【衆議院内閣委員会 平成14年11月15日】

○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 早速、具体的な項目について質問をしていきたいと思いますが、私、党で文部科学部会長を仰せつかっておりまして、教育関係、また科学技術関係のことについてお聞きをいたします。

 まず、この教育特区ということについては、教育改革の一つの大きな起爆剤になり得ると思っております。きのう、中教審の教育基本法に関する中間報告が出ましたけれども、こういう具体的な項目について議論をしていくことが今後教育改革にとっては大事ではないか、私はそのように思っております。まず、教育特区ということに対しての文部省の基本的な考え方をお聞きいたします。

 今回、この教育関係の提案も非常に多かったと聞いておりますし、それに対して文部科学省も、マスコミによりますと抵抗勢力の代表のような書かれ方をしておりましたけれども、この特区ということについての基本的な考え方をまずお聞きいたします。

○結城政府参考人 文部科学省といたしましても、所管しております教育の分野、それから科学技術の分野におきまして、思い切った規制改革を進める必要があると考えております。

 この特区の問題につきましても、我が省では、地方公共団体からの提案をどうすれば実現できるかという観点から、前向きに検討、対応してきたところでございます。

 今回御審議いただいておりますこの構造改革特区法案におきましては、十四の法律にかかわる規制についての特例措置が講じられておりますけれども、このうちの三つが文部科学省関連の特例措置でございます。また、特区推進プログラムにおきまして、全省庁で八十項目の特例措置が掲げられておるわけでございますが、このうちの十五項目は文部科学省関連の特例措置でございます。各省庁の中で、数の上からいえば二番目の数になっておるということでございます。

 私どもといたしましても、抵抗省庁というようなことを言われないように、今後とも国民の期待や要望、社会のニーズに適切に対応していくという視点に立って、特区を初めとする規制改革に積極的に取り組んでいきたいと思っております。

○斉藤(鉄)委員 結城官房長にもう一度お伺いしますが、対象地域というところを見ますと、教育上特に配慮が必要な事情のある地域とか、どうも対象地域として理解するのが困難といいましょうか、余り妥当性がないなと思うような対象地域になっているわけですが、つまり、これは全国に適用してもいいのではないかと思われるような提案が今回いっぱいございます。今回、特区でこれがすばらしいということになれば、これを全国に広げていく、そのイニシアチブを文部科学省はとる、こういうことでしょうか。

○結城政府参考人 はい。そのとおりでございまして、特区でやりまして、いい成果が出れば、それをぜひ全国に広げていきたいというふうに思っております。

○斉藤(鉄)委員 地方自治体に聞きましても、文部科学省が非常にかたいという声もよく聞きますので、よく頑迷固陋な文部省というような声も聞きますが、どうかその汚名を返上するように頑張っていただきたいと思います。

 それから、いわゆる民間企業の知恵をどうこの教育改革に結びつけていくかということでございます。

 今回、株式会社の教育分野への参入ということが議論されておりますが、一番大切な視点は、子供たちにそれぞれ合わせた教育カリキュラム編成、また、子供たちに対するきめ細やかな教育、また教員採用ということが必要で、子供たちの側に立った教育改革でなくてはならない、このように考えるわけですけれども、今回の特区の活用により、その子供たちの側に立った教育改革ということが可能になるのか。また、そういう面では、企業、株式会社の参入云々ということと関連するかもしれませんけれども、いわゆる企業の知恵というのは非常に大切になってくるのではないか、企業との協力関係ということも私は必要だ、このように思います。

 現場では、例えば不登校児対策等におきましては、そういう企業が一生懸命取り組んでいるところもございますし、その民間の知恵、いわゆる私立の学校法人ということではない、企業、民間の知恵を活用することが今後非常に大事になってくると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○矢野政府参考人 構造改革特区において、学習指導要領によらないで弾力的な教育課程を編成する取り組みを可能といたしますために、文部科学省といたしましては今回、トータルの措置として、学校教育法施行規則を改正いたしまして、これに基づき新たに構造改革特区研究開発学校制度、これは仮称でございますが、そういう新しい制度を設けることといたしているところでございます。この構造改革特区研究開発学校制度のもとでの地域や学校、また児童生徒の実態に応じた取り組みにつきましては、構造改革特区制度の趣旨にかんがみまして、憲法、教育基本法等に基づく学校教育の取り組みとして適切なものである限り、私どもといたしましては、各地方公共団体の自発性を最大限に尊重する必要があると考えているところでございます。

