算をしたわけでございます。
 そういったことで、先ほど申し上げましたように、分析、公開という形を取ってきちっとやっていくべきでないかと、そう思っていますけれども、どうでしょう。

○政府参考人(佐々木宜彦君) 私どもの行政の立場といたしましても、こうしたデータ、例えば環境アセスメント絡みでございますと、これはすべて公開もいたしておりますが、いろいろな分析について公開できるもの、可能なものをどんどん公開していくという、今、基本姿勢で臨んでいるところでございます。

○加藤修一君
 それと、海水中の溶存CO2の関係でございますが、これも温度拡散のシミュレーション分析をしていく中で差分方程式を使って五層とか十層とかそういった形でできることが理論的にはあり得ますので、そういった点からも計算は私は可能だと思っておりますので、その辺についても是非よろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、また同じく経済産業省にお願いでございますけれども、火山の噴火、これによって災害をなるべくなくしましょうと、なるべく被災が大きく生じないような形で避難も的確にやりましょうということで、ハザードマップを作っているわけなんですけれども、私は非常に心配しているのは、東海地震がいつ起こるかと。起こった場合は大変であるというふうに考えておりまして、その場合、原発がどうなるかということについても、これは危機管理上、それに対して対応しなければいけないということは十分、これは私だけじゃなくて恐らく経産省も十分考えて様々な手だてを考えているとは私は思っております。
 そこで、質問でありますけれども、火山のハザードマップ、これは風評被害が生じるとか、一部そういうふうに言われている経緯もございますが、しかし大宗ではこういったハザードマップを作ってやっていくことは極めて望ましいというふうにアンケート調査でも出ているわけですね。それと同じようにして、原子力発電所の関係についても、私はハザードマップ的なやつを是非作るべきでなかろうかと、このように考えてございます。その辺について、作成と同時に公表ということも是非やっていただきたいなと、そのように思ってございます。
 かつて科学技術庁のときに、旧科技庁と言っていいんでしょうか、一九六〇年でありますけれども、大型原子炉の事故の理論的可能性と公衆損害額に関する試算ということで、これは、非常に極めてシリアスな状態のケースの場合については国家予算の二・五倍ぐらいの損害額が出るというふうに公的にはじき出しているわけなんですね。それと同じようにして、ハザードマップ的な、こういった面も、今申し上げた点も含めて是非やることも一つの考え方ではないかと、このように思っておりますので、是非御見解をお願いします。

○政府参考人(佐々木宜彦君) 原子力発電所の場合、現在の防災対策におきましては、原子力の防災指針、すなわち原子力施設等の防災対策についてということで公表されておりますけれども、防災対策を重点的に実施すべき地域の範囲、EPZと申しておりますけれども、の目安距離を定めております。具体的には、例えば原子力発電所について申しますと、施設から八キロから十キロの距離を目安としておるところでございます。
 ここで今、先生が火山とこうした原子力防災の関係について御議論ございましたけれども、やや原子力防災と火山の場合の考え方が違うところがあると思っておりますのは、火山の場合には、噴火に伴う火砕流の発生等が、過去の歴史等によりまして、噴火に応じてどういう地域に流れてくる可能性があるかという知見はかなり具体的な歴史的な事実に基づいて予想が付くのでございます。
 一方、原子力発電所の立地地域につきましては、今申しましたように八キロから十キロ、同心円の対策地域といたしまして、具体的には地域の防災計画に明記をいたして公表し、またその地域についての重点的な防災体制の整備を今進めているところでございます。この関係自治体が中心になりまして、避難施設等の防災関連施設の位置情報あるいは地図情報としてあらかじめ整理をし、周辺住民への周知にも努めているところでございます。
 また、私ども国、自治体が中心になって実施する原子力防災訓練におきましても、このEPZの範囲を中心に住民も参加する訓練を実施しております。実際に訓練に当たりましては、放射性物質の放出を仮定し、実際に大気の安定度あるいは風向、風速等の気象の条件を行動に入れまして、そうした想定の下に避難の訓練等も行っているところでございます。
 確かに、今、先生御指摘のように、ある想定に基づいた被害の状況を公表するというようなことにつきまして、私どもの見解といたしましては、いたずらに被害の額を一定の要件の下で出していくということはなかなか私ども行政の立場としては難しい面もございます。私どもむしろ、原子力防災の充実につきましては、実際の国、自治体の訓練等におきまして、十分こうした私どもの実際の想定に基づいて、避難等の対策を具体的に現実にきちんとできるような体制をきちんと整備していくことの方が重要ではないかと思っております。
 先生の今のお話のそうしたハザードマップに近いもの、火山とはちょっと違うかもしれませんが、研究をさせていただきたいと思います。

○加藤修一君 以上で質問、終了いたします。

○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 私も、この経済産業委員会で何度もこのエネルギーの問題、原発の問題を質問させていただいたんですけれども、四年目になりますけれども、随分この間、この経済産業委員会だけの状況といいますか模様といいますか、それも非常に変わりました。最初は原発推進の御意見が非常に勢いを持って発言もされていたんですけれども、最近は自然エネルギーの主張、最初は本当小さかったですけれども、最近では非常に大きな国民の支持といいますか追い風を受けといいますか、発言も大きくできるようになってきたと思います。そこで私は思うんですけれども、会期末、このように慌ただしい中で、こういう基本法をなぜ成立を急ぐのでしょうか。なぜこの基本法が今必要になっているのかという疑問を持つわけなんですね。
 エネルギー政策というのは、やはり国の産業や経済、国民生活の根本にかかわる問題ですから、少し歴史的な経過も振り返ってみたいと思うんですけれども、政府は、一九六五年、昭和四十年に総合エネルギー調査会を設置して、六七年に第一回目の長期エネルギー需給見通し、総合エネルギー調査会第一次答申を発表いたしました。昨年一月には総合資源エネルギー調査会となって、二〇〇一年七月には、環境保全や効率化の要請に対応しつつエネルギーの安定供給を実現するというエネルギー政策の基本目標の実現を目指した長期需給見通しを作成をしております。この長期需給見通しをベースにして、今年三月十九日、政府は、これですけれども、京都議定書の批准に向けてCO2六%削減するための地球温暖化対策推進大綱、これは閣議決定を実にしているわけでございます。つまり、十分、不十分、また立場の違いはもちろんありますけれども、総合的な立場でエネルギーの対策、政策を、政府は政府として、与党の方針を取り入れながらやってきたんじゃないかと。
 そこで、提案者にお伺いしますけれども、政府・与党としてこれらの決定に参加をされてこられたと思いますけれども、なぜ今エネルギー政策基本法を提出する必要があるのでしょうか。何か矛盾が生じているのでしょうか。初めにお伺いをしておきたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君)
 なぜ今エネルギー政策基本法を出すのか、その必要性があるのかという御指摘がありましたが、この法案の衆参の論議を通じまして、むしろ遅きに失してはいないかと、もっと早くなぜ出さなかったという御指摘も強くいただいているわけでございます。
 お話しのとおり、政府の長期需給見通しというものは、過去を振り返りますと三年ごとくらいのスパンで見直されてきましたが、定量的な考え方で見通しが書かれているわけでありますし、ここで申しております基本計画というのは、十年超を見通して、そして三年内に見直す定性的な考え方を示していると。ただ、定性的にせよ定量的にせよ、どういう基本方針に基づいてやるのかという基本哲学の部分が実はなくて、言ってみれば手探りで長期需給見通しはその時々の要請に従って行ってきた。だから、安定供給が大事ということが最重要政策課題のときには、とにかく量の確保を最重点で行えと、価格は二の次とかいう考え方に走りがちなわけですね。あるいは、環境が大事となりますと新エネを推進する。
 それは大事なんでありますけれども、ほうっておけば価格を無視し、あるいはセキュリティー、安定供給というものがないがしろにされがちな議論になりかねないわけでございまして、長期を見通して、日本のエネルギー政策というものがどういう基本的な考え方の下に、どういう基本哲学の下に方向性が示され、定性的、定量的に計画が策定されるか、その一番の基本部分が今までなかったわけでございます。
 ですから、個別法は時代の要請に従って私は適時適切に対応してきたと思いますけれども、長期にわたってぶれない考え方の下に適切に個別法の整備がなされるというその基本がなかったものでありますから、もっと早くやれば良かったのにというのが正解だというふうに思っております。

