【衆議院経済産業委員会 平成14年4月24日】

〇斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。
 私は、新エネルギーの利用に関する特別措置法案に絞って質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、資源エネルギー庁長官に確認をさせていただきたいと思いますが、新エネルギー部会での議論、そしてその結果を経て今回の法案を出したということでございますが、実は昨年、与党三党で、自然エネルギーに関するプロジェクトチームというものがございまして、十数回にわたる精力的な議論を行いました。
 そのときの議論の主な論点は、一つは買い取り制度かRPS制度か、また廃棄物発電をどのように位置づけるか、きょう委員会でまさに論点になっていたようなことがその与党三党プロジェクトでも大きな議論になりまして、私たちの結論としては、日本にはRPSがふさわしい、このように結論を出し、また廃棄物発電についても、今何の利用もされなくて、熱とCO2をどんどん空気中に放出しているその何も利用されていないものを利用するという意味においては、これを大いに利用していかなきゃいけないという形でこれを位置づけて、与党三党の結論を昨年六月三十日に出したところでございます。
 今回の法律案は、その与党三党の自然エネルギーに関するプロジェクトチームの結論を踏まえて出た法案であるのかどうか、またその内容は、その三党の結論と相違しているのか一致しているのか、この点について確認をまず最初にさせていただきます。

○河野政府参考人 与党三党のプロジェクトチームが方向を出されましたのは、新エネ部会が結論を出しますよりも前でございます。したがいまして、私どもはこの与党プロジェクトチームのお考えも十分参考にさせていただきましたし、また新エネ部会にも、先生方のお考えがこういう方向性であるということも紹介をさせていただきました。
 その与党プロジェクトチームの方向性と今回提出をさせていただいておりますこの法案、方向性、一致していると思っております。

○斉藤(鉄)委員 わかりました。
 それでは、ちょっと法案を離れますが、特に太陽光発電について質問をさせていただきます。
 よく、新エネルギー、特に太陽光発電は不安定なものである、曇りになればだめ、夜はもちろんだめ、こういうことでございますが、この技術開発を進めることによって非常に安定したものになり得る可能性があると言われております。それがいわゆる宇宙太陽光発電でございます。
 将来的には、地上三万六千キロメートルの静止軌道上に太陽パネル、これは、例えば原子力発電所百万キロワット相当に相当するためには何十キロ平方メートルの太陽パネルを張らなくてはならないわけですが、宇宙は、静止軌道上といいましょうか、地球周回軌道上は基本的に微少重力でございますので、ある意味で非常に簡単な構造体でそれができるということもございます。
 そして、静止軌道上ですので赤道面上にございます。地球は太陽に対してちょっと傾いておりますので、赤道面上を考えていただきますと、その赤道面上も太陽に対して傾いておりますから、ほとんど食がないんですね。夏の間、冬の間は、この静止軌道上の衛星は常に太陽の光を受けております。その軸がちょうど太陽に対して平行になる春分の日と秋分の日だけ食が存在する。その前後四十日間程度しか食がない、かつ、それも最大七十分ということでございますので、もちろん曇りはありません、安定している。
 それから、太陽の光も、光の強さですけれども、大体、日本では一日、一平方センチメートル当たり一・二キロジュールと言われておりますが、静止軌道上ではその十倍の十二キロジュール・パー・平方センチ・デーということでございますので、非常に強いエネルギーもある。どうやって発電した電気を地上に運ぶかですけれども、線を引っ張るわけにいきませんので、マイクロウエーブという方法が考えられているようでございます。
 このような太陽発電衛星、夢物語とよく言われるんですけれども、現在アメリカと日本でその研究が進んでおりまして、決して夢物語ではない。もちろん今すぐはできませんけれども、将来、例えば二十年、三十年という、宇宙開発の技術と太陽パネルの技術開発、耐久性等が向上すれば、十分これは将来実用にたえ得るものになるという学者の強い見解もございます。
 このような太陽発電衛星を将来の安定した自然エネルギーの、太陽光発電の一つの柱にしていくべきではないか、私はこのように考えているところでございますが、まず大臣、この太陽発電衛星について、エネルギー政策上も大変重要な柱になるのではないかと私は思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○平沼国務大臣 さすがに工学博士でいらっしゃる先生の御質問だと、大変感銘をして聞かせていただいております。
 このSSPSといいますか、宇宙の太陽光発電、これは、もう先生御指摘のとおり、熱効率の面からいっても、それから気候に左右されないという面からいっても、非常に人類としてチャレンジをしなければならない技術開発に入る、私はそういうふうに思っております。
 当省といたしましても、ちょっと御指摘がありましたけれども、平成十三年度からまず二年間かけまして、幅広い観点から宇宙太陽発電システムの実用化に関する調査検討を行うべく、所要の予算を計上させていただきました。
 しかしながら、最近の技術革新のもとでもその実現にはまだちょっと長い時間がかかる、こういうことが予想されております。また、開発のためのコストも大変膨大だ、こういうことでございますから、当面のエネルギー政策の研究開発目標に掲げるまでにはまだ至っていない段階であります。
 しかし、この宇宙太陽発電システムの実現性というのは、これは人類に福音をもたらす、そういうことだと思っておりまして、私どもとしては、現在進捗中の調査結果も踏まえながら検討を進めてまいる所存でございまして、一部技術についての試作試験、地上実験、こういったものも行う予定にしているところでございまして、非常に重要なテーマだと思っております。