 また、教職員の配置、採用につきましては、これは既に平成十三年度からの第七次の改善計画を進めているところでございますが、今回の構造改革特別区域法案におきましては、現行の一般的な制度でございます県費負担教職員に加えて、地域の特色、特性に応じて、市町村教育委員会が独自に教職員を任用することができる特例を盛り込んでおりまして、市町村独自の取り組みとしてきめ細かな指導を行うことも可能となると考えているところでございます。

 また、地域や社会との共同連携、民間企業も含めてでございますが、民間企業も含めて社会との連携協力ということにつきましては、これは、子供たちに学ぶことの意義や楽しさを体験させ、学習意欲を高める上で、学校教育において、実社会での生きた知識あるいは経験を持つ社会人を活用すること、また、企業を含めた学校外での施設設備を活用することは大変大きな意義があるというふうに私ども考えているところでございまして、このため、文部科学省といたしましても、例えば、平成十六年度までの三年間で約五万人を目標に、全国の学校に社会人を導入する学校いきいきプランというのを推進しているわけでございますが、そのほかに、職場体験、インターンシップを推進する観点から、産業界の関係者にも御参加をいただきまして一堂に会した全国フォーラムを開催するなどの施策を講じているところでございまして、引き続き、そうした意味での学校教育における社会人の活用、また、民間企業を含めた社会との連携協力を今後とも推進してまいりたい、かように考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 社会体験活動、自然体験活動の効用はもう既に証明されているということでございます。この民間の知恵の導入、民間との協力ということについては、特区に限らず、できるだけ幅広く今後実施されていくことを望みます。

 次に、不登校問題ですが、これまで文部科学省は、不登校問題に対してどちらかというと消極的だという印象を私持っておりました。確かに、不登校を認めてそれに対して特別な対応をとるということは、ある意味では学校へ来ることが原則の社会の中にあってなかなか認めにくいことだったというのはよく理解できるわけですけれども、現実には、平成十三年度において不登校の小中学生は約十三万九千人ということでございまして、この十年間で倍増しております。

 何らかの現実的な施策を講ずる必要があると私は思いますけれども、今回、幾つかの地方公共団体から不登校対策の特区も提案されております。こうした提案について、特区を活用してどのような対応をしていくおつもりか、この点についてお伺いします。

○矢野政府参考人 不登校問題につきましては、委員先ほど御紹介いただきましたように、平成十三年度の不登校児童生徒数が約十三万九千人と過去最高となるなど、極めて憂慮すべき状況にございまして、私ども、深刻な問題として受けとめているところでございます。

 今回、地方公共団体からの構造改革特区の計画に関しまして、東京都八王子市を初めとする複数の自治体から、不登校問題への対応にかかわる提案が幾つかあったところでございます。

 このため、文部科学省といたしましては、教育の機会均等等を配慮しながら、不登校問題にかかわる特区における特例措置を検討いたしました。その結果、要望を踏まえて、特例措置の内容でございますが、一つには、不登校児童生徒を対象とした新しいタイプの学校の設置による教育課程の弾力化ということが一つでございますし、また、もう一つは、引きこもり状態にある不登校児童生徒を対象といたしまして、IT等を活用した学習活動を可能とするということを特例措置として考えたところでございます。