○西山登紀子君 今の御答弁を聞いていると、ますます私、分からなくなってきたんですね。
 つい、この委員会では省エネ法、新エネ法を審議したばかりなんですよ。ところが、今言われましたように、時々のあれに沿って手探りで出してきたというような、そして個別法の審議が済んだ後で基本法が出てくると。これは出し方もまたばらばらで、こういう本当に、与党を中心に出してこられたんですけれども、そしてこの審議を、国会で審議してくれということなんですけれども、この出し方も、個別法を先に出しておいて、後で、いや、それはばらばらで手探りでございましたので基本法を今度出しますと。この出し方もまたあれでございますし、それから長期の見通しが必要だと言いながら三年で見直すとか、これはもう基本法として私は非常に、出し方も内容的にも、これからいろいろ聞いていきたいと思いますけれども、ばらばらだと思うし、ましてや、そういうふうにおっしゃるのであれば、今まで自民党が中心になって政権を担当してこられた、最近は連立ですけれども、そもそもそういう政府のいろいろ出してきたこと、やってきたことが、エネルギー行政そのものが非常に場当たり的でばらばらだったということをむしろ自らお認めになって今出してきているんだというふうにしか受け取れないわけですね。
 そういうふうに言われた政府の側にお聞きしますけれども、エネルギー庁長官ですね、政府のエネルギー対策はばらばらだ、場当たりだ、手探りだというふうに言われたわけですよね、整合性が。(発言する者あり)まあまあ、整合性がないと。いや、もっと厳しいことを言っていますよ、加納議員なんかは、合成の誤謬まで陥っているみたいなことまで言われているわけですから。
 五月二十九日の朝日新聞で経済産業省は、電力会社が自民党に頼んで作らせた基本法なので実体がない、この幹部がそういうふうに冷ややかに見ているというふうな報道もあるわけなんですけれども、政府側として、長官の方、提案者の今御答弁があったわけですけれども、こういう批判はどのように受け止めていらっしゃいますか、長官。

○政府参考人(河野博文君) まず、この法案に対して、私、資源エネルギー庁でございますから、政府で、資源エネルギー行政の現場におる者としてどのように受け止めているかということを、報道の話もありましたのでお話をさせていただきたいと思います。
 この法案は、私は二つ大きな要素があると思います。
 一つは、エネルギー政策の方針を三点にわたって明確に国会の意思として示されようとしているということでございます。この方向性それ自身は、私どもは、総合資源エネルギー調査会で検討しております様々な政策の方向性と矛盾するものではないと思いますし、そういう意味で、もちろん異存のないところでございます。
 それから、第二番目に、政府に対して、責務あるいは基本計画の策定、あるいは情報の公開、国会への報告などなど義務付けている点が幾つもございます。そういう意味では、政府としては責任も重くなるわけでございますし、何がしかのある意味では負担ということもあろうかと思います。
 ただ、そのことを通じまして、国会の場を含めて、あるいは社会全般の皆様方が、エネルギー行政あるいはエネルギーという問題により多く関心を傾けていただけるものであるならばこれは歓迎することでございます。したがって、全体としてこの法案の提出を私どもは歓迎をいたしております。
 ところで、それでは、これまで政府として様々な法案、議員立法のケースもございましたけれども、エネルギー関係の法案がどうであったかと。
 その都度、個々の問題に対応した個別法を設けてきたことは事実でございますけれども、まずその個別法の中でも極力他の政策との整合性を図ってきたつもりでございます。それからまた、経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会で総合的な検討を踏まえて方向付けを随時行ってまいりましたし、また内閣総理大臣が主宰する総合エネルギー対策推進閣僚会議における決定という場を通じましても、個別政策間の調整を図る、あるいは政府一体で対応するということを政府としては努力をしてきたつもりでございます。
 しかし、今回、このエネルギー政策基本法では、エネルギーの需給に関する政策に関しまして国会で立法ということで、その方針をより明確に定められる、そしてこれにのっとった基本計画の閣議決定を政府に義務付けると、そういう制度を構築されるわけでございますから、政府がこれを受けてより一層一体となって総合的に政策を推進する枠組みを法定されるというお考えだと思いますので、そういう意味でその体制が一層固まるという意味を持つというふうに考えているのでございます。

○西山登紀子君 今の答弁を聞きますと、冷ややかというふうな報道ではなくて、むしろ歓迎をするという答弁ですよね、むしろ。うんと新しい、幾つも政府に義務付けていくという新しい仕組みが入っているので、むしろ歓迎するという答弁がされています。
 今まで政府として閣議決定してきたいろんな対策があるわけですけれども、提案者はそれでも不十分だということでこの基本法が必要だということで、いろいろこの提案理由説明を読んでおりますと非常に言葉が並んでいるんですね。これ、長期的、総合的かつ計画的に推進するための基本方針等の法定が必要だという説明がされています。
 これは、私が思うんですけれども、つい先日、この委員会でも省エネ・新エネ法案、審議いたしました。温暖化防止の担保法ではないけれども関連法だということで審議をしたばかりなんですね。この法案の、そのときのいわゆる新エネ法の、法案の中の定義、新エネの中には実は原子力は入っておりません。石炭や原子力は除くということを大臣は答弁をきちっとされておりまして、原子力は入っていないわけですよね。
 そこで、うがった一つの見方としては、この原子力、地球温暖化大綱でも確かに原子力の目標というのは入っておりますけれども、従来からやっぱり下方修正されているのは原子力なんですよね。二〇一〇年まで二十基造ると言っていたのが十ないし十三基に引き下がっておりますし、電力に占める原発の比率も三四・五%から四二%に引き上げる、電力の比率は引き上げるということになっているわけですけれども、どうしても原発の立地が難しくなってきている。さて、どうするのかということで、この原子力の設置の目標、電力に占める原発の比率を上げていくということ、これを実際実行させるための担保になるようなものが何か必要だということで、電力会社の思いというか立場に立って考えるならば、このような基本法が必要になってくるというのはよく分かるような気がいたします。
 そこで、お伺いをいたしますけれども、この基本法の目的は、特に電力の自由化を控えて初期設備の投資も高い。トイレなきマンションと言われておりますが、高い放射性廃棄物の処理方法もいまだ未知でございます。使用済み核燃料の問題や建設への住民の反対は非常に強いと。そういうリスクが本当に雪だるまのように国民の中に明らかになってきている、その原子力発電を国として後押しをする必要がある、そのための基本法、それが目的ではないんですか。

