【衆議院文部科学委員会 平成14年11月27日】
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。
私は、シックスクールに関して質問をさせていただきたいと思います。
厚生労働省が、シックハウス症候群に関しまして、有害化学物質濃度の指針を順次出しております。文部科学省も、それを受けて昨年、一昨年と五十校、二百八十一カ所で調査をして、そのうち十二カ所でホルムアルデヒド濃度がその厚生省の設定した指針値を上回っていたという結果が出ました。これを踏まえて、ことしの二月、学校環境衛生の基準というものを改定して各都道府県に通知をしたところ、このように認識をしております。
この改定学校環境衛生基準、これを各都道府県の教育委員会に通知後、いかなる改善がなされたか、その認識についてまずお伺いします。
○遠藤政府参考人 御指摘ございましたように、本年の二月に学校環境衛生の基準を改定いたしまして、新たに化学物質の室内濃度について検査事項として盛り込んだということでございます。
この基準に基づきまして、現在、学校におきましては、定期的な検査や新築、改築などが行われる場合の臨時の検査が実施されておりますが、これまでのところ、新築、改築などの際の検査におきまして基準値を超える場合がある、こういう場合が出てきていると聞いておるところでございます。こういったその基準値を超えた学校につきましては、換気を励行したり、原因を究明し、原因物質の除去を行うなど、適切に事後措置をとるよう教育委員会に対して指導をしている、こういう状況にございます。
○斉藤(鉄)委員 改定された学校環境衛生基準、基準値を上回った場合、先ほど答弁ありましたように、原因物質を除去せよ、もしくは換気をせよ、こういうことなんですが、原因物質は建てた建物そのものなんですね。これを除去するというのは現実問題としてなかなか難しい。また、換気扇を設置するのもなかなかこれも費用がかかるということで、根本的な解決になっていないという声もございます。
国としても、各自治体と緊密に連携をとって、この基準値を超えた場合のさらなる主導的な対策を講じていくべきだと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○萩原政府参考人 お答えいたします。
学校施設は、子供たち、児童生徒が一日の大半を過ごす場所でもございますし、その環境については安全かつ快適なものでなければならない、こう考えております。このような観点から、委員御指摘のように、学校環境衛生基準が二月に改定されたわけでありまして、そこに検査方法や判定基準及び事後措置が記されているわけでございます。
この学校環境衛生基準とは別に、学校施設の整備指針というのがございまして、この中に、学校を建てる場合、室内の空気の汚染を発生する化学物質、こういうものを使わない、あるいはその発生が少ない建材を使うように、また換気設備に対しても配慮するように、日ごろから設置者である都道府県等に要請をしているところでございます。
また、ことしの二月に、シックハウス対策に関するパンフレットを出しまして、同様のことをさらに細かく要請しているところでございます。さらに、学校等の建設、改造を行う場合、これらの対応について経費を国庫補助しているところでございます。
もう既に一部の学校でその基準をオーバーしたということがあるわけではございますけれども、基準を超えた場合につきましては、先ほど局長の方から答弁ありましたように、換気を励行するとともに、その原因を究明しまして、その除去等、汚染物質の発生を低くするような措置を設置者が講じる必要がございますが、文部科学省としても、適切な技術指導や情報提供を行いまして、自治体等の設置者と十分連携を図りながら今後しっかりと対応してまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 トルエン、ホルムアルデヒド等、基準値の十倍とか五十五倍とか、かなりもう、本当に子供たちの健康が心配なような例も報告されております。かといって、壁紙をすぐはがしてその原因となっている物質を取るわけにもいかない、ほかに空き教室もない、仕方なくそこで子供たちが勉強せざるを得ないという現状ですので、ぜひこの対策を急いでいただきたいと思います。
現場の教員におけるシックスクールに対する認識不足なんですけれども、そういう認識が足らなくて、シックスクールによって、そういうものが原因で落ちつきがなくなったり疲れやすくなったりした児童でも、認識のない教師は単なる問題児として片づけてしまうという報告もございます。こういう教師に対する認識の浸透、これについてはいかがでしょうか。
○遠藤政府参考人 いわゆるシックスクール、シックハウス症候群に対する対応ということでいいますと、やはり化学物質過敏症の児童生徒に対しましては、個々の状況に応じた対応が求められるわけでございまして、したがいまして、教育委員会あるいはその学校の先生などがシックハウスに関する基本的な知識につきまして正しく認識することが重要である、こう考えておりまして、私ども文部科学省におきましても、教育委員会や学校関係者に対しまして、化学物質の健康に対する影響や化学物質過敏症についての理解が深まるよう、これまで健康教育指導者中央研修会等々、各種会議の場におきまして、シックハウスの問題点、その対策について説明をし、学校での取り組みの重要性について理解を求めてきたということでございます。
平成十五年度の概算要求におきましても、教育委員会、それから学校関係者向けに、最新の知見に基づくシックハウスの基本的な知識や具体の対応方法を示しました参考資料を作成して配付をする、そういった経費を要求しているということがございます。