 文部科学省といたしましては、構造改革特区制度の趣旨にかんがみまして、各特区における地方自治体の多様な不登校対策に係るこうした制度を活用した取り組みを期待いたしますとともに、今後とも、私ども、既存の学校における不登校問題の解決に向けた取り組みの一層の充実に努めていかなければならない、かように考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 いろいろな地方公共団体の知恵を活用しながら、国としても文部科学省としても、これまで法制度上の学校というものの存在がある以上なかなか出せなかったところに、これからどんどん対応していくというお答えというふうに認識をしましたけれども、そういう認識でよろしいですね。――はい。それは大変重要なことだと思います。

 しかし、不登校の問題は、八王子だけに限らず、全国の問題でございます。そして、国が一律にこうせよと言うことは、いわゆる教育の世界では確かに不適切かと思いますけれども、地域と連携をとりながら、しかし、ある地域で有効だった方策については、それを全国の地方自治体に、また教育委員会に知らせていくというふうな努力も必要かと思います。

 そのときに、お金は出さないということでは、今回、特区の問題とそれから不登校の問題、お金を出さないということについては二つの別な意味がありますけれども、やはり、この不登校問題については、文部科学省が責任を持って財政的な支援もしながら不登校対策をやっていくということが必要かと思いますが、この不登校対策への財政の援助ということについてはどのようにお考えでしょうか。

○矢野政府参考人 不登校の問題は、御指摘のように、これは一部の地域に限る問題ではないわけでございまして、先ほど来御紹介申し上げておりますように、十三年度の統計を見ますれば、過去最高になるといったような極めて憂慮すべき状況にあるわけでございまして、そういう意味で、不登校の問題はまさに全国的な問題であるというふうに考えているわけでございまして、国として、この問題について責任を持って対応しなければならないと考えているところでございます。

 不登校問題についての基本的な対応でございますが、基本的には、これはすべての児童生徒が楽しい学校生活を送ることができるようにするということが基本であるわけでございまして、こうした基本的な考え方に立って、不登校児童生徒の学校復帰を目指してきめ細かな指導や支援を充実させていくことが重要であるわけでございます。

 こういう観点から、私ども、従来より、スクールカウンセラーの配置など教育相談体制の充実、あるいは適応指導教室への予算の支援といったような各種の施策を講じてまいったところでございますけれども、平成十五年度概算要求におきましては、特に早期の対応が必要であるということと、それから、家庭にいる児童生徒についての学校復帰の支援ということが必要である、そういう観点に立ちまして、新たに地域ぐるみのネットワークを整備するための経費を盛り込んでいるところであるわけでございます。

 さらに、この九月からでございますけれども、専門家による協力者会議を発足させまして、不登校施策につきまして、この時点で改めて幅広い視点、観点から検討を行っているところでございまして、年内を目途に学校関係者等の取り組みの強化に資するような報告を取りまとめたいと考えているわけでございます。私ども、その報告を受けて、不登校への取り組みの予算的なそういう支援も含めて一層の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 この不登校の問題、この特区という制度を使ったいろいろな実験と言ってはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、試みというのは非常に重要になってくると思いますので、ぜひ文部科学省としても重要視をして力を入れていただきたいと思いますし、財政的な支援もぜひ必要だと申し添えたいと思います。

 それから、子育て支援、ちょっと年代が若くなりますけれども、幼稚園、保育園の問題について質問したいと思います。

 今回、本当に安心して子育てをしながら働くことができる、こうした面からも、特区の活用を検討していくべきであるという提案、子育て支援の充実についての地方公共団体からの提案も非常に多かった、このように聞いております。

 そこで、幼児教育特区でございますけれども、法案第十一条では、「学校教育法の特例」として、満三歳からと決められている幼稚園の入園資格について、特区に限って、学年途中で満三歳になる子供にも認めるということになりました。九月二十七日付の朝日新聞の記事によりますと、これは埼玉県北本市の、私立幼稚園で三歳未満の子でも受け入れられるようにという提案に基づいたこの特区、これがきっかけになった、こういうふうに書いてございましたけれども、北本市の方に考え方を調査しましたところ、幼稚園経営者の柔軟な発想をもとに、経営者の創意工夫により、幼児教育を進め、また、幼稚園経営を活性化するために、三歳未満ということではなくて、あくまでも年齢制限を外すことが必要である、こういう提案だったようでございます。