○衆議院議員(亀井善之君) このエネルギー政策基本法の目的等々につきましては、今いろいろ御議論もなされましたが、しかし、この中に原子力を推進すると、こういうようなことは一言も入っていないわけでございまして、この法案における原子力発電の位置付けは、エネルギーの安定供給の確保あるいは環境への適合と市場原理の活用と、そういう政策理念を達成するための手段の一つであって、本法案の目的ではありません。
 また、第四条において、電力自由化等市場原理の活用を進める際においてエネルギーの安定供給、環境への適合という政策目的に十分考慮すべきと述べられておるところでもございまして、ただ、原子力発電は燃料交換が年一回程度、あるいはまた、かつ燃料が、核燃料サイクルが可能であること、あるいは発電におきます技術の果たす役割、そういう面で発電原価に占める燃料費の比率が極めて小さいこと、これら極めて供給安定性に優れた特性を有しておる、これは御承知のことであります。これを推進することは我が国のエネルギー自給率の向上に寄与すると、このようにも考えます。
 発電中におきます二酸化炭素の排出がない、環境への適合、こういう基本方針におきましても、地球温暖化を防止し、及び地球環境保全という政策目的に合致をするものと考えられます。さらに、総合資源エネルギー調査会によれば、原子力発電は発電原価において他の電源との比較において遜色ない水準に達し、経済性に優れたエネルギー源であるということとされております。
 したがって、原子力発電は本法案の政策目的を両立させる具体的な手段として、水力やあるいは地熱、新エネルギーの開発普及等の他の手段と相まって推進されていくべきものと考えておるところでもあります。

○西山登紀子君
 確かに、この法案には原子力、原発という言葉は一つも出てこないんですね。しかし、読み込める仕組みになっているんですよ。
 更に言えば、この基本法というのはエネルギーの定義、これが全くありません。八条にいきなり新エネという言葉がぽんと出てくるんですね。ほかはみんな「エネルギー」でずっと出ているんですが、突然八条には新エネがぽんと出てくる。国民に努力を求めている八条ですよね。国民はどんなエネルギーを使うのかと。「使用の合理化に努める」ということですが、いきなりここでぽんと「新エネルギー」が出てきて、ほかのところは全部「エネルギー」に統一されておりますが、そのエネルギーの定義というのは全くこの法案には書かれておりません。
 つまり、どうとでも取ってくれといえばそういうことですけれども、しかし、そこに私は非常に原子力が最優先されるという中身になっているということ、言わばお料理でいえば隠し味のような、言わばそこが非常にみそだと思います。そういう意味では、エネルギーの中に原発ということは書き込まれていない、それが一つのこの基本法のみそじゃないかというふうに思っています。
 そこで、お伺いしますけれども、法案の第二条の第二項、他のエネルギーによる代替又は貯蔵が著しく困難であるエネルギーの供給については、特にその信頼性及び安全性が確保されるよう施策が講じられなければならないとなっているんですが、正にこれは電力のことを指しますね。そして、信頼性、安全性の確保ということになれば、これはいわゆる今政府がどんどん進めている、与党が進めている原子力、原発を指すのではないでしょうか。

○衆議院議員(細田博之君) 本法案の第二条第二項で書いてございます、「他のエネルギーによる代替又は貯蔵が著しく困難であるエネルギーの供給については、特にその信頼性及び安定性が確保されるよう施策が講じられなければならない。」と、こうあるわけでございますが、これそもそも、カリフォルニアなどで最近起こりましたように、電力というのは日本においてはよほど突然の落雷とか断線とかそういうものが起こらない限りはもう安定的に供給されると思っておったら、経営的な問題とかいろんな事業者の都合だか分かりませんが、突然電力が止まるというようなことがありました。
 しかし、我が国では電気事業法とかガス事業法におきまして供給義務というものを課しておりまして、電気事業者が正当な理由がなければ電気の供給を拒んではならず、安定供給の義務があるというふうに書いてあるわけでございますが、これは電気事業にせよガス事業にせよ、そのようなことが書いてございますが、やはりこの際、定めようとするエネルギー基本法でございますから、突然不安定な供給をするようなことがあってはならないという意味からこの規定を設けて、一般的に設けておるわけでございまして、考えております中身は電力、特に小口電力とか小口の都市ガス等を考えているわけでございます。

○西山登紀子君
 御答弁の中でも原子力ということを言われないわけですけれども、これはやっぱりおかしなことでございまして、原子力の優位性ということをるる言ってこられた与党にとりましてはおかしな答弁じゃないかと思います。これはやっぱり電力であり、これはやっぱり信頼性、安全性の確保というところでは原子力というふうに読むのがこれは当たり前じゃないかと思いますね。
 次にお伺いしますけれども、第三条の中に「太陽光、風力等」の字句が挿入されたわけですけれども、ここで言われております「化石燃料以外のエネルギー」というふうになっておりますね、第三条に。これには電力、水力それから原発も当然含まれるのではないでしょうか。

○衆議院議員(細田博之君) 本法案の第三条における「化石燃料以外のエネルギー」につきましては、原子力、水力、地熱エネルギー、そして太陽光、風力などの新エネルギーを指すものでございます。

○西山登紀子君 原発は入るということですね。
 それから、第四条の「市場原理の活用」という部分なんですけれども、この部分で、エネルギー市場の自由化等のエネルギーの需給に関する経済構造改革にさらされているエネルギーというのは電力ではないんでしょうか。

○衆議院議員(甘利明君) これは電気事業のみならず、都市ガス事業であるとか石油業等のエネルギー供給産業に共通する課題であるというふうに認識をいたしております。
 具体的に申し上げますと、石油の分野では精製業設備許可制等の需給調整規定の廃止、大口都市ガス供給の部分を自由化等、電力以外の分野におきましても経済構造改革を推進してきたところでありまして、今後ともエネルギーの各分野において経済構造改革が推進をされていくべきものであるというふうに考えております。