○斉藤(鉄)委員 大臣の大変力強いお言葉を聞いて、私も非常に心強く思うわけですけれども、次は文部科学省にお伺いします。
 この研究ですけれども、現在アメリカと日本の二カ国が行っている、このように聞いております。アメリカは、一九八〇年ごろ大きくぶち上げましたけれども、一たん下火になりましたが、一九九五年からNASAを中心としてこの宇宙太陽発電の研究を本格化しているということで、一九九八年から二〇〇一年度までに三十二ミリオンダラー、三十八億円、二〇〇二年度以降も三十六億円の予算を投入する、二〇〇六年には大体五百億円を投入して技術実証衛星を上げる計画、このように、結構アメリカは宇宙開発の今後の一つの柱としてこれを取り上げて頑張っております。
 これに対して日本では、経済産業省と文部科学省の宇宙開発事業団が、ある意味では非常に自主的な研究として細々と、民間の研究者等も研究会をつくってやっている、このように聞いておりますけれども、文部科学省、NASDAを中心とする研究の現状の認識と、今後の方向性についてお伺いします。

○今村政府参考人 お答え申し上げます。
 宇宙太陽光発電システムにつきましては、先ほどお話のございましたように、宇宙空間で得られるクリーンな太陽エネルギーを利用するという非常に夢のある、かつ潜在的な可能性のあるエネルギー源であるということでございまして、基礎的な研究開発を行ってその可能性を探求するということは極めて有意義なものではないか、このように考えております。
 こうした考え方のもとに、文部科学省といたしましては、平成十年より、宇宙開発事業団を中心に産学官の専門家から成る検討委員会を設置いたしまして、宇宙太陽発電システムの成立性の可能性に関する調査研究を約二年間実施いたしたところでございます。
 この調査研究におきまして、宇宙太陽発電システムの技術的な可能性あるいはコストの問題、これらの検討が行われまして、この結果といたしまして、例えば発電システムの高効率化、送電システムの高性能化など、今後達成すべきさまざまな技術課題についても明らかになったところでございます。
 こうした検討結果を踏まえまして、平成十二年度からは、この宇宙太陽発電システムの実現可能性に関する調査研究といたしまして、マイクロ波送受電技術、高電圧送電技術あるいはレーザー送電技術などの基礎的な技術につきまして調査研究及び試験等を実施していく、このような状況でございます。
 今後とも、こうした考え方のもとに、可能性を明らかにいたしまして、一歩一歩研究開発を進めるように着実に取り組んでいきたい、このように考えております。

○斉藤(鉄)委員 巨大構造物を宇宙につくるという宇宙建設技術、ロボット技術の一つの試金石になると思いますので、これは事エネルギー問題だけでなく、非常に大きな、すそ野の広い技術開発につながっていきますので、ぜひ力を入れていただきたい、このように思います。
 次に、経済産業省にお伺いしますが、このように、日本はまだ細々と、しかしアメリカは結構国を挙げて、予算をつけて一生懸命研究しているということなんですけれども、過去のスーパー三〇一条の例に見るように、米国企業及び米国政府は、民間企業により構築されたエネルギー市場に国家予算を導入して参入するのは商取引上アンフェアであるとして、太陽発電衛星後発国を排除する危険性が将来高まってくる、このような声も研究者の間から上がっております。
 そのような事態を回避するためにも、米国に先駆けてとはなかなかいきませんが、米国と同等に商業化を実現する、商業化の手をつける、この必要があると思いますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