 今回の三歳未満の子供の受け入れは一歩前進であるとしましても、入園年齢の制限を外すべきという強い意見、これは子育て支援、幼保一元化というふうなこととも関連いたしますけれども、私も同感でございます。今回の三歳未満ということに加えて、年齢制限を将来的には外すということについての文部科学省の見解をお伺いいたします。

○矢野政府参考人 今回の幼稚園にかかわる特区についての私どもの考え方を改めて申し上げたいと思うわけでございます。

 幼稚園教育の目的は、これは、同年代の幼児との集団生活の中で主体的な活動でございます遊びを通して総合的な指導を行う点にあるわけでございまして、その中で、発達段階に応じて基本的な生活習慣や社会性を身につけさせていく、そういうところに幼稚園教育のそもそもの目的があるわけでございます。

 今回の、満三歳になる年のその四月から幼稚園受け入れを可能としようといたしますのは、これは、少子化や過疎化等によりまして幼児が同年齢帯の子供とともに活動する機会が減少している地域では幼児が社会性を涵養することが困難となっているわけでございまして、そのような地域におきましては、幼児が他の人間との関係を結ぶことができるようになる二歳から三歳の段階から幼稚園に受け入れることで幼児の社会性の涵養に資すると考え、このような特例措置を設けることにいたしたところでございます。これが今回、幼稚園にかかわる特例の考え方であるわけでございます。

 一方、御指摘のございましたゼロ歳や一歳の幼児についてでございますが、これは、幼児の発達段階、ゼロ歳とか一歳という発達段階を考えますと、先ほど来申し上げてございます集団活動を基本とする幼稚園教育、その幼稚園教育の対象とすることは、これは教育論あるいは教育学上適切ではないというふうに私ども考えているわけでございまして、そういう意味におきまして、特区においても特例措置の対象とすることは困難であるというふうに私どもは考えているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 これ以上下げることは困難だと。これは、ただ我々の感覚だけではなくて、幼児教育学というふうな専門家の知識や議論も踏まえて考慮しなくてはいけないことかと思いますけれども、保育園の方では、もちろんゼロ歳児からの保育があって、その中でも教育的な要素というのは含まれてきているわけでございますので、これは特区の話から大きくなりますけれども、幼保一元化を目指しての何らかの幼稚園の側からのアプローチということも今後考えていかなくてはならない、このように思っておりますので、引き続き研究をしっかりやっていただきたいと思います。

 それから、北本市にそういうことで問い合わせをいたしましたところ、ちょっと幼児教育から離れますけれども、同じく北本市では公民館住民管理特区という提案もされているということでございました。

 これは今回取り上げられておりませんけれども、お話を聞きますと、社会教育法、これは文部科学省の所管する法律ですね。この社会教育法に公民館が行う事業が掲げられているんだそうです。したがって、ここに掲げられている以外の事業を行うことが非常に難しい状況にある。今後、住民ニーズも多様化する。そういう中で、住民ニーズに対応した事業が行えるように社会教育法の制限を撤廃すべきではないか、こういう意見もありましたけれども、この点についてお伺いいたします。

○近藤政府参考人 お答えをいたします。

 先生御案内のとおり、公民館は地域におきます社会教育の中心的な機能を担う施設でありまして、社会教育法におきましてその目的を定めるとともに、その目的の達成のために、講座の開設ですとか講習会の開催等、公民館が行うべき事業について定めているところでございます。

 ただ、社会教育法に掲げられております事業はおおむねのものを例示したものでございまして、それ以外の事業を行ってはならないということではございません。したがいまして、時代の変化に合わせて、公民館の目的を妨げない限度において、地域の実情に応じたさまざまな事業を展開することは可能だと考えておりますし、地域におきましては、住民ニーズに対応いたしまして、公民館に子供たちの交流の場としてオープンスペースを設けたり、地域の民生委員の参加のもと、公民館に保育所を開放する、いろいろな取り組みも現在なされているところでございます。