○西山登紀子君
 やはり電力の自由化で原子力エネルギーの確保が非常に危ぶまれるということで、電気事業者の側から非常な危機感というのがいろんなところに出されておりまして、当然それは与党にも、与党の内部からも当然出ている声だというふうに思います。
 電力で最大の比重を占めるのは原子力ですね。地球温暖化防止大綱でも、原発の電力発電量、これ四二%にするということなんですが、ずっと火力の方は減っていきますからね。法案では二条、三条、四条で原子力というのは一言も触れていないわけですけれども、先ほど私が隠し味といいますか、言いましたけれども、中心になってまとめられた加納議員のインタビューなんかを読みますと、原子力が透けて見えるとか、いろいろ表現は工夫をされているようですけれども、提案者が笑っていらっしゃるけれども、どうもそれが的を射た表現なのかもしれませんけれども、結局は、原子力というのは一言も触れていないんだけれども原発促進の法案になるんですよ。そういう仕組みが含まれているんですよね。
 事実、自民党のエネルギー総合政策小委員会が設置されたのは二〇〇〇年三月でございまして、昨年の四月十二日に「エネルギー総合政策・七つの提言」、エネルギー政策基本法の政策大綱をまとめているわけで、正にコインの裏表だという説明をされていますよね。その七番目に原発の問題がきちっと載っておりまして、この七番目のところには、「原子力発電・原子燃料サイクルの着実な推進」という項目が七番目にきちっと載っておりまして、特にプルサーマルについては国策としてこれを推進するというふうに明確に方針が書かれているわけです。そういう方向にのっとって、正にコインの裏表の関係でこの基本法が出されてきているということは、これはもう紛れもないことではないかと思います。
 法案の第五条に移りますが、「国の責務」というところで、「国は、第二条から前条までに定めるエネルギーの需給に関する施策についての基本方針にのっとり、エネルギーの需給に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」となっているわけですよ。つまり、原発の推進を国が責任を負って実施するということ、電力会社が主体ではなくて国が前面に出て国の責任で行うということ、そういうことなんですよね、第五条。どうですか。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君)
 この法律の中には、先ほど西山委員何度もおっしゃっているように、原子力という言葉は出てきておりません。すべてのエネルギー源を平等に、平等にといいましょうか、ある特定のエネルギー源を想定することなく、基本的に環境適合性、安定供給性、市場経済性、これが大事なんだということを述べているだけでございます。その三つの方針に適合するものの一つとして原子力がある、我々考えていることは確かでございますが、原子力だけを特定してそれを推進しようというものでないということは是非御理解をいただきたいと思います。
 国の責務、いろいろな三つの基本哲学に合致するエネルギー源を推進していく、これに対して国は責務を持つわけでございますが、その推進事業者はいろいろあると思います。民間であったりするかと思います。国の責務は、それが推進されるような環境整備をすること、施策上の、政策上の環境整備をすること、これが国の責務でございます。

○西山登紀子君
 「国の責務」を、この第五条を正確に読みますと、「施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」と、こういうふうになっているわけですよね。
 それで、更に言いますと、第十二条でございます。エネルギー基本計画というものを作るんですが、この計画で、当然今の政府の方向であると基本計画を定めなければならないとなっておりますが、この中では、先ほど長官も歓迎するというふうに言ったんですけれども、この中で原子力や核燃料サイクルに対する国の責務、つまり国の責務という形ではないけれども、基本計画の中にそれが盛り込まれれば、それは国の責務としてやらなきゃいけないということになるわけでございまして、結果的には国が、今電力会社がむしろ実行の前面に立っているわけですけれども、これからはむしろ国の方が自らの責務として原発を推進していくということになるんじゃないでしょうか。ましてや、この第七項、第十二条の第七項にはこういうふうなことも書かれていますね。「予算に計上する等その円滑な実施に必要な措置を講ずるよう」。つまり、予算措置もちゃんと講じなさいよということまできちっと基本法の中に盛り込まれている。これも非常に重大なことじゃないかと思うんですね。
 今、原発の問題については大変な、コストが安いどころか三十兆円もバックエンドも含めて掛かる、大変だぞというような危機感がむしろ電力業界の方から出されているわけですけれども、この十二条、基本計画に原子力、核燃料サイクルということは当然今の政府の下では盛り込んでいくということになりますと、正にそういうことも含めて政府が責任を持つと、その根拠になるというふうに考えますが、いかがでしょう。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 先ほども申し上げましたように、この三つの基本哲学に沿ったエネルギー源であれば、これを総合的な施策の中で推進していくことが国の責務として定められております。原子力発電は、これはこの三つの哲学に沿ったエネルギー源であると我々考えておりまして、したがいまして、原子力発電やプルサーマルの推進を含む国の原子力政策を推し進めていくということを我々は念頭に置いております。
 先ほど近藤委員からも質問がございました。特に安全政策については、これは国が責任を持って進めていかなくてはいけないんではないか、そのための予算措置等必要なのではないかという御質問もございました。全くそのとおりだと思っております。加藤委員からは、自然エネルギー等については国が率先してその促進を図るように予算、研究措置等していく必要があるのではないかという御指摘がございました。その点も国の責務だと思っております。そういう意味で、原子力もまた自然エネルギーも一生懸命国の責務としてこれを推進していくということでございます。

○西山登紀子君
 いろいろなエネルギーも含まれているんだと言うんだけれども、ほかのエネルギーというのは私はむしろ飾りのようなもので、基本の大きなところはやっぱり原発推進と、こういうことになると思うんですよね。それは、加納議員のいろんなインタビューを見ていますと、この法律は非常に効果があると、原子力を促進していく上で。そういうふうに作った御自身がやっぱり本音を述べていらっしゃるわけですね。
 それで、ちょっと余り時間がなくなってきたんですけれども、三十兆円原発の後処理も含めて掛かるというこの試算を、電気事業連合会が初めて試算を出しましたよね、バックエンドも含めて。これは非常に重大なことでございます。今まで原発は安い安いと言っていたけれども、私たちはそうは言っていなかったわけですけれども、実際そういうコストが非常に掛かります。それから、危険性の問題も、ジェー・シー・オーの事故以来、これはもう本当に大変な危機感と不信を国民に与えているわけでございます。
 今、原子力も進める必要があるとおっしゃいましたけれども、このバックエンド三十兆円掛かるという電気事業連合の初めて行った試算について、提案者はどのようにお考えなんでしょうか。

○衆議院議員(斉藤鉄夫君)
 私もその朝日新聞の記事を読みました。そして、すぐ調べましたけれども、その三十兆円という数字が出されてきた根拠については、だれが計算したのか、またどういう根拠に基づいて出されたのかは明確になっておりません。非常に長期的な電事での総額だと思いますけれども、科学技術的なきちんとした根拠による計算によればバックエンドの費用もそう大きなものではないと、このように認識をいたしております。