○斉藤(鉄)委員 その点、ぜひ認識をしていただきたいと思いますし、学校建設の場合、建設会社、地元の業者さんを使うことが多いわけですけれども、いわゆるそういう有害化学物質に対しての認識がなく、安い材料を使ってしまうということもあるようでございまして、そういう面での設計、施工段階での指導も大事かと思います。
次に、そういう症状が見られる子供に対しての措置ですけれども、有効な医療手だてを打てずに放置されているという現状です。父母の方々からは、子供に対する健康調査を実施してほしいとの要望も出ております。ある地域の小学校では、学校と地元医師会が連携し、健康実態調査を実施した例もあると聞いております、これは長野県の塩尻西小学校だそうですけれども。
一方、シックスクールに対する研究がまだ不十分であり、診断できる医師もまだ少ないといった指摘もございます。化学物質過敏症になった子供は、適切な治療を受ける機関も少なく、保険が適用されないので、高額な医療費がかかるとの声もございます。
この問題に取り組む際には、教育現場と医療現場の緊密な連携が必要であり、この点、文部科学省並びに厚生労働省として、今後どのように連携を深め、対策を講じていくか、この点についてお伺いをいたします。
○遠藤政府参考人 いわゆるシックハウス症候群につきましては、厚生労働省におきまして、病態の解明、診断法、治療法の確立に向けた調査研究などが進められている、こう承知をしております。
我が省におきましても、本年度から、学校におけるシックハウス症候群の対策を検討するため、医師や薬剤師などの専門家から成る検討会を設けておりまして、厚生労働省が行う調査研究の状況も踏まえながら、化学物質過敏症の児童生徒の状況等について、できるだけ実態の把握に努め、その結果を踏まえて必要な対策を検討したい、こう考えております。
なお、シックハウス対策につきましては、文部科学省、厚生労働省等の関係省庁で構成されておりますシックハウス対策関係省庁連絡会議が設置をされておりまして、今後とも、こうしたような場を活用しまして、関係省庁と連携を図りながら対策を講じてまいりたい、こう考えております。
○高原政府参考人 ただいま文部省当局から御答弁がございましたように、ただいまシックハウス対策関係省庁連絡会議を設置しておりまして、関係省庁が連携して総合的な対策を実施しておるところでございます。
厚生労働省といたしましては、例えば、平成十三年から十五年にかけまして、住居内空気汚染等とアレルギー疾患との関係に関する疫学研究でございますとか、化学物質過敏症等室内空気中化学物質にかかわる疾病と総化学物質の存在量の検討等々、また室内環境の評価法及び健康影響の予測法の開発等々の研究を現在行っているところでございます。
これらによりまして得られた医学的知見が医療現場や教育現場、生活現場に適切に応用されるよう、文部科学省とも連携をとりながら、普及啓発等に努めてまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 昭和五十年代に児童が大きくふえて、それによって校舎がたくさん建てられました。その改修期、山がこれから出てくるわけでございまして、その改修した後、このシックスクール問題、非常に大きな問題になるんではないか、このように言われておりますので、今からぜひ手を打っていただきたいと思います。
最後に、いわゆる過敏症によりまして、化学物質過敏症、このシックスクールによって登校できず、やむなく休学している子供たちもいらっしゃいます。解決の方途が見出せないまま、教育を受ける権利が脅かされている実態があるわけで、シックスクールの解決に全力を挙げることは当然としても、このような状況下に置かれている子供たちに対して、学ぶ権利を守るために、学習支援対策を早急に行う必要があるのではないかと思います。原因が学校側にあると言っても過言ではないわけで、責任ある対応が必要かと思います。今日まで文部科学省としてどのような学習支援対策がとられてきたか、また今後さらなる具体的な支援策を講ずる用意があるのか、これをお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 我が省といたしましては、いわゆるシックハウス症候群に関しまして、これまでに、学校の室内汚染の実態調査、それから学校環境衛生基準の改定、それからシックハウス症候群の児童生徒の配慮についての通知などを行ってまいりました。
ただ、委員御指摘のように、シックハウス症候群に悩む子供たちが学校に行けないというのは、これは大きな問題でございまして、これはその症状によって幾つか対応策があると思っております。
一つは、就学を指定された小中学校への通学が困難な場合には、保護者の申し立てによりまして、就学する学校の指定変更を行うということも大事だと思っておりますし、それから、症状が重度の場合には、病弱養護学校に転学した上で養護学校の教員が自宅などを訪問して教育を行うなど、個別の配慮を行うようにこれまでも各都道府県に対し指導してまいりましたが、そういったことも徹底していきたいと思います。
ただ、もっと根本的にどうしたらいいかということで私どもも頭を悩ましておりまして、我が省といたしましては、今年度から、七月に発足したわけでございますけれども、医師や薬剤師といった方々から成る検討会を設けておりまして、化学物質過敏症の児童生徒の状況等についてできるだけ実態の把握に努めることといたしておりまして、そうした人たちの意見も聞きながら、今後どうやっていくかについて支援の充実を図りたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 終わります。よろしくお願いいたします。