○岡本政府参考人 宇宙太陽光発電の意義については、先ほど先生からの御指摘にもあり、大臣もお答え申し上げたとおり、私どもも大変大事なものだと考えております。
 アメリカの三〇一条云々というのは、多分、衛星についての調達の話としまして、アメリカがかつて我が国に、商業用の衛星の政府調達ということについて一連の要求があった次第でございますが、研究開発用の衛星についてはそのルールというのは適用されないということになりますので、私どもが進めていく研究については、それが制約になるということはここしばらくの間は少なくともないのではないかと思います。
 それから、先生の御指摘のこの研究を進めていくということについては、やはり克服すべき技術的な課題というのも非常に大きいと思います。
 それから、コストの面でも、特に大きな構造物を打ち上げるということでございますので、今ですとトン二十数億かかっているそういう打ち上げのコストというものを、多分百分の一とか、場合によっては千分の一ぐらいに低減するという輸送手段の効率化の話でありますとか、先生お話しの、マイクロウエーブを地上のアンテナに向けてある程度絞って送ってくるその辺の技術、それが環境に及ぼす影響はどうだろうかとか、その辺の見きわめというのを十分にやっていく必要があろうかと思いますので、外国における研究の動向、それから国内で、先ほど文科省から御答弁のあったNASDAでの研究の動向、そういったものを見ながら私どもも一生懸命勉強してまいりたいと考えているものでございます。

○斉藤(鉄)委員 このように、将来これが実用化されれば、原子力にも匹敵するベースロードになり得る安定した、CO2を排出しないエネルギー源ということでございますので、どうか検討をお願いしたいと思います。
 次の質問に移ります。これは先ほど出てまいりましたけれども、原子力との関係でございます。
 我々も、与党三党で議論をしているときに、なぜ自然エネルギー、新エネルギーを促進するか、それは、やはり地球環境問題を考えて二酸化炭素を排出しないということに最大のポイントがある。二酸化炭素を排出しないエネルギー源として原子力があるではないか、ではその原子力も一緒にRPSに入れたらどうか、こういう議論までございました。
 さすがにこれはちょっと、巨大ガリバーと小人との共存ということはなかなか考えにくいわけでありまして外したわけですけれども、その議論にありましたように、やはり地球環境ということを考えたときに、原子力の位置づけをもう一度国民の皆さんに理解をしていただいて、プルサーマルも含めてこれを推進する。自然・新エネルギーの促進もやっていく、そして原子力についても促進して、いわゆる化石燃料の比重を減らしていくということが本
当に大事だと思いますけれども、先ほどと同じ質問になりますが、この点についてお願いします。

○古屋副大臣 先ほどは大臣が答弁させていただきましたので、今度は私がさせていただきたいと思います。
 委員御指摘のように、この原子力発電というのは、総合資源エネルギー調査会の二〇一〇年の長期見通しにおきましても十三基の新設を必要としておりまして、やはり効率的そして安定的、なおかつCO2が出ないということで、まさしく環境に優しいということでありまして、この原子力発電を推進していくということはエネルギー政策の中でも重要な柱であることは、委員の御指摘のとおりだというふうに私どもも認識をいたしております。
 ただ、そのためには、やはり安全性、そしてもう一つ、信頼というものをしっかり国民の皆さんに啓蒙して確保していかなきゃいけないということがあろうかと思います。
 残念ながら、最近、事故があったりして、そういうものについて信頼がややもすると失墜をしていますので、私どもは、その辺をしっかり心して、安全性、そしてまた、国民に対する正しいPR活動というものを徹底することによってこの原子力政策というのを推進していきたいというふうに思っております。

○斉藤(鉄)委員 最後の質問です。
 新エネルギーの中に核融合を加えるべきだ、こういう議論もございました。これはまだまだ実用化されていないわけですけれども、核融合こそ、宇宙が始まったときから存在する最も自然エネルギー、自然な宇宙に存在する自然エネルギーの最たるものだと思いますけれども、この核融合について研究の現状と、ITER誘致云々という問題も今言われております、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

○今村政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、核融合は、いわゆる究極のエネルギー源の確保という人類共通の目標を達成するために世界の英知を結集して取り組むべき課題、このように考えております。
 文部科学省といたしましては、国際協力を積極的に行いつつ、国内では、原子力研究所あるいは大学等におきましてその研究開発を推進しているところでございます。
 特にITER計画につきましては、核融合がエネルギー源として実際に使えるかどうかというその可能性を実証する極めて重要な段階のプロジェクトでございまして、国際協力のもと、これに積極的に参画していく必要があるというふうに考えております。
 このITER計画に対する我が国の参加、誘致の問題は、現在、総合科学技術会議で御審議をいただいているところでございますが、総合科学技術会議の有識者の議員の先生方の間に、ITER計画に積極的に参加すること、さらには、できればこれを我が国に誘致すべきだという見解も出していただいているところでございまして、こうした御見解、さらには、このITERについてはヨーロッパも極めて積極的、熱心でございますが、ヨーロッパの動向等も踏まえまして、我が国といたしましても、その参加、誘致について方針を決めて積極的に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 終わります。ありがとうございました。