○西山登紀子君
 こういうふうな初めての試算が出たというときに、タイミング良くこの基本法案を通していこうということなんで、結局、この基本法によって原発を国の施策として基本計画に盛り込むことによって予算的な措置も含めて国が全部しょい込む、こういうことになるんじゃないかというふうに私は思います。
 法案の第六条についてちょっと進めます。
 これも非常に地方の自治体、住民の方から大きな疑問が出ている点です。「地方公共団体の責務」として、「国の施策に準じて施策を講ずる」ということになっているんですよね。
 そういたしますと、最近、住民投票などでいろんな変化が起こっているわけですね、大きな運動が起こっています。この点で、例えば福島県の佐藤知事が三日、政府が推進するプルサーマル計画の完全凍結というふうなことも発言をされていますね。こんなにコストの掛かるものをやる理由が分からないと、しっかりしたリサイクル計画ができておらず、導入しても大量のプルトニウムを生み出すだけだと、完全凍結を含めて考えなければならないというようなことを述べていらっしゃる。いろんな住民運動も起こっている。
 ところが、この法律で、第六条で「地方公共団体の責務」として、「国の施策に準じて施策を講ずる」と、「その区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」というところまでこの法律は決めてしまっている。これでは、地元や自治体の意思を封じ込める、責務という名によってそういう住民の意思を封じ込める、そういうことにつながっていくんじゃないですか。むしろ、それを目的とした法律じゃないですか。

○衆議院議員(細田博之君)
 エネルギーの供給安定の確保あるいは環境への適合という問題については、国がただ音頭を取っておるだけでは、あるいは国が努力するだけで達成できるものではございません。それぞれに各地域においていろいろな問題が発生いたしますし、また地方公共団体の果たす役割が大変重要でございます。
 そこで、第六条におきましては、国の施策に準じて施策を講ずる旨の責務規定を設けておるわけでございますけれども、この状況はまちまちでございまして、例えば、最近地方公共団体はこぞって風力発電のための風車を一生懸命設置するとか、あるいは太陽光発電、個別の家に設置する場合の助成制度を考えるとか、いろいろな形で地方公共団体もCO2問題あるいはエネルギー問題について前向きな姿勢を取っていただいているわけでございますので、この規定というのはより幅広く規定しておるものでございまして、おっしゃったように、原発を推進するんだから、言うことを聞けというようなことを趣旨としておるわけではございません。

○西山登紀子君
 むしろ風力発電なども進めることになるんだとおっしゃっているんですけれども、実はこの委員会でも、この前新エネ法の法案を審議したばかりで、細田議員も御存じだと思いますけれども。この新エネ法、進めれば、地方自治体なんかがどんどん進めている風力発電がむしろ市場原理の下で駆逐されていくんだということも、私はここの委員会で意見を述べたわけでございます。やっぱりこれは原発なんですよ。今非常に原発が、(発言する者あり)いや、本当なんです。これ、加納議員が本当透けて見えるとかいうふうに正に言っているわけですけれども、正に、ずっと条文を読んでいけば、実態としては原発をきちっと法律で国が責任を持って促進しようという基本法になっているんです。
 原発は、今、九九年九月の三十日のジェー・シー・オーの事故、それから高レベル放射性廃棄物の処理の問題、それから九六年の新潟県の巻町、二〇〇一年の刈羽村、海山町の住民投票で、国の原発政策と対立する意思がどんどんどんどん表明されているわけですよね。しかも、例えば安全性の問題でも、安全神話は既に崩壊しているわけですけれども、更に浜岡原発は、これも連続して事故を起こしているわけですね。国民の不安は募る一方です。
 うんと進めたいんだけれどもなかなか内閣としては出すことができない、政府案、閣法として出すことができない。だから、むしろ議員立法としてこういう法律をお出しになったのではないでしょうか。最後にお伺いします。

○衆議院議員(甘利明君)
 この政策基本法の基本的な哲学、三本の柱というのは、環境への配慮、そしてセキュリティーへの配慮、そして経済合理性への配慮でございます。この哲学は、けしからぬとおっしゃる方は恐らくこの中にいらっしゃらないと思います。そういう基本哲学に沿って考えていくと、これは、原子力を推進をする政策ではあるということでありますと、私どもと考え方が同じだなと思うわけでございまして、そういう意味では共感するところでございます。
 あくまでもエネルギー政策基本法というのは、今まで世の中の変化変化に即応はしてきたけれども、しかし全体の構成として、それぞれの政策がどういう整合性を持つんだということから入っているわけでございまして、経済合理性だけでいいますと、備蓄は持たない方がそれはコストは安いんであります。しかし、持たなければセキュリティーに支障を来すということから持つんでありまして、合理性から、経済合理性だけからいえば新エネは進まないんであります。
 ですから、経済合理性は大事だけれども、地球環境ということとセキュリティーを半歩前に出しているということは、早く新エネが市場原理に乗ってくるようにエンカレッジしますよというメッセージも込めているわけでございまして、それら、将来を見通して、どういう枠組みが必要かということに沿って考え方を示し、その考え方に沿って定性的な方向性を出し、それに沿って年次ごとに施策を講じてくださいということでありますので、各個別法の整合性を取るためにも必要な基本的な考え方、方向性だというふうに考えております。
    
○委員長(保坂三蔵君) この際、委員の異動について御報告を申し上げます。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として伊達忠一君が選任されました。
   
○委員長(保坂三蔵君) 引き続き、質疑を続行いたします。

○広野ただし君
 自由党・無所属の会の広野ただしです。
 提案者の皆さん、しんがりでございますので、お疲れでしょうが、最後の濃密な議論をさせていただきたいと、こう思います。
 今度の基本法、安定供給の確保、環境への適合、市場原理の活用というこの三本柱、非常に大切なことだと思っておりますが、やはり何と言っても我が国は自由主義経済であります。その自由主義経済の活力というものをしっかりと保って、そしてまたエネルギーセキュリティーの問題、環境への問題というものをやっていくんだと、こういうふうに思うわけでありますけれども、この第十二条に「エネルギー基本計画」という言葉が出ております。私は、もう日本というのは自由主義経済なんだから、計画経済じゃないんですから、どうもこの計画という言葉が余りにも、時代錯誤というのは言葉は悪いかもしれませんけれども、大綱とかそういうことでないのかなと。
 今、例えば経済見通しでも一年後のことを見通せない時代であります。もう政府の経済見通し、当たったためしがないというくらいなものでありますから、エネルギー需給だって、これだってもう見通せるわけがない、いつも違っているということであります。
 言葉の端を取るわけじゃないんですが、大きな方向を示すという大綱であっていいんじゃないか。地球環境の方も推進大綱という言葉を使っているわけであって、今、計画という言葉は果たしてどうなのかなと、そういう思いがいたしますが、甘利さんからお願いします。