 今後、私ども、こうした事例あるいはその趣旨をいろいろな会議等を通じまして周知徹底し、地域の実情に応じた事業がより一層展開されるように努めてまいりたいと考えております。

○斉藤(鉄)委員 何でもできますよというお答えだったかと思いますが、現実に地方自治体から、こういう制限があって制約を受けているという声もありますので、ぜひ今後PR等努めていただきたいと思います。

 公民館の話が出ましたので、きょうは若松総務副大臣が来られておりますが、お聞きしたいんですけれども、公民館など公の施設の管理受託者の範囲を拡大するよう地方自治法等の規定の整備を行う、こういうふうに総務省はおっしゃっているようでございますけれども、住民ニーズに対応した事業を行うことにも関連しますけれども、公民館の管理については、住民で構成されるNPO等による管理の実現ということも今後必要になってくるのではないかと思います。

 公民館は住民福祉の向上のために活用されるべきでありまして、住民で構成される団体に管理運営のすべてを委託する時期に来ているのではないか、このように考えますけれども、総務省の見解はいかがでしょうか。

○若松副大臣 このたび、北本市の構造改革特区の提案であります幼児教育特区そして公民館住民管理特区につきましては、実は私も八月二十三日、北本市の加藤市長に、ぜひこれは大事な機会ですので構造改革特区を申請してください、そう申し上げたところでございまして、御指摘、心から感謝申し上げます。

 今委員御指摘の公の施設、いわゆる公民館でございますが、これにつきましては地方自治法第二百四十四条の二におきまして、公共団体、公共的団体または一定の要件を満たす出資法人に対してその管理を委託することができる旨が規定されております。そして、御指摘の住民で構成される団体が公共的な活動を営む公共的団体に該当するものであれば、現行においても公民館の管理をこれらの団体に委託することが自治法上可能となっておりまして、私どもは、北本市をお伺いしますと、コミュニティー、いわゆる地域づくりというものを大変住民参加型で行っておりまして、そういったものはこの公共的団体にかなり合致するものではないかと理解しております。

 なお、公の施設の管理受託者の範囲の拡大についてでありますが、本年八月二十八日に経済財政諮問会議におきまして片山大臣から発表されました「総務省 制度・政策改革ビジョン」というものにおきまして、積極的に検討する旨を明らかにしたところでございまして、現在、次期通常国会を念頭に、さらなる規制緩和の観点から地方自治法等の規定の整備を行うべく鋭意検討しているところでありまして、九月九日の経済財政諮問会議でも、私はその場で、今回経済特区に参加できない自治体もありましたので、さらに申請の受理を受け付ける機会を拡大してほしい、そのように申し入れまして、結果的に、来年の一月十五日、再度申請も可能となっておりまして、既にこのような構造改革特区の申請をしている自治体も、北本市も含め新たな提案をぜひこちらも期待しているところでございます。

○斉藤(鉄)委員 住民参加ということが公の施設をより活用することにつながりますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

 次に、科学技術関係ですけれども、まず、産学官連携について、これは、私も広島ですが、産学官連携、やらなきゃいけないというかけ声は非常によくわかるんだけれども、なかなか何をやっていいかわからない。しかし、これからの日本を活力化していくためには、地域の大学、そして官、そして民、これが連携して技術開発に取り組んでいかなきゃいけない、新しい技術を起こしていかなきゃいけない、こういう意識でございます。

 こういうことに対して、今回の特区法において、この地元の要望がどのような形で取り入れられているのか、措置がとられているのか、これをお聞きいたします。

○石川政府参考人 大学と産業界とのいわゆる産学連携の重要性についての御指摘でございます。

 先生御指摘のとおり、我が国の経済発展、あるいは大学における研究活動の振興という観点から、地域における科学技術の振興、あるいは今お話のありました産学連携の促進ということが大変大切であると私ども考えております。