○衆議院議員(甘利明君)
 先生は御専門家でありますから、かなうことならこっち側に座っていただいて、私がそっちに行った方がいいと思うんでありますが、御承知のとおり、十二条に「エネルギー基本計画」というふうに書いてあるわけでございます。もちろん、御指摘のとおり、日本は資本主義、市場経済の国でありますから、計画経済の国ではございません。これはあらゆる分野に共通している項目でございます。
 そこで、基本計画の考え方というのは、方向性、定性的に明示をすることであって、それに基づいて年次施策を講じてくださいと。しかも、その定性的な考え方も、十年を見通して五年以内に見直しというのが原案でありましたけれども、民主党、自由党さんを中心に与野党で修正協議をいたしまして、時代の変化ということを勘案して、三年というふうにスパンを短くした方がいいんではないかというふうに変えさしていただいております。ですから、計画経済の推進のような考え方ではないということでございまして、基本哲学を個別に落とし込んでいくのにより良き方法というふうに考えております。
 御案内のとおり、基本法というのは十数あるわけでありますが、その中でやはり基本計画という書き方をされているのがかなり大宗を占めていると思います。私どもも、先生の御懸念を受け止めてこういう形にしたつもりでございます。

○広野ただし君
 やはり市場経済、特にこれは業種にかかわる点が非常にございます。特に今、自由化の方向ということを大いに推進をしている。もちろん、エネルギーセキュリティーの問題はあります。そしてまた、環境の問題もあります。そういう中で、例えば一次エネルギーの半分、五二%を占める石油においては、石油業法を廃止をいたしました。そしてまた、電気事業あるいはガス事業においても、市場化というものを大いに活用して低廉なエネルギーを供給をする。それが日本の投資環境を非常に高めて、全体的に競争力のある、活気のある日本を作るんだということだと思うわけです。
 元々、いろんなところに業法というのがございます。業法というのがあるところほど競争力がないというのが日本の実態でありまして、自由化をした自動車あるいは電機産業はもう世界へ行って厳しい戦いの中で強靱な体力を作ってきたと、こういうことだと思いますので、私はやはりそういう面では、根っこに日本の自由主義経済の活力をしっかりとやっていくということが大切なんで、何か計画経済的な、何か規制色の強い、そういう基本法であってはならないんではないかと。
 そこで、市場原理の活用というのが大きな柱として出ているわけで、その懸念はないとは思うんですが、もう一度、そこをしっかりと御答弁いただきたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) 御指摘のとおり、市場原理の活用ということを柱の中に据えております。三つの基本哲学は正三角形であるべきではないかという御指摘を衆議院の議論の中でもいただきました。その際に私は、鋭角な二等辺三角形ではないけれども、正三角形に近いんではありますけれども、二等辺三角形で市場原理を若干、半歩後ろに下げておりますと申し上げました。それは何かといいますと、エネルギーという商品の特殊性にかんがみそういう配慮をしているということも申し上げたわけでございまして、なくなったからまた新たに作りましょうということができない、あるいは難しい商品でございます。家電製品や自動車、ハンバーガー、なべかまのように、足らなきゃ作ればいいということができないものでありますし、どこの国にも広く存在するということでもありません。
 そういうことから考えますと、セキュリティーということには殊更配慮しなければならないし、近年、地球規模で懸念をされております地球環境問題、これへの配慮ということを考えますと、地球環境保全、それからセキュリティーを経済合理性よりもほんの少し前へ出して考える、逆な言い方をしますと、経済合理性を図っていく際には常にこの二つを視野に置いて進めていくと間違いがないんではないかというふうに考えておる次第でございます。

○広野ただし君
 私も、先ほどから申し上げておりますように、セキュリティーの問題は日本の骨格にかかわる、根幹にかかわる大事な問題である、こういうふうに思っております。ですから、石油業法は撤廃をされても石油備蓄法はちゃんとある、LPGについてもちゃんとやると、こういうことだと思うんですね。
 そういう部分についてはしっかりとやればいいということでありまして、業法を例えば強化をしてセキュリティーをやるとか、電気事業法、ガス事業法を強化をするとか、そういう考え方になってはならないと。やはり市場というものを、自由化をどんどんやっていく、進めていくということを念頭にやはり置かなければならないと、こう思うわけで、再度答弁をお願いしたいと思います。

○衆議院議員(甘利明君) 重複する御答弁になるわけでございますけれども、規制緩和、自由化、経済合理性の追求というものを柱に据えていることは間違いないということでございます。
 ただ、その点だけでいいますと、例えば発電をするエネルギーを、発電原料を何を使うかということになりますと、それは安いということであれば石炭ということになってしまいますし、あるいはただ安く供給するということになりますとそれ以外のコストはできるだけない方がいいということになるわけでありますが、しかし安定供給をすることと、それから地球環境を保全をすること、そういうことを視野に置きますと、おっしゃるようにコストは掛かるけれどもやっぱり備蓄は重要ですねということになりますし、イニシアルコストは掛かるけれども、資源開発ということも実はセキュリティーということを考えると無視はできませんねという話になってくるわけでございまして、要は基本的な方針、哲学、考え方、この三つを正三角形に近い二等辺三角形でバランスを保っていく、三つの間の最大公約数、最小公倍数という話もありますけれども、を図る際に、若干の、正三角形よりは二等辺三角形という見方が正確かなという考え方に基づいて作らしていただいております。

○広野ただし君
 この間も、省エネルギーあるいは新エネルギーのところで平沼大臣ともお話をさしていただいたんですが、やはりそういう意味ではエネルギーのベストミックスということが非常に大切なことになる。ですから、石油の依存度あるいはエネルギーの輸入依存度というのを、もう、まだまだ高いわけで、まだ八〇%ほど輸入に頼っていると、一次エネルギーベースでですね。ということで、また石油に関しては、石油依存度というのは五〇%もあるということですから、石油依存度をぐっと下げていくと、四割ぐらいまで下げていくよというような方向付けですとか、LNGあるいは石炭の化石燃料関係を三〇パーぐらいに持っていくよとか、三割ぐらいに持っていきますよとか、そしてあと原子力と自然エネルギーの日本の純国産的なエネルギーを三割ぐらいに持っていきますよというような、そういう大きなベストミックスによってエネルギーの安全保障を今度は確保していくというような考え方があるんではなかろうかと、こう思っておるわけでありますけれども、いずれにしましても、自由化の方向は大いにやはり今後とも進めていかなければ、低廉なエネルギー供給ということにはやはりなかなかならないんじゃないかというふうに思っております。
 そして、今政府の方では電力の取引所、今までは大口電力の相対取引みたいのが自由化されてきておりますけれども、電力取引という所を設けて、大体六割ぐらいの電力については大いに自由化をしてというような考え方が出ているようでありますが、このことについては提案者の皆さんはどういうふうに考えておられるでしょうか。

○衆議院議員(甘利明君)
 電力取引所につきましては、我が国に存在する多様な発電設備から電力を調達することを可能にするということでありまして、電力の安定的かつ効率的な供給に資するものというふうに評価はいたしております。
 ただ、私、何度も申し上げておるんですが、よその国で先進的取組として行ってきたことのその評価を、後から取り組む日本としての英知として取り込んだ方がいいと。
 つまり、もし間違いの部分があったら、その同じ間違いをもう一回トレースする必要はないということを申し上げておるわけでございまして、イギリスのプール制を見ましても、アメリカの電力の事故あるいはその後の反省を見ましても、やはり系統の信頼性というのは大事にした方がいいと。それから、相対取引の比率を増やしたり、いわゆるスポット取引の比率をうんと減らすと。イギリス、あれだけ大々的に世界にPRをしてスタートをしたイギリスのあの市場でも、スポット取引というのは、どうでしょうか、一割を切っている現状だと思いますから、取引所の意義ということはきちんと評価しながら、しかし安定的に、事故が起きないようにするためにどういう工夫が必要で、どういう施策が取られてきたかということはきちんと検証する必要があるというふうに考えております。

○広野ただし君
 電力取引所構想等について、まだ全体的には詰まっていないんでしょうけれども、経済産業省の方からお願いします。

○副大臣(大島慶久君) 広野先生にお答えをいたします。
 電力取引所を含めまして、電力の安定供給を効率的に達成し得る、そして公正かつ実効性のあるシステムの構築に向けましては、我が国電気事業制度はいかにあるべきかにつきまして、現在、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の場において幅広く御審議をいただいているところでございます。
 これまでの審議の中では、我が国に存在する様々な発電設備からの電力調達を可能とする電力取引所の整備は、需要家の選択肢拡大の観点のみならず、供給力の多様性の観点からも評価し得るなどの御意見をいただいているところでございます。適切に設計された電力取引所の整備は、安定的で効率的な電力供給に資するものと思われますので、エネルギー政策基本法の理念にも沿ったものと認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、電気事業分科会での御審議の結果を踏まえ、政府といたしましては適切な制度設計を行っていく所存でございます。
 以上でございます。

○広野ただし君 ところで、エネルギー基本法という形になりますと、私はやはりエネルギー危機あるいは非常事態における、どういう体制になるんだろうかということを、そのときの根本的な理念というものがやはり示されるというのがあってよかったんではないかなと、こう思うわけです。
 日本の場合は、憲法においてもいざというときの対応の仕方が規定されていない。一番日本の国民の生活が不安定なときに至るときの基本原則みたいなものが示されていないというところに、非常に日本の危機管理というものがなされてないというふうに思うわけですが、このエネルギー基本法の中で、今まで第一次危機、第二次危機等とエネルギーがありましたですけれども、そのときの対応を、個別法によって今対応していると、エネルギーにおいてですね、石油需給適正化法ですとか備蓄ですとかいうようなことの個別法で対応しておって、根本のいざというときの非常時におけるエネルギーの供給体制はどうなるんだと。国民生活に対してどういうことをじゃお願いをして節約をしてもらうのかというようなときの基本原則みたいなものが示されていないというところに非常に問題があるんではないか、こう思っているんですが、この基本法の中にそういうものを織り込むという考え方はいかがだったんでしょうか。

○衆議院議員(細田博之君)
 広野議員のおっしゃることを伺っておりますと、私は第一次オイルショックのときに資源エネルギー庁に勤務しておりますので昨日のことのようにそのことを思い出すんですが、それは、石油供給が三割カットされるという情報の下に何をしたかというと、何ら法律的措置がないまま、閣議決定は一応ありましたが、すべての日本じゅうの産業とかあるいは灯油も含めた個人に影響を及ぼす石油の需給を、全部割当てを行いました。法律がありませんでした。
 そこで、その後の国会で、割当てがほとんど終了した段階で、つまり鉄鋼業にはどれだけ、石油化学産業にはどれだけ、流通にはどれだけ、消費者にはどれだけ、オフィスにはどれだけというふうにやりまして、灯油の生産はこれだけにしよう、そういう全くの言わば有事立法のような、エネルギー有事立法のようなことを法律なしにやりまして、その後、実は石油需給適正化法、それから国民生活安定緊急措置法というものを、あるいは買占め、売惜しみが起こりましたので、そういう法律を後追いで作っていただいたわけでございますが、時既に遅く、三年間で消費者物価上昇率五三%という事態が生じたわけですね。
 そこで、今考えてみますと、私は、緊急措置、第一次オイルショックのような緊急事態が生じたときには、やはりそのときに決めたエネルギー有事立法のこの三法を基礎に、起こる理由はほとんど石油途絶ですから、これで発動すればまあ足りると。
 それから、その経験に即して、先ほどおっしゃったように、非石油、脱石油、LNGあるいは石炭、原子力への移行ということで、当時の石油輸入量の一三%減まで現時点で約二十五年、三十年近く掛かってやってきたという面ではいいんですが、それに加えて、炭酸ガス問題、地球温暖化問題が発生して、LNGと石炭火力だけでもいかない。
 そうすると、緊急事態の対策としては私は現有立法で書けばいいんで、基本法もそれらしいことを、需給の安定が大事だと、もっと平時において事前の十分な対策が必要だとは書いてございますが、緊急対策としては余りにもこれ書き込むことは難しいんで、既にあるこの三法で実際にはエネルギー有事立法は済んでいるんじゃないかと思っているわけでございますけれども、それじゃ、本当にそれで足りるのかといえばまだまだ不安があるので、当時のその異常事態を覚えている人がだんだんいなくなったんですが、日本がそういう環境にあるんだということをもっと地方自治体も含め全国民の皆さんに考えていただいて。
 一番大事なことは、新エネルギーも開発しなきゃいけません。それは燃料電池にしても、風力にしても、太陽光にしても、そういったものを地道にやる必要がありますが、いかんせん、まだコスト的にいま一歩、莫大な国費を私は費やしていると思うんです。政府は余りそんなこと言わないけれども、もう何百億どころではない金をつぎ込んでおるけれども成功していない、残念ながら。それを早く成功させることが一番危機対策であることは確実であると思っておりますが。
 お答えに戻りますけれども、やはり基本法というのはもうちょっとベースの考え方ではないか。そしてその中で、広野議員が当時やはり通産省で省エネ対策で、ネオンを消しなさい、あるいはこの消費を抑えなさい、自動車を、ガソリンを使っちゃ駄目ですと言って御苦労になった省エネ対策等も緊急時に必要な内容でございますので、これもこの法案の中で、既に成立している法律の中で織り込まれておりますので、私はそういう事態が二度と起こらないことを願うばかりでございますが、起こればこれでいったら十分ではないかと思うわけでございますが、国民的コンセンサスが何よりも必要であると思っております。

○広野ただし君 やはりそういうエネルギー危機ですとか非常時におけるときの原則というのは、市場原理ですとかあるいは環境適合性というところがかなり犠牲になるわけであります。ですから、この三本の柱というのは基本法の根本ではありますけれども、そういういざというときには何らかの措置を講じなければならない。そういうときの原理原則というものはやはりきちっとしておりませんと、個別法だけで対応するというのは私はどうなのかなと、こういうふうに思うわけであります。
 特に、非常時の場合の見方でありますけれども、エネルギーが非常に高騰をした、そういうときに、この間ブッシュ大統領もどうしようかと、備蓄に関してですね、こういうことがあったんですが、石油の備蓄あるいはLPGの備蓄、放出についてのそういうときの考え方というものはどういうふうになっておられるのか、経済産業省。