 そういったことから、これまでも、大学における共同研究センターの整備ですとかあるいは技術移転機関、いわゆるTLOでございますけれども、こういったものの承認を含めまして、私どもとしても積極的に関連施策を展開してきたところでございます。こういった施策に対する期待とか、あるいは産学官連携への熱意というのは大変強くなってきているところでございまして、今回の特区構想に関しましても、地域におけるさらなる科学技術の推進のための要望といったものが非常に多く寄せられてきておりました。

 そこで、今回の構造改革特別区域法におきましては、さらにこういった産学連携を推進するという観点から、具体的には、例えば大学等の国有の敷地の廉価使用に関しまして、従来ですと国立大学と企業との共同研究施設に限っていたようなものを、対象を広げまして、大学の研究成果を活用して企業が行うような応用研究施設にまで広げるというようなことをすることとしておりますし、また、その使用の条件につきましても、従来ですと、当該施設及び敷地を利用した研究に係る全データ等の提供を求めておりました。これを研究成果の報告だけに緩和するといったような措置を講じることとしております。

 我が省といたしましても、これらの措置によりまして、大学と企業との共同研究の促進、あるいは大学発ベンチャーの創出など、積極的に進むものと期待しておりまして、これらが地域経済のさらなる活性化と大学の活性化につながっていくもの、こんなふうに考えておるところでございます。

○斉藤(鉄)委員 その際、地方では大学といいますと国立大学、各地域にあるわけですが、この国立の大学の先生が地域の企業と共同研究をしていく。その際の企業等との兼業ですけれども、かなり厳しい規制がございます。これを緩和していく方向に行かなくてはいけないかと思いますが、これに対して、文部科学省と人事院、どのように考えておるか、お聞きします。

○結城政府参考人 産学官連携を推進するために、大学教員の兼業規制を緩和するということは大変重要であるというふうに思っております。

 平成九年度以降、さまざまな兼業規制の緩和を措置してきておりまして、平成十二年度には、国立大学の教員が、技術移転事業者、いわゆるTLOや大学発のベンチャー企業の役員兼業を勤務時間外で行うことができるように制度が整備されたところでございます。

 今回の構造改革特区推進のためのプログラムにおきましては、さらに二つのことが加えられておるわけでございます。これまでは勤務時間外の兼業でございましたけれども、これに加えまして、一つは、構造改革特区におきましては、TLO及び大学発ベンチャーの役員兼業を勤務時間内で行うことができることとされております。また、もう一つは、これは全国的な措置でございますけれども、産学官連携活動のための非役員兼業、役員でない兼業でございますが、これを勤務時間内に行うことができることとされたところでございます。

 現在、平成十五年度からの実施に向けまして、関係省庁と具体的な基準等について今検討を進めているところでございます。

○佐藤政府参考人 今先生御指摘がございましたように、大学等には非常に貴重な知的財産、特許とかいろいろなノウハウとか、そういう研究成果が蓄積されているわけでございまして、これを積極的に社会に還元して日本経済の活性化につなげる、これは今や社会全体の要請だと思いますし、人事院といたしましても、その重要性につきましては深く認識しているところでございます。

 しかしながら、一方で、国立大学の場合は、先生は国家公務員でございまして、そのために営利企業との人的交流に関してはさまざまな規制が現在あるということでございます。そのうち、人事院が関係するものといたしましては、役員の兼業がございます。国家公務員法上は国家公務員が営利企業の役員を兼業することは原則禁止になっておりまして、ただし、人事院が承認する場合については、これを認めるということになっております。

 そういうことから、平成十二年の四月に、先ほど文科省の方からお答えがあったことと同じでございますけれども、技術移転事業者、それから研究成果活用企業の役員、それから株式会社等の監査役、これにつきましては原則的に役員の兼業ができるというふうに道を開いたわけでございます。

 それから、今回の構造改革特別区につきましても、これも文科省のお答えと同じようになろうかと思いますけれども、技術移転事業者、いわゆるTLO、それから研究成果活用企業の役員については勤務時間内の役員兼業も認めるということにしております。

 それから、もう一点つけ加えさせていただきますと、役員兼業の承認につきましては、従来人事院が直接やっていたわけでございますけれども、ことしの十月から所轄庁の長、各省庁の長でございますけれども、それにこれを委任する。さらに、所轄庁の長はその承認権限を各大学の長、学長さんに委任できるようにいたしました。これによって承認手続もかなり簡素化されたというふうに思っております。

○斉藤(鉄)委員 産学官連携のためにぜひ人事院の方もその制度設計を考えていただきたいと思います。

 次に、総務省にお伺いしますが、いわゆる地方公共団体から地元の国立大学にぜひ寄附をしたい、国立大学は地域の知の中心ということもあって、そこをぜひ整備したい、寄附したい、しかし今それは禁止されているということで、今後これが柔軟にというか、一部は可能になったということも聞いておりますけれども、これを取り入れてこの制度を拡大していく、柔軟に運用していくということが必要かと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○若松副大臣 まず、地方公共団体から国立大学を含めた国等への寄附金等の支出についてでございますが、これまで国と地方との財政秩序を維持するために地方財政再建促進特別措置法に基づきまして、実質的交換や原因者負担など、一定の場合に限って認められることとされてきたところでございます。この規定につきましては、十一月一日、政令改正によりまして、地方公共団体の要請に基づいた国立大学等が行う地域の産業振興等に寄与する科学技術に関する研究開発等に対して、一定の要件のもとで地方公共団体が経費を負担できるようにしたところでございます。

 今回の改正が我が国の最重要政策課題の一つであります科学技術の振興に資するとともに、喫緊の課題である地域経済の活性化にもつながるということを期待しているところでございまして、その運用に当たっても、御指摘のとおり、地方公共団体の意向を尊重するとともに、今回の改正に至った経緯も十分に踏まえながら、その趣旨が生かされるよう、今後適切にかつ前向きに検討してまいる所存でございます。

○斉藤(鉄)委員 法務省にお伺いします。

 優秀な研究者は全部アメリカに行くと言われております。これから日本が知の部分でも先端を行くためには、世界から優秀な人材を集めなくてはいけない。しかし、その大きな障壁に、日本の非常に障壁の高い在留資格があると言われております。優秀な人材、研究者が日本に集まってくるような、今回の特区制度を使ってそういうことをする必要があると思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

○増田政府参考人 今般の特区法におきましては、入管法の特例を受ける事業として外国人研究者受け入れ促進事業を規定いたしまして、産学連携により、研究推進や産業活性化の高いポテンシャルを有する地域として地方自治体が設定した特区内に所在する研究施設等において研究活動を行おうとする外国人研究者等に対しまして、入管法の特例措置をとりたいと考えているところでございます。

 具体的には、特区におきまして研究活動を行う外国人研究者につきまして、これまで三年であった最長の在留期間を五年に延長いたしますほか、資格外活動許可を受けることなく研究活動とあわせて事業の経営活動を行うことも可能とするなどの特例措置をとることとしたいと考えております。

 これらによりまして、特区の研究推進、産業発展に資する外国人研究者の受け入れが図られるものと考えております。

○斉藤(鉄)委員 いわゆる留学生もいよいよ、十万人計画といってやってきましたけれども、十万人に近づいてきました。そういう中で、特に優秀な研究者についてはそのまま日本に残って日本の産業発展のために頑張ってほしいと思うわけですが、ぜひそれができるようにしていただきたいと思います。

 大臣にお聞きするつもりでしたが、時間が終了しましたか。最後に一言。

 やはり財政的な措置というのは今回特区についても必要なのではないか。特に、教育、科学技術ということについては、やはりそれを後押しするために財政的な措置が必要だと思いますが、この点についていかがでしょうか。

○鴻池国務大臣 たびたびそういう御意見、御提案をちょうだいしているわけでありますけれども、今回のこの特区構想につきましては、地域の独自の御提案によるものを可能な限り規制を外すという趣旨、目的でありますので、従来の財政的な措置につきましてはただいまのところ考えておりません。

○斉藤(鉄)委員 ぜひまた次の段階で考えていただきたいと思います。

 終わります。