○政府参考人(河野博文君)
 危機の際の国家備蓄等、備蓄の放出につきましては、石油備蓄法を昨年改正させていただきましたけれども、自由化に伴いまして備蓄機能を高めるということで改正させていただきました。この中で、経済産業大臣が供給途絶あるいはそのおそれなどの判断の下に放出命令を下すといったような条文を用意させていただいております。

○広野ただし君 それでは、第六条ですか、地方自治体、「地方公共団体の責務」のところで、先ほどもいろいろと御議論がありました。「国の施策に準じて施策を講ずる」、地方自治体にかなりの責務を負わせることになるわけでありますが、これは地方自治の考え方あるいは地方分権、憲法で言う地方自治の考え方あるいは地方分権の考え方からいってどうなんだろうかなという点が一つ疑問に思うわけであります。
 特に、例えば地熱が出てくるような市町村においては地熱でいこうじゃないかとか、あるいは離島において風力だとかあるいは太陽でいこうとか、非常にそれぞれがまた特色あるその自治体のエネルギー政策があり得ると。またそこで、それがまた非常なその地域の特色を作って、観光だとかいろいろなことにも役に立つと。いろんな点があろうかと思うわけでありますが、その点について提案者の御意見を伺いたいと思います。

○衆議院議員(細田博之君) 六条におきまして地方公共団体についても責務規定がございますが、これは先ほどの御答弁とも関係しますが、やはり地方公共団体、県、市町村におきまして本当にエネルギー問題を真剣に考えていただかなきゃいけませんし、また地方公共団体の方が良かれと思う政策を思い切ってどんどんやっていただきたい。したがって、地熱のあるところは地熱、風の強いところは風力、まあぼちぼち始まっておりますけれども、太陽光だって、幾らでも暑いところも、晴れる、晴れ間の多いところもありますから、これは大いに進めていただきたいと思います。
 ただ、この中で今いろいろ生じておりますのは、どうも、やってはみた、一つ風力発電の風車を造ってみたけれども、どうも間尺に合わないとだんだん皆さん気付き始めておりまして、もう一段進めるためには国と地方公共団体がまた相談をして、間尺に合わないところをどう間尺に合わせるか。規模の利益によってあるいは合ってくるかもしれませんね、だから普及を促進してもらうとか。
 あるいは、省エネルギーとか地球温暖化問題でも、それぞれの全国の住民の方々の意識をまた持っていただくことは非常に大事でございますので、国がただ上からこういうふうに考えるからさよう心得ろと、先ほどちょっと質問の中にもありましたが、そういう意味では全くございませんで、むしろ全国民の問題ですから、しかも地方自治体で多いに考えて、それで足らざるところはまた国が補うということが基本ではないかと思っております。

○広野ただし君
 最近、特に地方自治体は住民投票に掛けていろんな意見を問う、こういうことになるわけでありますけれども、そういう場合に、条例と法律との差はありますけれども、政治的には、自治体の長は住民投票で国の政策とちょっと違ったものが出てきますと政治家としてはなかなか動けない、こういうような事態が現出するんではないかと、こう思うわけでありますが、そういうときはこの第六条はどのようになるのか、提案者の方から。そしてその後、総務省の方から同じく意見を伺いたいと思います。

○委員長(保坂三蔵君)
 簡略に御答弁をお願いいたします。

○衆議院議員(細田博之君) この問題につきましてはやはり地方自治の基本でございますので、住民投票等の結果を排除するものではなく、十分尊重すべきものだと考えております。

○副大臣(若松謙維君) いわゆる住民投票のお尋ねでございますが、まず、このエネルギー政策基本法案第六条というのは「地方公共団体の責務」ということでありますが、いわゆる努力義務と、そのように理解しております。その上で、いわゆる住民の意向を問うための住民投票、これは例えば原発設置に関するもの、また産廃処分場設置に関するものと、最近、市町村合併に関するこういった住民投票が大変増えているのも承知していることでございます。
 現行制度上、いわゆるこの住民投票についての法律の規定は地方自治法も含めてございません。しかし、地方公共団体として、住民の関心が高く、そして地域においても影響が大きい、そういった事案については、その意向を問うために任意に住民投票を行うことについては法律上特に禁止されていないと、このように理解しております。
 しかし、こうした住民投票でございますが、地方公共団体の長や議会の判断に対する法的拘束力を有しないものとしてありまして、その結果どう受け止めるかということは、あくまでも長、その地方自治体の長が自らの責任において、関係する法律の規定、当該政策のあるべき姿等を総合的に勘案して適切に対応すべきものであると、そのように理解しております。

○広野ただし君
 時間が参りましたので、終わります。

○委員長(保坂三蔵君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、与党提出のエネルギー政策基本法案に対して、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が、一九九九年のジェー・シー・オー事故などによって高まった原発に対する国民的批判に対抗して、原発推進の電力会社の利益擁護を図り、原発、核燃料サイクル推進を後押しする法的根拠を与えるものだからであります。
 本法案には、原子力の字句が一切明記されていませんが、質疑の中で明らかになったように、基本的に原子力を推進することが日本のエネルギー政策の中で非常に重要な位置を占めているとの前提に立ち、原発を一層促進させることは明らかであります。
 第二は、地方公共団体に国の施策に準じて施策を講じる責務を負わせることにより、国策としての原発推進を自治体と住民に押し付けようとするものだからであります。
 スリーマイル島事故、チェルノブイリ原発事故に続いて、日本のチェルノブイリとすら世界に報道されたジェー・シー・オー事故などで、原発の安全神話は崩壊し、住民に大きな不安と衝撃を与えています。
 新潟県巻町、同県刈羽村、三重県海山町と三度の住民投票で原発推進派が敗れたことは、原発ノーという住民の意思の表れであります。
 本法案が、こうした住民の意思を尊重するどころか、封じ込め、自治体に原発立地や高レベル放射性廃棄物の最終処分場などの設置、実施などの責務を負わせることになり、断じて認められません。
 第三に、本法案は、地球温暖化対策として不可欠なエネルギー消費の低減など、省エネ、需要対策がなく、基本法の名に値しないからであります。
 京都議定書の批准国として、実効ある地球温暖化対策を進めるには、省エネルギー対策と再生可能エネルギー、自然エネルギーの抜本的な導入促進、自主的資源外交など、エネルギー政策を展開することこそ必要です。
 第四に、エネルギー政策の基本計画の決定を事実上政府に一任しているからです。
 発電コストの根拠開示など、情報公開が極めて不十分な現状を容認し、エネルギー政策の決定過程の民主化、国民的合意の形成を保障する仕組みを持たないことは問題です。
 以上が本法案に反対する理由であります。
 最後に、今求められているエネルギー政策は、化石エネルギーや原発への依存ではなく、地球温暖化対策、循環型エネルギー利用の促進の立場に立ち、省エネや自然エネルギーの抜本的な導入を促進しながら、原発からの段階的撤退を目指すべきことを表明して、反対討論を終わります。

○委員長(保坂三蔵君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 エネルギー政策基本法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(保坂三蔵君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。